風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

僕のこころの騎士たちは 無限の方向を指している

寒さは続いていて、曇り空です。
さてさて、このブログを始めてから、新年明けて、
まだ次の仕事の発表がないのは、初めて?でしょうか。
2006年1月は、舞台「間違いの喜劇」の稽古が始まったところで、
その年は、「タイタス・アンドロニカス」再演、海外公演も控えていました。
蜷川さんとほぼ半年近く活動を共にするということで、
“小栗くんの俳優人生にとっても貴重な半年間になりそうですよね”と、
私は書きました。そのとおりの大きな経験を積んだ年だったと思います。
2007年1年は、早々と「花より男子リターンズ」が始まり、
1月9日には、「成人の日コンサート」がありました。
2008年1月は、wowowで「カリギュラ」の放送、「ボンビーメン」も始まりました。
2009年1月は、「ムサシ」チケット争奪戦に戦々恐々とし(笑)、
袴姿で「クローズZERO 2 」ヒット祈願、「ムサシ」制作発表と続いていきました。
今年は、まだ「シュアリー・サムデイ」公開しか決まっていませんよね。
待ち遠しいです。
そういえば、今年は監督という夢が叶って、舞台も映画もドラマも、
いろいろやって、後は、私は朗読CD だと思うのです(笑)。
こういう淋しいとき(笑)に、今までのDVD を観るのもいいのですが、
バックに優しいピアノの旋律が流れ、そこに小栗くんの声で、
優しい詩が語られる。




わすれなぐさ        W・アレント


ながれのきしのひともとは、
みそらのいろのみづあさぎ、
なみ、ことごとく、くちづけし
はた、ことごとく わすれゆく。


そして今度はヴァイオリンの少し硬質な音に乗せて。
詩ではないのですが。




花ざかりの森より      三島由紀夫


わたしはわたしの憧れの在処を知っている。
憧れはちょうど川のようなものだ。
川のどの部分が川なのではない。なぜなら川はながれるから。
きのう川であったものはきょう川ではない、だが川は永遠に在る。


最後はいつものお薦め(笑)、谷川俊太郎さんの詩を。
そうですね。柔らかいチェロの音をバックに。
小栗くんの声に、谷川さんの詩は合うように思うのです。




天使は            谷川俊太郎


宇宙は楕円で有限だと
科学者が云ったので
ひとりの天使が堕ちてしまった


(僕は詩人を廃業すべきか)


宇宙は楕円で有限ならば
その宇宙の外側はどうなのか
そこで又ひとりの天使が堕ちてしまった


(僕は物理の本を読むべきか)


僕のこころの騎士たちは
今一斉に槍を挙げ
無限の方向を指している


そのかなたに何があるだろう
そしてそれへの努力
そしてそれへの愛
もう天使は堕ちぬだろうか




谷川さんは自分の詩作について、言っているのでしょうか。
この詩について、いろいろと解釈、それぞれ感じるところがあると思いますが、
たとえば、小栗くんに置き換えたとして、
きっと小栗くんのこころの騎士たちも、
今、無限の方向を指しているように思えます。
それへの努力、それへの愛を持って、
もう天使が堕ちないように(やはり堕ちてきてしまうかもしれませんが)、
そのかなたに何があるのか、
私も楽しみにしたいと思います。