風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

人間失格 新キャスト発表

晴れました。陽射しが夏のようです。

ネットをウロウロしていたら、小栗くん、映画「コンフィデンスマンJP」に、

ちらりと出演しているそうです。観に行かれる方、探してみてくださいね。

そして映画「人間失格」の新キャストが発表になりました。

小栗旬主演、蜷川実花監督の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』(9月13日公開)の新キャストが23日、発表され、小栗演じる太宰治を取り巻く面々に成田凌千葉雄大瀬戸康史高良健吾藤原竜也がふんすることが明らかになった。太宰の弟子・太田薫に千葉、親友の作家・伊馬春部に瀬戸、三島由紀夫に高良、坂口安吾に藤原、そして映画オリジナルのキャラクターで太宰を崇拝する編集者・佐倉潤一に成田が決定。併せてキャラクタービジュアルも公開となった。

太宰の友人で「堕落論」など過激な思想で戦後一躍時代の寵児となった無頼派(ぶらいは)を代表する作家・坂口安吾役に、主演作『Diner ダイナー』に続き2作目の蜷川作品となる藤原竜也。酒と薬を手放さない破天荒な作家で、太宰を堕落へと誘う悪魔的な魅力を持つ人物として描かれる。かつて互いに蜷川監督の父・蜷川幸雄さんの舞台で厳しい稽古に耐え、切磋琢磨した“盟友”でもある小栗と肩を並べる。

 

成田凌(佐倉潤一役)
蜷川実花さんの作品で、主演は小栗旬さんと聞いた時点で、迷いは全くなく、そのような作品に自分も参加できることが嬉しかったです。僕が演じた太宰の担当編集者・佐倉潤一は、太宰の嫌な部分を沢山見ていて、様々な問題に巻き込まれるのですが、何よりもまず学生時代からの太宰の大ファンで敬意が前提にあるということを大切に演じました。驚くほど映像が綺麗で、どのシーンも凄く印象的で鮮明に残っています。どんな作品になるのか誰も想像できないから、完成した作品を観るのが本当に楽しみです。

千葉雄大(太田薫役)
沢尻さんの弟役は実は2回目なのですが、映画としては初めてで、光栄な時間でした。薫はある意味堅物だと思いますが、常に姉のことを思っている。それを根底にもって演じました。蜷川監督作品は、お客さんとしてファンだったので、自分が出演させて頂きすごく嬉しいですし、もっとこの世界観に浸っていたかったです。蜷川監督が描く太宰の人物像、末路がとても気になります。完成が楽しみです。

瀬戸康史伊馬春部役)
僕は太宰の友人・伊馬春部という役を演じました。2人は本当に仲が良かったそうなので、距離感の近さを表現したかったのですが、初共演の小栗さんに非常に優しく接して頂いて、楽しく演じることができました。また、伊馬が北九州出身ということで、僕も福岡で生まれ育ったので、福岡弁をやらせてもらっています。とても大切な印象に残るシーンになったと思います。

高良健吾三島由紀夫役)
三島由紀夫さんの本には個人的にも影響を受けているので、プレッシャーはもちろんありましたが、演じられて光栄でした。今回自分が演じた三島は、21歳の学生の頃なので、みんなが持っている三島像とは差をつけたいという思いで探りながら演じていました。蜷川監督の三島への思い、演出も非常に的確で分かりやすく、若い時に鍛えていただいた小栗さんとの共演も、緊張感がありつつも本当に楽しかったです。

藤原竜也坂口安吾役)
蜷川監督とは『Diner ダイナー』でもご一緒させて頂きましたが、小栗くん主演の本作に出演できるということは、非常に光栄で嬉しかったです。坂口安吾という重要な役どころを頂き、実際に太宰と安吾が通っていたバー“ルパン”での撮影はまるでタイムスリップしたようにすごく素敵な空間で、大変貴重な経験をさせて頂きました。

 

凄いメンバーですね。いい男揃い踏みというか、また実花さんにかかると、

皆美しい男になって、ここに主役の小栗太宰が加われば、

美しい男たちマックス状態だと思います(笑)。

藤原くんは、小栗くんが「ダイナー」に出ているので、お互い出演し合うような、

なんだか律儀で、仲良しですね(笑)。

「かつて互いに蜷川監督の父・蜷川幸雄さんの舞台で厳しい稽古に耐え、

切磋琢磨した“盟友”でもある小栗と肩を並べる。」

この一文が好きです。

個人的には、三島さんの作品は戯曲以外、すべて読んだので、

三島役の高良くんも楽しみです。三島は太宰のこと、嫌いだったろうなあと思うので、

そういうやりとりも期待しています。

「若い時に鍛えていただいた小栗さんとの共演も、

緊張感がありつつも本当に楽しかったです。」

これは「時計じかけのオレンジ」の時でしょうか?小栗くん、鍛えたのかな?(笑)

さらに、「初共演の小栗さんに非常に優しく接して頂いて、

楽しく演じることができました。」と言ってくれた瀬戸康史くん、

最近注目していて、ときどき「グレーテルのかまど」を観ています。可愛いですよ。

でも本当に、男優キャストも女優キャストも皆美しくて、さらに時代背景も、

浪漫と退廃が入り混じるような時代なので、ビジュアル的にも凄く惹かれますよね。

映画「人間失格」、本当に楽しみです!

