風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

人間失格 太宰治と3人の女たち 3回目 感想

秋晴れです。

番宣、いろいろ観ました。

チコちゃんに叱られる」は、ハンカチの四角、民謡の「ハア~」、ラジオ体操、

ボタンのこと、みなそれぞれ面白かったです。

りえさんも小栗くんもとても楽しそうでしたね。

ラジオ体操までやってくれて、この番組はずっと立ったままなので、

スタイルの良さをしっかり見ることができて、それも嬉しかったです。

「全力!脱力タイムズ」は、最後は本物がニセ物を演じたりして、

カオスな感じが可笑しかったです。

「ファンとミラージュ」はちょっと花沢類みたいでした(笑)。

そして「ボクらの時代」がとてもよかったです。

実花さん、沢尻さん、小栗くん、皆さん、饒舌で楽しそうで、中身の濃い対談でした。

本格的なラブシーンが初めてだった~は、

そうだよね。待ってたよって思いました(笑)。

そしてこちらの会話。

蜷川「別に私たち、芝居、上手いわけないじゃんって二人で話してたじゃない。

   でもやっぱりお芝居するのが好きなんだよねって、二人で」

小栗「俺ね、でもまじその話、エリカちゃんとできて、

   俺、すげぇいい話できたなあって」

蜷川「凄く私、印象的だったの」

沢尻「芝居上手い人なんてもっといるし、ぶっちゃけ上手くないし」

小栗「そうそう」

蜷川「ぶっちゃけ上手くないしねってこの二人(!)が、

   あの現場で、にこやかに話していることが、私は衝撃的で」

沢尻「でもやっぱ原動力って、好きっていう原動力って、

   何にもかえられないものだから、これは私は自分は凄く誇れることで」

 

いやいや上手いと思うのですが、でも二人の立ち位置を考えると、

なんとなくわかって、でも好きこそ原動力というのは、凄く納得します。

「好きこそ無敵」というキャッチフレーズがありましたが、

その思いこそがいろいろなことを乗り越えて上昇していけると思うのです。

キラキラした瞳で話す小栗くん、沢尻さんが素敵でした。

それから辛かった時期のこと。

小栗「僕の場合は二十代中盤ですね。結局やっぱり蜷川さんって俺の中で、

   物凄くでかくて、俺、蜷川さんと「カリギュラ」っていう舞台が、

   終わった後からの3年間くらい、物凄くしんどかったんですよ」

蜷川「ああ、そうか」

小栗「何をやってもあれ以上の自分になれるつもりがないみたいな時間を、

   過ごしてて、3年間くらい」

蜷川「それはどうやって抜けたの?」

小栗「なんで抜けたんでしょうね。俺の場合はなんか意外と演劇だけは、

   続けてきたから。演劇が助けてくれたっていうのがあるのかもしれないけど」

 

カリギュラ」は私の中でも凄く大きくて、

あれは彼の年齢、環境、生い立ち、これまでの俳優人生、

それらすべてが「カリギュラ」への長い長い役作りのような、

まさにこの「カリギュラ」を演じるために導かれたのではないかと思うくらい、

奇跡のように美しく壮絶なカリギュラで、

私はカリギュラを演じるその小栗くんに、その舞台に、出会えた喜びで、

心震えていたのですが、演じた本人はとても大変だったと思います。

でも演劇が助けてくれたという言葉がまた嬉しかったです。

他のお話は、子供が出来て、満たされたら~という話も、

表現者ならではの話で、そうだろうなあと思いますし、

入り込み方の話も、俳優さんともども、大変な職業だと思いますし、

でもだからこそ、とても魅力的な職業で、

また私たちをいろいろな世界へ連れて行ってほしいなあと思いました。

 

人間失格 太宰治と3人の女たち」大ヒット御礼舞台挨拶がありました。

女優の宮沢りえ蜷川実花監督が23日、都内で行われた映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』大ヒット御礼舞台挨拶に登場した。

