風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

みどりの空に鳴き騒ぐツバメたち

晴れの日が続きます。
9月になったのにこの暑さ、今年の夏は凄いですね。
さて昨日、私は先に原作を読まない派と書きました。
ときどきこの話題で書いていますが、
今まで、いろいろな方のブログ、コメントを読ませていただいて、
やはり先に読まれる方が多いような気がします。私は少数派ですね(笑)。
私はどうして読まない派なのだろうと考えた場合、
やはり詩を読むときのスタンスの影響があるからかなと思いました。
つまり、いいなあって思えばそれで充分というか、
自分がどう感じるか、そこが重要で、あまり追及しないというか、
まあ、いい加減ということかもしれません(笑)。
先に読まない派を決定的にしたのは、「博士の愛した数式」です。
家族全員で本を読んで、とても感動して、その数日後に、
家族全員で映画を見て、家族全員で悶々として帰ってきました(笑)。
決して映画がよくなかったわけではないのですが、
数日しか期間が空いてなかったのもいけなかったのですが、
やはり私としては、小説の文字の行間から感じたことが、
とても大切で、特に繊細な大事にしたいことだったので、
それが映画では、こうです、と描かれていて、
そこが受け入れられず、小説→映画というのは難しいですね。
それからは小説を先に読まないようになりました。
特に小説は小説で確立しているので、映画とは別物と考えた方が、
いいのかなと思います。
戯曲とか、漫画になるとまた違うかもしれません。
それから小栗くんが出演する場合、私は趣味嗜好が偏っているので(笑)、
自分が好きであろうシーンを読んでしまうと、
それをものすごくものすごく過大な想像をしてしまって(笑)、
きっとそれを上回ることは出来ないと思うので、それが読まない理由でもあります。
だから「カリギュラ」のカリギュラとシピオンが、
抱き合いながら、美しい詩を語り合うシーンなんて、
本当にどうやって涙を止めようと思ったくらい感動して、
先に読んでおかなくて、よかった〜って思いました(笑)。
もうひとつ、美しい台詞、印象的な台詞を、まず一番に、
小栗くんの口から聞きたいということもあり、
それらの理由があって、先に読みません。
でも終ったら、舞台の場合、戯曲は読むので、すると面白いように、
頭にすーっと入っていき、これも楽しみにしています。
人それぞれ楽しみ方がありますよね。
でもこの頃は読んでしまっても、舞台を観る頃には、
忘れてしまいそうなので(年齢のせいで・笑)、
読んでもいいかなあと思うのですが、やっぱりやめときます(笑)。
できたら映画も予告編のみの予備知識で見たいです。
しかし「のだめカンンタビーレ」は先に漫画を読んでいました。
でも映画を観る頃には細かい部分は忘れていて、
新鮮な気持ちで、映画を観ることができました(笑)。
では最後に、カリギュラとシピオンが交互に語り合った詩を書きたいと思います。


ローマの丘の稜線、そこに夕暮れが連れてくる、
束の間の、呆然とするような鎮もり・・・
みどりの空に鳴き騒ぐツバメたち。
なおも金色にみちた空が、にわかによろめくと、一瞬のうちに面差しを変え、
輝く星でいっぱいの顔をぼくらに見せる、あの微妙なひととき。
大地から夜へとのぼっていく、煙と木々と水の匂い。
かまびすしい蝉の声、暑さはおさまってゆき、犬、
最後の荷車のがらがらところがる音、農夫たちの声・・・
そして影にひたされゆく道は乳香とオリーブの木々をぬい・・・