風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

NINAGAWA×SHAKESPEAREⅢ 感想 第三弾

雨の朝です。
どうぶつの森」のHPに「初日舞台挨拶決定!」とUPされました。
小栗くんの名前もありますよ。詳しくはHPを見てくださいね。
とたけけくん、重要な役なのかな。これはTVで見られそうですよね。
小栗くんの公式HPのNEWSも更新されていました。
ケイタイメッセージって何でしょう(笑)。雑誌は若い子向けが多いですね。
さて昨日のコメント欄でマリさんが、「タイタス・アンドロニカス」の収録日が、
4月26日ということを教えてくださいました。ありがとうございます。
ではあの後、シェイクスピア・バースデーイベントということで、
シェイクスピアソネットの朗読会があったんですよね。
どうせなら、それも入れてほしかったですね(笑)。
「タイタス〜」は特にどんどん進化していったお芝居だったので、
一番はイギリス公演が観たかったんですが、
日本公演でも最後の方がよかったですよね。
でもいろいろ贅沢を言ってはいけません。あのエアロンが映像に残っただけでもね。
では「NINAGAWA×SHAKESPEAREⅢ」感想第三弾ということで、
「タイタス・アンドロニカス」私の好きなシーンを書きたいと思います。
エアロン中心で、ものすごく偏っています(笑)。
内容に触れますので、読みたい方だけお願いします。















NINAGAWA×SHAKESPEAREⅢ  「タイタス・アンドロニカス」


まず最初の乱れた髪、首輪、手かせ、鎖で連れてこられるシーンが、
あまり映ってなかったんですよね。ちょっと残念でした。
そして白い狼を背にエアロンの長台詞。美しい台詞です。
この白と赤のバランスがとてもよく、
エアロンの上着の長い裾の広がり方が綺麗で、
白い無機質な狼と、赤を纏った長い手足の美しいエアロンが、一枚の絵のようでした。
それと指が長いので1本1本よく分かって、白い狼に触れる感じが色っぽいです。
カイロン、ディミートリアスが来たときに、すばやく身を隠すシーン。
人間というより、生き物のようで、そのあと覗きみる目と、狡猾な感じがしました。
そして悪巧みを提案し、喜んだカイロンに思わず、
顔を両手で挟まれ、キスされるシーン。
初めて観たときは、ちょっと驚きました。
ここでひとつの法則を発見(笑)。
小栗くんは出演したシェイクスピア作品、すべてに、
男性とのキスシーンが入っています。役柄が女性の場合もありますが。
ハムレット」のときは藤原くんと、
「お気に召すまま」のときは成宮くんと、
「間違いの喜劇」のときは内田さんと、
「タイタス・アンドロニカス」のときはカイロン役、鈴木豊さんと。
小栗くんは舞台のときの方がキスシーン、多いですよね。
あ、どうでもいい話でしたね(笑)。
話を戻して、映像でもとても綺麗だったのが、あの森のシーン。
妖しい木漏れ日が揺れて、幻想的でとても美しい。
タモーラのあの魅惑的な声で、
「私のかわいいエアロン、どうしてお前だけは暗い顔をしているの〜」
その話を聞いているときの、膝を立てて座り、手を額にあてて、
その横顔も美しいです。
仰向けになりながら、その長い指で顔を覆い隠すように、
「いいや、お妃様、色恋のしるしなんかじゃない〜」というエアロン。
そこへ愛しく這うように、エアロンの髪へ、頬へ、タモーラの指先が動きまわります。
エアロンの仰向けになった顎の線、ふと見せるタモーラへの眼差し、閉じた瞳。
年下の情夫の雰囲気が出ていて、色っぽかったです。
「パシエイナスの血で手を洗うんだ」ここで喜んだタモーラが、
エアロンの頬を両手で挟み、キス。
人の気配を感じて、今度はエアロンからタモーラへ、早急なでも深いキス。
二人で残酷な悪巧みを話し、そこへ甘いキスが入る関係が、
二人の危うさを象徴しているようで、心惹かれました。
悲しみに打ちひしがれたタイタスに、片手を献上したら恩赦を、と伝えにきて、
藁をも掴む感じのタイタスに抱きつかれ、鬱陶しい表情のエアロン。
その切り落とされた血の滴る手首に、嘲笑うかのようにキスするシーン。
「祈るなら悪魔になさい、神々はわれらのことなどとうの昔にお見限りだ」の台詞。
乳母との子供に対してのやりとり。「黒はそんなに下賤な色か?」
乳母を殺したあと、「いやだな。これが権謀術数ってやつですよ」の台詞の言い方。
最後の最後で連れて行かれるところで、
エアロンの子供を見る目が映っていなかったのは心残りでしたが、
「First Stage」にこう書いてありました。
“子供への視線で、何かの救いを求める観客がいるのも感じていた。
が、蜷川は小栗に言った。「悪に徹しろ」と。”
だからそれはそれでよかったかなって思います。
残酷で狡猾で非情で、でも危うく美しく哀しいエアロンでした。