宮沢は「太宰の妻として、とっても過酷で濃密な時間を過ごしました。小栗さんが演じる太宰はもちろん、子役の子たちが素晴らしい演技で、奇跡の連続が毎日続いていたので、それが画面の中に納まったなと思います。作品に携われて光栄です」と、同作に挑んだ思いを語った。

「美知子と太宰の関係性について、どうとらえていた?」との問いには、「美知子は太宰の一番の理解者で、ファンだったと思うんですよね。その彼を支える妻は辛かっただろうけど、愛し続けていられた時間は幸せだったんじゃないかな」と回答。また「クリエイティブな仕事をしている人は、どこか太宰に近いもろさがあって、人間としては成立してないけれど、表現者としては最高っていう人が多いですよね」と前置きし、「でも私は表現者として、家庭は守って、仕事では攻めまくるのが理想ですね」と、自身の表現者としての理想も語った。

16kg減量して太宰役に臨んだ小栗については、「現場でもみるみるうちに痩せていって……。最初に本読みの時に会った時の小栗さんと、現場での小栗さんは明らかに違っていて、その役を生きているというのをすごく感じました」とコメント。

「私が敷居のところに立って(家族を)『壊しなさい』って言った後の、小栗さんの顔がこの映画の中で一番よかったと思います。今まで見たことのない小栗さんだなと思っていて、あの時の小栗さんは一番好きな顔です」と小栗の太宰を絶賛すると、蜷川監督も「あそこのシーンは物凄かった。本当にりえちゃんに引き出された顔ですよね」と熱く語っていた。

 

あの表情、素晴らしかったですよね。りえさんの言葉がとてもとても嬉しいです。

お芝居って素敵です。

 

その「人間失格 太宰治と3人の女たち」3回目を昨日観てきました。

彼の小説が好きで彼を好きになり、彼は小説が書きたくて彼女たちを好きになり、

すべて小説がベースで、身を削り生み出す苦悩が描かれていました。

春のピンクの梅の花、真っ白な夥しい藤の花、赤い血の上に降り注ぐ白い白い花々、

そしてきりりとした紫の花、

美しい映像、美しい美術、美しい役者、美しい音楽とともに、

人間失格 太宰治と3人の女たち」心奪われる作品でした。

色っぽくて切なくて繊細で美しい、書くことに翻弄された、

忘れられない小栗太宰でした。

エンドロール前のスカパラの曲の入り方が格好いいです。

そして小説家だけあって、言葉が力を持っていて、

台詞も素敵でしたよね。それではその台詞を少し書きたいと思いますので、

ネタバレになりますので、読みたい方だけお願いします。

 

 

 

人間失格 太宰治と3人の女たち

太宰「静子は何も悪くないよ。三十にもなって赤ちゃんみたいだな」

 

太宰「(静子の首にネックレスをかけながら)知ってる?

   レールモントフの詩の一節、『病める貝殻にのみ真珠は宿る』。

   傷ついた者だけが、美しいものを作り出すんだ」

 

富栄「だめ、だめです・・・」

太宰「だめ?なにが?」

富栄「わたし・・」

太宰「大丈夫、君は僕が好きだよ」

 

静子「世間って誰?どこの誰のこと?」

 

太宰「馬鹿にも分かるように書けってか」

安吾「馬鹿が読んでも凄まじい小説を書けってことだよ」

 

美知子「お父さんは色んなことがあって、ボロボロで、幽霊みたいで。

    それでも毎日小説を書いてたの。お母さんね、お父さんの書く文字が・・・、

    キラキラ光ってみえた。分かるの。お父さんは天才。誰よりも才能がある。

    もっと、もっと、もっとすごいものが書けるの」

 

美知子「壊しなさい、私たちを。壊して本当の傑作を書きなさい。

    それが、あなたのやりたいことでしょう?」

 

「美知様 おまえを、誰より、愛してゐました。」