雨風が強くなってきました。
台風が来ていますね。どうぞくれぐれも気をつけてくださいね。
「鎌倉殿の13人」第36回を観ました。
今回も凄い回でしたね。なんといっても、重忠と義時の一騎打ちのシーン。
中川くんのインタビューによると、
ト書きには二人の一騎打ちと書いてあるのみだったそうで、
小栗くんから「あそこの一騎打ちは泥臭いものにしたい」
「畠山重忠って男にここで思いっきりぶん殴られたい」という提案があったそうです。
本当に鎧をつけた二人の重量感とそれぞれの気持ちが、
痛いほど伝わってくるシーンでした。
重忠をめがけ、全速力で馬を走らせる義時、格好よかった。
(小栗くん、乗馬の上手さを発揮できてよかったですね)。
そして斬り合いから殴り合いへ。
大地を転がり、否応なく口に入る土埃、肌に伝わる拳の強さ、感触、
何十年も培った友情はかえってまた強くなり、
もしかしたら義時は重忠の手にかかって死にたかったのかもと思いましたが、
それを許さず、最後のとどめを刺さなかった重忠の、
鎌倉への思いを背負うことになった義時。
これまでどれだけの人たちが、小四郎の身体を心を通り過ぎていったか。
それも誰も彼も小四郎に思いを託して逝ってしまった。
小四郎が変わっていくのは必然ですよ。
それは少しずつ毒を盛られて怪物になっていくがごとく、
欲もなく普通の青年だった小四郎は、優秀な利発な青年ゆえに頼られ、
無垢な心に容赦なく残酷な処世術を教え込まれ、
この北条義時になっていったんだなあと思いました。
吾妻鏡にはこう書かれていたようです。
鎌倉に帰還した義時は、父・北条時政に「畠山重忠の弟や親類のほとんどは、
他所におり、戦場に赴いたのはわずか百余人でした。謀反を企てたという疑いは、
偽りであり、とてもあわれです。悲涙を抑えることができませんでした」と語りました。
特にこの畠山とのことは大きく義時を変えましたよね。
迷っていたものが吹っ切れたというべきか、政子との会話にも表れています。
義時「これで執権殿は御家人たちの信用を失いました。
執権殿がおられる限り、鎌倉はいずれ立ち行かなくなります。
こたびのことは父上にまつりごとから退いていただく初めの一歩、
重成殿はそのための捨て石」
政子「小四郎・・・恐ろしい人になりましたね」
義時「すべて頼朝様に教えていただいたことです」
義時の表情はまだ少し涙が浮かんでいるように見えるのは、
きっとただ一人わかってくれるのはこの姉だけだと思っているからでしょうか。
いよいよ父上との対立がはっきり表面化してきましたね。
それから小四郎と平六の関係も注目すべき台詞が何個かありました。
平六(小四郎に伝えなくてはいいのか問われ)
「いい!板挟みになって、奴が苦しい思いをするだけだ」
小四郎「平六を呼べ。あいつにやらせよう。
私に隠れてこそこそ動き回った罰だ」
小四郎「ご苦労だった・・・下がっていい」
平六はちょっと何を考えているか分からなくて、
でも小四郎に「下がっていい」と言われた後は少し微笑んでいて、
これは小四郎、ようやく覚悟ができたかと思ったのか、
まあ、でも二人はやはり心の奥底でしっかり繋がっている気がします。
平六のことだから面白がっているようにも見えますが、
しっかり小四郎から目を離さない感じがします。盟友ですから。
平六、これからもなんとなくそばにいてください(笑)。
でも本当に面白い「鎌倉殿の13人」毎週楽しみにしています。
中川くんのインタビューの中にこういう言葉がありました。
「小栗さんは「鎌倉殿の13人」という作品が誰よりも一番好きだし、
関わっているチームみんなのことも大好きだと思います」
それはとても伝わってきますよね。
出る人出る人、精一杯の演技で答えてくれていますし、
脚本も演出も照明も映像も音楽も素晴らしいし、
そういう現場にしているのは小栗くんの力も大きいと思います。
大好きな作品、無事最後まで撮り終えますよう、願っています。