風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

タイタス・アンドロニカス 大楽

英国の空は澄み渡るように晴れているでしょうか。
いよいよ「タイタス・アンドロニカス」今日、プリマスで大楽ですね!
ただ時差が8時間ありますが(何度も書きました・笑)。
日本から英国へ、長い公演もいよいよ大楽。
皆さん、どんな気持ちで、迎えられていらっしゃることでしょう。
どうぞ皆さん、お身体に気をつけて、
大楽、無事にやり遂げられますようお祈りしています。
蜷川さんもどうぞご自愛なさいますように。
本当に、こんな日が来るなんて、想像していましたか?
小栗くんも期待以上の物凄い成長をとげて、
作品も大好評で、温かい拍手とスタンディングをいただきました。
私たちよりも蜷川さんだけは、彼がここまでくるって確信していたのでしょうか。
「間違いの喜劇」の福岡公演で声も出るようになって、
すべて蜷川さんの思いどおりに、そのレベルまで登って行ったんでしょうか。
以下、『 』は蜷川さんの言葉。「 」は小栗くんの言葉。
「偶然の音楽」のあたりから、「間違いの喜劇」「タイタス・アンドロニカス」へ、
印象的なものを書き出してみました。


『お前のキャラクターは変わってる。 今はのほほんでいいだろうけど、そのうち乗り越えられない壁が出てくるから、その前に俺が先手を打ちたいんだよ。』
小栗旬を中心に考えました。彼は中心にくるべき俳優だと思っております。』
『世界は残酷さで溢れているだろう。それを正しく見つめようとしたら、残酷なものを描くしかない。でもその中に希望をいれたから見てくれ、と』
『小栗の、見た目の美しさやカッコ良さや現代的な風を呼ぶ演技は武器になる。特に、ふとした瞬間の演技の角度が新しい。それと古典的な技法が結び付いたらいけるよ。僕は小栗の少年の尻尾をちょん切ってやろうと思っているんだ。成人の通過儀礼みたいなものかな。そうしても、小栗の魅力は残るから。』
『両方とも本当なんだ。見せて燃えさせたいし、傷付けたくないし・・・。』
『僕だって恐怖はあるんだよ。英国の観客の熱狂と冷ややかさは分かっているから。そういう最前線に俳優を送り出すことには大変な思いがあるよ。』
『RSTでは日本人俳優は、真田さんしかやってないからね。小栗は貴重な体験をするんだよ。』


「そうしたら、その平均点が今度はもっと上がっているかもしれない。今まで70点だったのが、90点の平均点を出せることになるかもしれないですからね。」
「心がいろんなことを知っていないと、
ひとを感動させることは出来ないんじゃないかと思ってる。」
「成長をしっかり実感できるくらい、成長したい。」
「芝居をしている瞬間は、僕にとっては夢のような時間なんで、
最高に楽しいんですよね。」
「しばらく仕事でいっぱいいっぱいの状況に自分を置いて、
がむしゃらにやっていたい。」
「やばいっすねえ。」
「蜷川さんは僕の何百倍っていう経験と戦ってきて結果を残してるわけで、とにかくそれにひたすら食いついていくしかないですね。」
「“世界のニナガワ”と言われている人とじっくり仕事ができる人なんてそんなにたくさんいるわけじゃないし、そこに自分がいるのは本当に幸せなことですから。」
「その目を、今探してる最中なんですけどね。」
「エアロンは最高に面白いですよ。やっててゾクゾクします。」
「タイタス〜、終わったら、僕とんでもない23歳になっちゃうと思うな。」


本当におめでとう、おめでとう!そしてありがとう、ありがとう・・・。
蜷川さんだけではなく、まわりの方々も、伸びよう伸びようとする彼に、
たくさんたくさん、養分と水を下さいました。
小栗旬という樹は、眩しい新緑とともに、美しい花も咲かせました。
私たちはその彼の芝居に対しての純粋な気持ちに心打たれたのです。
出来たら、この目で今その舞台を観たかった。映像でもよかったんですが。
でも伝わってくる、賛辞の数々を思うとき、
遠い英国から拍手と歓声が聞こえてきそうです。
全公演やり遂げて、どんなに自信をつけて帰ってくることでしょう。
改めて、“舞台役者小栗旬”の誕生ですね。
小栗くんのこの素晴らしい時間をみつめていられたこと、本当に嬉しくて幸せでした。
彼の才能、努力、人柄、タイミング、演劇の女神様はこんなに彼を愛して下さいました。
きっと彼の人生においても、ひときわ輝く23歳の時だったのではないでしょうか。
空港に降り立つ彼は、
“またこんなに素敵になっちゃって”というような、彼でしょうか。
でもきっと今までどおり、末っ子らしい可愛い笑顔の彼でもあるような気がします。