よく晴れた一日でした。
まず最初に、これから書くことは私の記憶頼りなので、
もう寄る年波には勝てず(笑)、結構あやふやで、
記憶違いもあるかもしれないので、
おおらかな気持ちで、こんな感じだろうなあと思って、
読んでみてくださいね。
今日、観に行ってきました!
静岡芸術劇場での舞台「高き彼物」とアフタートーク。
アフタートークのゲストは小栗くんです。
そしてまさかの人生初の最前列でした!(笑)
舞台「高き彼物」、とても良かったです。
シンプルなセット、舞台転換があるわけでもなく、
煽るような音楽も一切なく、演じる役者さんも7人だけで、
でもなんだかしみじみと涙がじんわり滲むような、
傷の痛みを皆でわけあう心地よさのような、
一種、真摯な清々しささえ感じるお芝居でした。
「屑たばこ集め喫へれど志す高き彼物忘らふべしや」
私は高き彼物は、赦しであると思いました。
それは心をさざ波のように揺らし続けて、
カーテンコールの拍手へと繋がりました。
そんな余韻の中、アフタートーク開始。小栗くん、登場。
舞台で使用されたちゃぶ台を囲んで、司会の方、
演出の古舘寛治さん、小栗くんでトークをするのですが。
小栗くんはあのう、一回、舞台を隅から隅まで、
歩いてから、席に着いた方がいいと思います(笑)。
今回、出てきたと思ったら、すぐちゃぶ台に座ってしまって、
せっかくスラッとしてスタイル良くて格好いいのに、
あっという間に座ってしまい残念でした(笑)。
「東京国際映画祭」のときと同じつばの広い帽子を被り、
黒っぽいふわっとした裾の長いコート、
背中にうっすらとロックスターのようなイラスト入り?
服はゆるふわというか、すごく楽そうな、
一見、パジャマのような(すみません)、細かい模様が施された黒の上下のもので、
ズボンが短めなので、細い足首と黒い靴下が素敵でした(笑)。
わりと大きめの眼鏡をかけていて、おひげあり。
でもやっぱり小顔で、顎がシャープで、通った鼻筋、
形良い唇と、相変わらず綺麗だなあと思って見てました。
薬指に指輪をしていて(この頃、よくしていますよね)、
それが指の付け根と第二関節のちょうど真ん中あたりに、
その指輪が留まっていて、個人的にその位置が好きなんです(笑)。
指が長い人じゃないと、この位置はキープできないので、
その長い指の、その指輪がよく光っていました。
最初、あぐらをかいて、皆で話していたのですが、
古舘さんが、正座で話し始めると、とたんに正座して聞いているところが、
可愛かったです。
司会の方が、もうひとつ要領を得ず、
いつのまにか、小栗くんが司会のようになっていて、
古舘さんもわかりやすい質問だと言いながら、快く答えていました。
小栗くんはこの舞台の感想を聞かれて、
「人間って生きにくいんだなあと思った」と言っていました。
そして「古舘さんがやりたかった演劇だったと思う」と言っていて、
感動した古舘さんが、「これ終わったら、ハグしていい?」と言っていました(笑)。
「キャラクターそれぞれにも古舘さんが少しずつ投影されている」と、
「不器用な古舘さん」とも言っていました。
この「高き彼物」の役の中で、小栗くんが演じるなら?という問いには、
「婚約者役かなあ」と言っていました。
婚約者役は、格好いい人前提で、最後に美味しいとこ、持っていく役です(笑)。
他には、この戯曲を選んだ理由、
セットについて、稽古について等の話が出ました。
「演劇っていいですね」という言葉も出て、
演劇好きな小栗くんもさらに伝わってきました。
本当に、良いお芝居だったので、私も帰りに、
パンフレットを買って(なんと200円)、帰りました。
二人はこの頃、なかなか会えなくて、
「僕の映画を古舘さんは観てくれないんですよ〜」と、
「僕は“淵に立つ”観ましたよ」とも言っていました。
“淵に立つ”は、古舘さんが出演していて、
カンヌ映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞作品ですね。
古舘さんは、今度「ミュージアム」は観るよと言っていました。
他に、小栗くん、言うことないの?と言われて、
「いいですよ・・」と恥ずかしそうにしていました。
ときどき小栗くんの軽妙な答えに拍手が沸いたり、
たくさん笑いがおこって、温かくなごやかな、
とても良い雰囲気のトークショーでした。
そうそう、ちゃぶ台でお茶を飲む可愛い小栗くんも見ることができましたよ。
最後は、小栗くん、去り際に帽子をとって、
ぺこんとお辞儀をして、袖に消えていきました。
小栗くんは、この頃、凄いオーラで、
誰もが知っている俳優さんになったけれど、
昔、私が見た、素の小栗くんが見え隠れするような、
シャイな小栗くんが今日は観ることができて、
なんだか嬉しかったです。
ごそごそゆらゆらしていて、客席に目を合わせることもなく、
でもしっかり自分の意見は言っていて、
司会さながら、トークショーを回していたので、
そこはさすがでした(笑)。
でも組んだ足の間に、長い指を挟んでみたり、
屈託のない笑顔を見ると、うんうん、なんかよかったなあって思いました。
何がよかったかというと、
そもそも、静岡芸術劇場の「高き彼物」というお芝居の、
アフタートークに小栗くんが来るという情報を得て、
あ、静岡なら近いしと、なんだかサクサク、チケットを取ってしまい、
どうしてこんなに迷わず取ってしまったのか。
それは今、本当だったら、「ハムレット」を演じていたはずの、
小栗くんだからなんですよね。
「ハムレット」を演じたであろう、今の小栗くんを、
この目に留めておきたいと、そういう思いが働いたんだと、
今、目の前の細身で美しい小栗くんを見ながら、かみしめていました。
今のこの小栗くんで、「ハムレット」観たかったなあ・・・。
私の小栗ファンとしてのゴールだったので、
それは幻のゴールになってしまいました。仕方ないことです。
でもでも、やっぱり今の小栗くんで「ハムレット」が観たかった。
しかし、逆に今日の小栗くんを見て、
自分で、この感情の落としどころを得たというか、
また小栗くんを応援していこうと思えました。
なんだろう、ぐんぐんスターになってしまった小栗くんの中に、
やっぱり昔の小栗くんという部分も見えたからかな。
どんどん変わっていって、成長していって、
でも全然変わっていない、そんな小栗くんを感じたからかな。
帰りにお赤飯のおにぎりを買って帰りました(笑)。
新たに、やっぱり小栗くんを応援するんだと、
決意したお祝いの日ということで、
そんなアフタートークでした。