風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

月がほしい

夏のような日差しです。
「間違いの喜劇」について、昨日の続きですが、レモンさん、tomtom さんも、
昨日のコメント欄で仰っていますが、
「間違いの喜劇」DVDの特典映像、楽屋から暖簾をくぐって出てくる小栗くんが、
ものすごくものすごく綺麗なんですよ〜。
その抜けるような白い肌と編みこんだ茶色の髪、華奢なすべらかな背中、
白と赤の衣装はまだ背中のベルトのようなところがとめられてなくて、
歩きながら、とめてもらったり、
本当に、はっとするような美しさで、心奪われます。
少し中性的というか、ユニセックスというか、そういう美しさは、
大好物なので(笑)、アンティフォラスは大好きです。
最近では「時計じかけのオレンジ」のアレックスが、
少しそういう系統で、やはりとても美しかったので、凄く嬉しかったです(笑)。
ただ「間違いの喜劇」特典映像は、画面が工夫してあって、
文字と画面を両立させるために、画面自体が小さいんですよね。それが残念で、
そのまま普通の画面で映してほしかったなあと思いました(笑)。
【 amazon.co.jp DVD NINAGAWA×SHAKESPEARE 3 】
(間違いの喜劇 タイタス・アンドロニカス収録)


さて昨日は中秋の名月、6年ぶりに満月の十五夜だったそうで、
ご覧になられましたか。夜空に浮かぶ、まんまるのとても綺麗な月でした。
月あかりってこんなに明るいの?っていうくらい月あかりが明るくて、
カリギュラはこういう完璧な月が欲しかったのかなあなんて思いました(笑)。
そうそう蜷川さんがこんなこと仰っています。
「大の男が“月がほしい”とかさ。そんな言葉に説得力を持たせるって、
 大変なことだと思う。小栗はその点、まず見た目がいけるだろ」
ということで、今日は蜷川さん語録(笑)。


「お前のキャラクターは変わってる。 今はのほほんでいいだろうけど、
 そのうち乗り越えられない壁が出てくるから、
 その前に俺が先手を打ちたいんだよ。」
  (2005年 雑誌 BARFOUT より)


小栗旬を中心に考えました。彼は中心にくるべき俳優だと思っております。」
  (間違いの喜劇 記者発表にて)


・・・小栗旬さんにはどのような演劇的冒険を課しているのでしょうか。
「持って生まれた外観や声の良さ、品格などを大いに生かして、
 映像でやっている現代性の表現ではなく、古典のもつ骨格を演技に組み込んで、
 巨大な構造を担える俳優になってほしいと思っています。」
  (間違いの喜劇 パンフレットより)


「世界は残酷さで溢れているだろう。それを正しく見つめようとしたら、
 残酷なものを描くしかない。でもその中に希望をいれたから見てくれ、と」
「小栗の、見た目の美しさやカッコ良さや現代的な風を呼ぶ演技は武器になる。
 特に、ふとした瞬間の演技の角度が新しい。
 それと古典的な技法が結び付いたらいけるよ。
 僕は小栗の少年の尻尾をちょん切ってやろうと思っているんだ。
 成人の通過儀礼みたいなものかな。そうしても、小栗の魅力は残るから。」
「両方とも本当なんだ。見せて燃えさせたいし、傷付けたくないし・・・。」
「僕だって恐怖はあるんだよ。
 英国の観客の熱狂と冷ややかさは、分かっているから。
 そういう最前線に俳優を送り出すことには大変な思いがあるよ。」
「RSTでは日本人俳優は、真田さんしかやってないからね。
 小栗は貴重な体験をするんだよ。」
  (タイタス・アンドロニカス イギリス公演へ向けて)


「その美しさに嫉妬すら覚える」
  (エアロンを演じた小栗くんに対して)


「誰も今、彼がこんなに世の中に受け入れられるとは、
 予測してなかった。
 ただ、僕や僕の周辺にいる人たちは小栗君の才能を認めていた。
 格好よくてファッショナブルで、楽屋の廊下に彼が立ってるだけで、
 そこだけ違う空気が漂う。態度は生意気だけど根はナイーブで(笑)。
 芝居がうまくて微妙な揺らめきが出せるし、喜劇的なところも出せる。」
「アイツはね、ほっとけばグチュグチュ言って、外れたところにいるんだよ。
 もったいないから、引きずり出して蹴飛ばすんだ(笑)。
 さあ、テーマを背負って、責任持って中央に立て!と。
 小栗君はそういう才能なんです。」
  (カリギュラ パンフレットより)


