風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

大河ドラマ 鎌倉殿の13人 第47回

晴れたり曇ったりしていた一日でした。

まず今日の夕方「鎌倉殿の13人〜オープニング13の秘密」を観ました。

いろいろと興味深かったのですが、音楽担当のエバン・コールさんの言葉に、

特に惹かれました。

「今回の主人公北条義時をイメージしているのはチェロという楽器なんですけど。

それが低い音も高い音も出せる情熱的な楽器なんです。

彼の人生は悲劇的な人生ではないかなと思うのですが、特にこの物語は、

割と静かで悲しい場面が多いんですけど、チェロの高い音色が、

叫び声のように聞こえて、悲しい人生には合うんではないかなと」

 

本当にそうだなあと思いました。偶然なんですけど、私、最近、

チェロを習い始めたんです。

(学生時代、ピアノとトロンボーンはやったことがあったのですが)

とても難しくて、弦楽器を弾く人、全員尊敬します、という感じで、

続けるかどうかもわからないのですが、義時のイメージとなれば、

頑張ってみようかなと思いました(笑)。

チェロ、いい音色ですよね。

優しさと落ち着きと繊細さと美しさ、そう悲しさも義時とぴったりだと思います。

そのチェロの音色は、今日は短調から長調に展開した回だったでしょうか。

 

「鎌倉殿の13人」第47回を観ました。

やっとやっとやっと小四郎が報われた回でしたね。

観音様が泰時から義時の手元にかえってきました。

ぶつかればぶつかるほど心開き合うと、のえさんに言われた父子。

いよいよ義時追討の 院宣が出て。

 

義時「太郎。私はお前が跡を継いでくれることを何より喜びに、

   感じている。

   お前になら安心して北条を、鎌倉を任せることができる」

太郎「どういう意味ですか」

義時「私、ひとりのために、鎌倉を灰にすることは出来ぬということだ」

五郎「兄上」

義時「五郎、太郎を支えてやってくれ。

   次郎、お前もだ」

次郎「はい」

義時「すぐに御家人たちを集めろ。私から話す」

太郎「鎌倉のために命を捨てるおつもりですか」

義時「戦を避けるには他に手はない。時がない。急げ」

五郎「しかし」

義時「姉上に会ってくる」

 

政子「もう一度よく考えて小四郎」

義時「もとはといえば、伊豆の片田舎の小さな豪族の次男坊。

   その名を上皇様が口にされるとは。

   それどころか、この私を討伐するため、兵を差し向けようとされている。

   平相国清盛、源九郎判官義経征夷大将軍源頼朝と並んだのです。

   北条の四郎の小倅が。ふふ。面白き人生でございました」

 

ここでもう胸がいっぱいになってしまいました。

小四郎、随分と長い間、皆が彼に押し付けて、皆が彼に背負わせて、

助けようとした人は助けられず、親友さえ討たねばならず、

自分の思いも口に出来ず、家族に、御家人に憎まれ、

たったひとり孤独と向き合い、それでも鎌倉に捧げてきた人生。

鎌倉という存在のまるで生贄のように、いろんな人の血を被り、

真っ黒になっていく自分は、ふと気づいたらこんなにも、

高みに登っていたのかと。最後の微笑みは諦めの微笑み、

しかし満足げでもある微笑み、柔らかな微笑み、誇らしげな微笑み。

「面白き人生でございました」〜彼を支える言葉。

でも姉上が救ってくれました。

生真面目で私利私欲のない小四郎と、皆の前で言ってくれました。

妹もそして跡を託した息子の嬉しい言葉も後押ししてくれました。

間違いなく姉と弟の、この姉と弟にしかわからない空気が、

義時を覆って、やっとやっと涙を流せたね。小四郎。

小四郎に戻った義時、うん、昔は泣き虫だったものね。

小池さんも小栗くんも素晴らしかった。

今回はある意味ハッピーエンドでしたね。

だから最終回は仕方ないかな。もういいよ。一度は報われたから。

最終回が悲しい。義時と別れるのが悲しい。

でも覚悟して心して最終回は観たいと思います。