風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

23歳のアンティフォラスとエアロン

明け方、雷が鳴っていましたが雨は降りませんでした。
「タイタス・アンドロニカス」「間違いの喜劇」DVD化、嬉しいですよね。
シェイクスピアソネットで、シェイクスピアは、その青年の美しさを、
自分の詩の中で、永遠に閉じ込めようとしていましたが、
今はDVDというものがあります(笑)。
やっぱりあの23歳のアンティフォラス、エアロンは一度きりだし、
特にエアロンは、再演の中へ飛び込んで、
しかも自分が望んだ役で、いわば勝負をかけた役でした。
その必死さが、あのエアロンの、悪を行なうことのみが、
自分の生きる証であったような必死さに結びついた気もしますよね。
もし、またエアロンを演じることになっても、
今回の23歳のエアロンとはまた違うものになっていると思います。
あのエアロンの軽やかさ、しなやかさ、美しさは、23歳でのものだと思います。
上手、下手というのも、いろいろなくくりがありますが、
いくら技術的に上手くなっても、心に響かなくては意味がありません。
最初から、心へ届く演技が出来る人だと思うので、
きっとまたもっと上手くなっても、その部分は失わないと思っています。
DVDは、それは生の舞台には及びませんが、
細やかな表情も見ることが出来るし、何度も繰り返して見られるし、
DVDならではの楽しみもありますね。
なにより、白王子、黒王子、ともに、手元にくるのは嬉しいですよね。
「タイタス」はイギリス公演だといいなあとか、
メイキングが楽しみだなあとか、いろいろ思いは巡りますね。