曇り空の一日でした。寒い日が続きます。
「鎌倉殿の13人」の最終回の余韻が全然消えないのですが(笑)。
こんなに引っ張られると思いませんでした。本当に素晴らしい最終回でしたよね。
そして1年間見続けていたからこそのカタルシスというか、
だって私たちはずっと小四郎を見つめて、見守ってきたから。
主人公北条義時としてはこれ以上ないラストシーンだったと思いました。
鎌倉殿の13人HPに、
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/
クランクアップ動画がUPされていますが、とても良いチームだったことが、
伝わってきます。みんなでハートを作って可愛い(笑)。
そしてHPには小栗くんのインタビューも載っていますが、
そのインタビューの中で、「もし頼朝様に会えたら」と問われ、
「よくやった、小四郎」と。そう言われたら彼の魂は、
報われるんじゃないかなと書かれていて、胸がいっぱいになりました。
そして最近買った「メモリアルブック」の小栗くんと小池さんの対談も、
読んだのですが(写真がとても素敵!本当の姉と弟のようです)、
小池さんが「都合のいい時に弟を頼って、尻拭いは全部させている」と仰っていて、
本当に私もそう思っていたので、政子はずっと清廉潔白のままでいるのかなと思ったら、
最後の最後で弟を手にかけるという罪を犯したので、
そこで悲しく怖いシーンなのに、姉と弟は一対になったような気がしました。
でも本当に壮絶で残酷で、ただただ静かで美しく悲しく、
断罪のようでありながら救済のようで、
まるでシェイクスピア悲劇のラストシーンのようにドラマチックでしたよね。
愛する八重や太郎のことを思い、最後に姉上のことを思い、
その「姉上」という声が優しくて、小四郎そのもので、ずっと耳に残っています。
最後の最後、姉上のすすり泣きとチェロの音色で終わったことも美しかった。
本当に「鎌倉殿の13人」は名作だったと思います。
小栗くんは「メモリアルブック」の中で、環境やもろもろ恵まれていて、
「当たりくじを引いているような気持ち」と表現していましたが、
三谷さんのさすがの脚本はもとより、
演出の吉田さんやスタッフの皆さん、そしてキャストのみなさんが役にぴったりで、
しかも全員人間らしく魅力的で、それを皆さん、演技力を出し切って演じていて、
もう演技ってこれほど、心を震わせたり心を抉ったり心を満たしたり、
こんなにもパワーがあるんだと思いました。ベテラン勢から若手まで、
演技合戦も素晴らしかったですよね。皆さんのびのびと力が出せたのは、
皆さんが口を揃えて言っていた座長小栗くんの力もとても大きいと思います。
細やかで包容力のある立派な座長でしたね。
ということで、ここは「風色の椅子」ですから(笑)、
小栗くん演じる小四郎義時について、少しまとめていきたいと思います。
《演技力》
小四郎義時の役は、何も知らない頼られたら断れないような気弱な純粋な少年から、
あらゆる人の思いを血を背負い続けダークな執権になるという、
凄い変貌を遂げる役だったので、まさに力を発揮できる最高の役だったと思います。
それを見事に演じて見せて、特に後半の年を重ねていく義時が、
重厚感と底なしのような深さがあって、それは恐ろしくて、この深さが、
何も言わずとも背中で語るではないですが、体全体から滲み出ているようで、
圧倒されました。
しかもそこに見え隠れするガラスにような純粋さ、その光にも心掴まれました。
小栗くん自身が40歳になる年ということも関係しているのか、
突然ではなくちゃんとちゃんと重ねてここに来たんだなあという、
本当に魅力的で目の離せない小四郎義時でした。
《若草色から漆黒へ》
これも変貌することに関係しますが、衣装も小四郎の成長と心の有り様に合わせて、
若草色から漆黒へ変わっていきました。
着物の色、模様が映えて、この時代の直垂、好きでした。
私としては、漆黒の前の深緑の頃の衣装が一番好きかな。凛として美しかった。
そして照明というかこのドラマは光の加減が凄く素敵で、
暗い部屋から臨む眩い陽の光とか、廊下を歩くときの奥からの絵とか、
光と影のコントラストが美しく、絵画のようなときもありましたよね。
小栗くんは背が高いのですが、直垂だと腰高のままで着付けされていて、
シルエットがスラリとして、とても綺麗で、
若い頃は緩く着ていたのですが、晩年は黒い着物ということもあり、
キリッと着ていて、かえって色っぽかったです(笑)。
床を歩く素足の感じもなんだかリアルでよかったです(笑)。
あ、若い頃のおくれ毛も可愛かった。
《瞳 声 音楽》
小栗くん、やっぱり目の演技が素晴らしいんですよね。
若い頃はなんでも受け入れてくれる本当に優しい目をしていて、
だんだんと自分の気持ちとは裏腹なことに手を染めなくてはいけなくなると、
どこか悲しみをたたえた目、
そして最後の方はもう誰も見ていない何かに取り憑かれたような瞳。
でもふとあの頃の小四郎に戻ったような目にもなったり、
彼の目に何度も心を持っていかれました。
それから声。意識していたかはわかりませんが、若い頃は少し高めで、
だんだんとどんどん低音になっていきました。
声自体がいい声なので、すぐ聞き取れるというか、甘い声も、
張り上げる声もドキドキしたり、ドキッとしたりしました。
ドラマに寄り添うような音楽もとても素敵でした。
特に最初にドヴォルザーク「新世界」が来て、わーってなりました。
あの馬のシーン、素敵でしたよね。
オープニングは勇ましく壮大で、繊細なピアノのメロディも、
チェロの優しい悲しいメロディも、凄くよかったです。
チェロの音色を聞くと、きっとこれからは小四郎を思い出すと思います。
こんな感じで本当に素晴らしい小四郎義時でした!
