よく晴れました。
舞台「ジョン王」のチラシビジュアルとプロモーション映像が公開になりました。
2020年6月に開幕する、彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾『ジョン王』のチラシビジュアル、プロモーション映像が完成した。
1998年のスタート以来、芸術監督・蜷川幸雄のもとでシェイクスピア全37戯曲の完全上演を目指し、国内外で話題作を発表し続けてきた彩の国シェイクスピア・シリーズ。2017年の第33弾より俳優・吉田鋼太郎が2代目芸術監督に就任。 2020年6月上演の第36弾は小栗旬主演、“オールメール”で演じられる『ジョン王』。
生命力とユーモアにあふれ世の中をシニカルに見つめる若者“私生児”フィリップ・ザ・バスタードの存在を通して、英国史上最も悪評の高い王であろうジョンの治世と、そこに生きる人々を描いた歴史劇だ。
プロモーション映像は、演出だけでなくフランス王役で出演も果たす吉田鋼太郎、タイトルロールであるイングランド軍のジョン王役・横田栄司、 そして主演の私生児役・小栗旬の3人が、多彩な言葉の応酬が特徴的な本作とは対照的に、 無言で作品の世界観を魅せる映像となっている。
また、メインビジュアルは、争いを繰り返すジョン王とフランス王が悩みと欲望を抱え必死に何かを叫んでいる姿と、シニカルな笑いをたたえながら二人を見下している私生児を表現している。
チラシもプロモーション映像も、まだこれからという感じで、
どんな舞台なのか、やはり想像できないのですが(笑)、
楽しみなのは間違いないです。なにより上演できる世の中に、
平穏な世の中に、早くなりますように願っています。
鋼太郎さんのインタビューに嬉しいことが書かれていました。
ーー作品に小栗さんや横田さんをキャスティングしたということは、お二人がそれぞれの役にとても合っているからということですか。
もちろん、もちろん。合っているも何も、まず横田くんの場合は何でもできるしね。そして『ジョン王』を小栗くんで、バスタード役を主演にしてやりたいというのはずっと前から頭にありました。冷静さ、クールさ、みたいなものを彼は持っている。比べるわけではないけど同世代の蜷川組、蜷川さんに薫陶を受けてきた藤原竜也のほうは熱い、情熱的なイメージがあるじゃないですか。それと比べると小栗くんはクールなんですね。今回のバスタードという役は、イギリスもフランスも関係なく、物語に関わる人の全体像、すべてを俯瞰して見ている役でもあって、いかにも小栗くんにピッタリの役だと思ったんですよ。
ーー改めて、小栗さんとご一緒できるということで特に楽しみなことは。
蜷川さんのもとで、小栗くんとは3本くらい芝居をやったのかな。だからお互いに勝手知ったる仲だから、そういう意味ではとてもリラックスできる相手でもあります。役者というのは面白いもので、いろいろ冒険もしてみたいんだけど、手の内を知っているリラックスできる相手とも一緒にやりたくなるんですよ。
ーー気心も知れているから、安心していいものが作れそうな気もしますね。
そうそう。でもそれで緊張感をなくしたらまずいんだけど。なにしろ小栗くんと一緒に芝居をするのは本当に久しぶりなので。海外映画ものシリーズ『時計じかけのオレンジ』(2011年)と『カッコーの巣の上で』(2014年)でも共演はしているけどあまりからめなかったので、僕の中では消化不良気味だったんです。だから、ガチでやるのは『タイタス・アンドロニカス』(2006年)以来になっちゃうのかな。
ーーぜひシェイクスピア作品でご一緒したかった、ということでしょうか。
そう、だから今回はやっとできる! という気持ちもあります。成長した小栗くんも見せてもらえそうだし、あいつが何をやらかしてくれるのか、こちらに何を持ってきてくれるのか、すごくドキドキしています。これは、小栗くんに引っ張ってもらう芝居でもありますから。
ーー小栗さんを演出する、ということは初めてですよね?