できたら、写真集も出してほしいです(笑)。

 

♪ カリギュラ 感想 2回目   2007年11月29日のブログより ♪

私が、とても美しいなあって思うのは、会食のシーンです。
これは、貴族達が、カリギュラのあまりの暴君ぶりに、陰謀を企てているところへ、
カリギュラが入ってきて、その凍りつくような雰囲気の中、会食になるというシーン。
なので、カリギュラの、嘲り、挑発、悪ふざけ、
そして恐怖が描かれるところなんですが、
これがものすごく美しいカリギュラなのです。
あの白い衣装の長い裾を引きずりながら、髪は綺麗に整えられ、
美しい横顔、繊細な顎の線、首には豪華な首飾り、
気品漂うまっすぐで綺麗な立ち姿。
怯える貴族ひとりひとりに、薄ら笑いを浮かべながら、無造作に抱きしめてみたり、
顔を近づけてみたり、挑発してみたり。
ケレアには、お構いなしによりかかって、
セゾニアの側に寄り、壁に手をつく姿がまた格好よく、色っぽく。
そうかと思うと、並べられた椅子の上を、
ピョンピョンと、こばかにしたように、両手を大きく広げて、歩く、
逆上して、テーブルの上を、食器を足で蹴散らしながら、大股で歩く。
その上、無作法で、下品な振る舞いの数々を、繰り広げます。
しかし、こういうシーンでさえ、上品さが失われないのです。
卑しい雰囲気がないんですね。
「タイタス・アンドロニカス」のエアロンを演じた最初の頃は、
生来の品の良さが、かえって仇とも言われましたが、
今回はそれが充分に活きる役で、
蜷川さんが「イギリスでも通用するある種の品の良さを持っているよね」と、
雑誌の中で仰っていましたが、本当にそう思いました。
また小栗くんは所作がとても綺麗ですよね。歩き方、立ち方、座り方。
動きにスピード感があるし、軽やかだし、そのテーブルの上から、
ただ降りるだけでも、それはふわっとその衣装が跳ね上がり、
羽がはえているようで、より美しく、恐ろしさも増していました。
この会食シーンは、とても自由に小栗くんが演じているようで、
ある意味、恐いシーンなんですが、観ていて、気持ちがいいです。
それからあの長い指が、遠くから見てもよくわかって、
とても色っぽいですね。
セゾニアの指にからませながら、自分の身体に這わせるように、
持っていくところ、シピオンを抱きしめながらその髪へ、背中へまわされた指、
最後の最後、夥しい剣に倒れながらも、
ケレアにその身を預けるように、そしてその頬を触れにいった、
血まみれの綺麗な長い指・・・。
このあたりは、もう涙、涙でした。
今回は、シピオンの別れの場面、セゾニアとの場面から、
ラストにかけて涙が止まらなくて。
カリギュラがずっとずっと傷ついていて、出口のない悲しみ、
本当に本当に孤独なんだという思いが、痛いほど伝わってきました。
いろいろごまかして、騙して、目をつぶって、みんな生きていくんだよ。
でも彼には出来ない、その頭の良さ、神経の繊細さ、純粋さが邪魔をするのです。
「まだ子供だ」の台詞が虚しく響く。
「あなたはすでに選んでいる」シピオンの言葉、辛かった。
滑稽な女装をしながら、ペディキュアを塗るシーン、切なくて・・・。
身の危険をどうにか知らせようと必死なエリコンに、
月の話を、愛した女の話を夢のように聞かせます。
そして詩人たちに詩を語らせ、笛を吹くシーン、
いろいろな思いが最後へ向かって、加速していきます。
「不可能!おれはそれを世界の果てまで探しにいった。おれ自身の果てまで」
美しく畳み掛ける台詞の数々は、
小栗くんの肉体を通して、カリギュラの言葉として、
突き刺さるように、伝わってきました。
シピオンとの、ケレアとの、エリコンとの、セゾニアとのシーン、
それぞれが美しく切なかった。
どの思いも届かない、いいえ、届かないふりをしていたのだろうか。
演劇の力、それを伝える人間の力をまざまざと思い知らされました。
深く深く豊かな時間をいただきました。