舞台ならスタンディングオベーションをしたいくらいです。
小四郎義時をこんなにも素晴らしく演じてくれて、
小栗くん、本当にありがとうございました。
愛しい愛しい小四郎義時でした。
「鎌倉殿の13人」ずっとずっと愛していきたいドラマになりました。
そうそう最終回の日、ちゃんと配信は見ることが出来ましたよ。
小栗くんは大正ロマン溢れる大胆な着物姿で凄く素敵でしたね。
記事になっています。
鎌倉殿の13人 出演者のトークショーなど催し(動画あり)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/20221218/1050018310.html
鎌倉殿の13人 最終回を小栗旬さんら出演者が振り返る
https://www.nhk.or.jp/shutoken/yokohama/article/007/94/
ーー「クランクインした日の自分にいま伝えたいこと」
北条義時役・小栗旬さん
「その日の自分にねぎらいのことばをかけていると、楽をしてしまうと思うので、『今回の役は結構やばいから、頑張った方がいいよ』と伝えると思います。そうすると今回のように同じことが繰り返せるのかな」
ーーパブリックビューイングのあと、会場は少しの静寂を置いて拍手が湧きました。
そして、出演者が再び登壇し、ラストシーンを振り返りました。
北条義時役・小栗旬さん
「台本をもらって、こういう終わりなのか、本当にこれしかなかったのかな、ということはいろんなところで言ってきたんですけど、やっぱり僕たちの作った『鎌倉殿の13人』という作品においては、自分の人生の終わりを告げるのはやっぱりお姉ちゃん(北条政子)じゃないといかないだろうと思いますね」
のえ役・菊地凛子さん
「小栗さんとの最後のシーンは、どうやったらいいのかなとすごく迷いました。小栗さんの背中がいろんなものを含んでいて、それだけで義時のすべてを物語っている感じで、その現場で起きた、生身でやったという感じがしたのが、すごく印象に残っています。小栗さんは、何日か召し上がっていないような状況だったのですが、私がおいしそうなパンを持って行っちゃったんです」
北条義時役・小栗旬さん
「おいしいパンを持って帰りました。最後の撮影の週は3日間だったのですが、その前の週までは元気なシーンを撮っていたので、付け焼き刃ですが、最後の方は食事を抜いて、ごはんを食べなければなんとかなるだろうと過ごしていました。3日間で一気に、VSのえさん、VS三浦義村、VS北条政子のシーンを連続で撮って最後を迎えました。最終回の撮影の前日にはそわそわしてしまったので、栄子ちゃんに『寝れてますか』ってメールしたら、『寝られないね』っていう話をしていました」
「オンエアが始まってこの作品を愛してくれている皆さんがいたおかげで、僕たちも最後まで走りきることができました。『鎌倉殿の13人』はとうとう終わりを迎えましたが、この作品が、この先も皆さんに愛してもらえたらうれしいなと思います。自分もきょう、最後まで見たら、改めて第一話から見直したらずいぶん違う感じなんだろうなというのを感じたので、ぜひみなさんにも、また何度も何度もこの作品を繰り返し、愛してもらえたらうれしいです。皆さんとラストを迎えることができたことが僕たちにとって最高の幸せだったなと思っています。この1年間本当にありがとうございました」
ドラマで最終回をこういう形で見られること、素晴らしいですよね。
お客様もキャストの皆さんも凄く貴重な体験だったと思います。
「クランクインした日の自分に今伝えたいことは」〜小栗くんの答えに、
小池さん、エマさんが「格好いい」って言ってましたね(笑)。
「やっぱりお姉ちゃん(北条政子)じゃないと」というのは、
改めてそうだなあと思いました。
やつれて見えたのはそういうことをしていたのですね。
本当に本当に凄いドラマでした。最高のドラマでした。
見ることができて幸せでした。
小栗くん、ドラマに携わった皆さん、本当にありがとうございました!