初めてですね。もともと彼には遠慮なく何でも言えるんで、そういう意味でもとてもいい座組になるんじゃないかと思っています。
ーーそして、この彩の国シェイクスピア・シリーズもいよいよ終わりに近づいてきましたが。
そうだね。だけど蜷川さんが始めて、本当なら蜷川さんが最後までやらなければいけないこと、あるいはやらせてあげたかったことだったということもあって、実はここで終わりにはしたくないんです。「37本全部やりきりました、ハイ終了」にしたくない。お客さんからもできれば「もっと続けて」という声が聞きたいし、正直なところ僕らももっとやりたい。僕はシェイクスピアがライフワークだから、可能ならこの先も続けたいなと思っているんです。小栗くんも、いつか『ハムレット』をやりたいって言っていたし。
ーー蜷川さんとできなかった『ハムレット』、ぜひ実現していただきたいですよね。
でもだんだん、年齢的なタイムリミットもあるからね。もちろん40歳過ぎてからやったっていいんだけど、なるべくなら若いハムレットで見たいですから。そんな、希望はありますね。
ーーその場合、蜷川さんの名前は。
それは、使ったほうがいいと思っていますよ。亡くなってしまうと、記憶からだんだん薄れてしまう。それをとどめておくためにも、絶対に蜷川さんが続けていたシリーズだということはどこかに冠として残しておきたい。というか、そうしないと蜷川さんが怒ると思うんです。わりと、そういうことを気にする人だったから、「俺の名前はどこ行ったんだ!」って(笑)。化けて出られたらイヤですからね。
ーー特に、今回の作品をやる上での一番の楽しみは。
それはやっぱり、小栗くんだね。舞台の上で、そして稽古場で、小栗くんに会えるのがすごい楽しみ。大好きなんだよ、なんだか恋しちゃってるみたいに(笑)。
ーー相思相愛ですね(笑)。
もう、ヘンな関係だよ。小栗くんと仲良くすると竜也が怒る、竜也と仲良くすると小栗くんが怒る。リアル『おっさんずラブ』をここでやってたのか! っていう感じ(笑)。あ、そこに横田くんも入ってくるんだった。また竜也も小栗くんも、横田くんをすぐいじめるんだよ。横田くんは優しいから、いじりがいがあるんだろうね。いつもニコニコして絶対怒ったりしないし。蜷川組の奴らってちょっとおもしろいんだ、他のカンパニーとは一味違って普通の愛とも違う愛で結ばれているの。みんな、家族のようなものだから。家族的な愛というか、近親憎悪があるというか。
ーーファミリーとして、どんな感情をぶつけても大丈夫だという関係ができている。
そうそう。だから、芝居の時もいろいろな表現を出しやすいんです。しかもそれをお互いに言いやすい。「その芝居はダメじゃないか」とか、なんの遠慮もなく言えるから。それってとても、芝居をやる上ではいい環境なんですよ。
ーーでは最後に、お客様へお誘いのメッセージをいただけますか。
知名度の高い作品ではないんですが、往々にしてそういうシェイクスピアの作品って観てみたらとても面白かったりするもので、この芝居もその例にもれず、かなり楽しめるものになると思います。いわゆる歴史劇というものに区分されていますが、歴史劇の部分だけでなく、悲劇の部分、シニカルな笑いに満ちた喜劇の部分、それにもちろん立ち回り、バトルの場面もあって、いろいろなものが混在している芝居なんです。そういう意味でもシェイクスピアの中では異例で面白い作品だし、その世界に小栗旬、横田栄司、吉田鋼太郎たちが入って縦横無尽に暴れまわるという、なかなかない貴重な公演になるはずです。どうぞ、この機会をお見逃しなく!
さあ、なんといっても注目はここです!
「小栗くんも、いつか『ハムレット』をやりたいって言っていたし。」
そうですよね。やっぱりそうですよね。続けて。
「でもだんだん、年齢的なタイムリミットもあるからね。もちろん40歳過ぎてからやったっていいんだけど、なるべくなら若いハムレットで見たいですから。そんな、希望はありますね。」
ということは、2022年は大河ドラマがあって、40歳になってしまうので、
2021年大河の撮影に入る前、40歳になる前に、「ハムレット」どうでしょう。
これで決まりですね!(笑)やれるときにやりましょうよ。
いつか小栗くんの夢のように美しいハムレットが観たいです!