「うまい俳優の演技はホノボノとユーモアに包まれて、清潔感があるのだ。」
  (映画「キサラギ」へのコメント)


「でもセリフが詩だろ?どこをとっても美しいよな」
「それは天性の才能だと思うんだけど、おまえはたとえ古典のセリフを喋っても、
 ある種の日常的なリアリティがくっ付いてくるんだよ。
 本人の前では癪だからあんまり言いたくないんだけど(笑)。
 発声も含めて、相手の心に柔らかくスッと入っていく」
「大の男が“月がほしい”とかさ。そんな言葉に説得力を持たせるって、
 大変なことだと思う。小栗はその点、まず見た目がいけるだろ」
「だから憧れるし共感するんだ、カミュの世界に。
 繊細で傷つきやすいけど、虚無に通じるほど明るいからね。
 カミュがフランス人だからかな。南仏の日差しのように、
 透明度の高い暗さなんだ。そこが昔から大好きでね」
「俺が生きている内に、小栗を天下無敵の俳優にするよ」
  (カリギュラについて 雑誌 LOOK at STAR!より)


「悪そうで、オシャレでかっこいい。叙情もある」
「俺は小栗のそんなところに同類の匂いを嗅いでいるんだよ」
「今回のカリギュラは小栗のために立てた企画だからね」
「つまりメインカルチャーを充分に扱える俳優にしたいんだ」
「小栗は今の自分の人気が虚妄だってわかっていて、もっと本質的な、
 俳優になりたがっている。今回のカリギュラでは、苛立ちや孤独、
 他者を求める気持ち、外れていく人間の悲しみ、それでいながら本当の自分を、
 求めていくという男を演じる。それは今の小栗の世界そのものなんだよ。
 だから舞台を通じて、いま小栗旬が本当に作りたがっているものを観てほしいね」
  (2007年 weekly ぴあ 小栗旬の時代より)


「小栗、おまえはそんなところで生きるな」
「小栗、次のステップに行くんだぜ」
  (2007年 NINAGAWA 千の目より)


「彼の魅力?まずは身体能力の高さだよね。
 演技者として必要な反射神経が備わっている。
 それと皮膚のきめの細かさ。
 ガラスみたいに、触ったらひんやりしてそうな質感がある。
 今の役者には大切な条件だよ。
 最後に声。恵まれた環境で育った者特有の甘さと、
 意識的に野性であろうとする男っぽさが共存している。」
  (2008年 週刊朝日より)


「本当に自分に飢えてるんなら、もっと本を選べと。不良高校生なんて、
 誰がやったって上手いですよ。日本の俳優は。不良高校生をやって、
 下手だって言われた俳優、ひとりもいないですよ。
 そういうものをやって上手いと思ってないと思うけど、それから、
 イケメンの俳優がいっぱい出てきて、いろんなもの競ったって、
 たかがしれてるでしょ。そんなもんよりさ、世界のトップクラスの、
 20代の俳優はさ、もっと凄い仕事いっぱいやってるわけだから、
 そういう仕事の中に頭突っ込んで、互角の勝負ができるような、
 仕事をしてほしい。小栗にはそれだけの肉体的な魅力も、
 それから知性だってあるわけで、もっともっと欲望がね、尖がってね。
 たかがちっちゃいところで、ちっちゃい不良になったってしょうがないでしょ。
 いい子になったって。それよりもっと欲望の、
 巨大な欲望の持ち主である俳優になってほしいと思っているんです。
 是非、また一緒に仕事をしましょう、ととりあえず、言っときます。小栗。
 蜷川幸雄でした」
  (2009年 土曜スタジオパークより)


いつも蜷川さんの言葉は読んでいくと胸がいっぱいになってしまいます。
一見口が悪そうに見えて(笑)、演劇に対しては、知的で詩的で美しい言葉が並び、
とても好きです。なにより小栗くんの魅力のとらえ方がとても的確で、
かつ才能を凄く認めてくださって、大切に思ってくださって、
その愛情がひしひしと伝わってきて、本当に嬉しいです。
昨日、来年の蜷川さん演出のシェイクスピア作品の出演者が発表になりましたが、
阿部寛さん、大竹しのぶさん等が出演されるそうで、
これでもう「海辺のカフカ」しか望みがなくなったでしょうか(笑)。
もし「海辺のカフカ」の出演が決まったら、泣きます(笑)。
でも蜷川さんとのお仕事は、もっと先かもしれませんね。
今はいろんな演出家さんとお仕事をして、多角的に自分の魅力を分析して、
そしてより魅力的に成長してほしいと思います。