風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

風立ちぬ 感想

雨が降っています。
ゆまさんから教えていただきました(ありがとうございます)。
フジテレビTWO にて、
「夏休み特別ラインナップ 名作ドラマ・アニメ一挙大感謝祭」で、
「リチプア」全11話とSPが一挙放送されます。
【 フジテレビTWO 名作ドラマ・アニメ一挙大感謝祭 】
これは有料チャンネルですよね。見られる環境の方、観てみてくださいね。
名作の中に入ることができて嬉しいですね。


今朝「PON」で「キャプテンハーロック」の話題を放送していて、
映画の一部と小栗くん、春馬くんのインタビューが流れました。
二人とも椅子に座って話していて、
小栗くんは最近雑誌でよく見るチェックの上着に白いインナーの服装です。
上着の裾が長くて、やはり写真で見るより、
動いているとより格好いいなあと思いました(笑)。
あっと思ったら出ていたので、内容をよく覚えていないのですが、
ハーロックは何かとマントをバサーッと翻していて(笑)、
そこがヒーローだよねと話していました。
そしてそこでも取り上げていましたが、「キャプテンハーロック」が、
ベネチア映画祭で上映されるということで、その記事です。


【 宮崎駿監督の「風立ちぬ」、ベネチア映画祭コンペ参加 】
8月28日にイタリアで開幕する第70回ベネチア国際映画祭で、金獅子賞を競う長編コンペティション部門に、宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」が選ばれた。2005年に同映画祭の栄誉金獅子賞を受けた宮崎監督は、「ハウルの動く城」と「崖の上のポニョ」に続き、3作連続のコンペ参加となった。
ほかに、斬新な作品を集めたオリゾンティ部門に園子温監督の「地獄でなぜ悪い」が、コンペ外の特別招待作に李相日監督の「許されざる者」と荒牧伸志監督のアニメ「キャプテンハーロック」が、それぞれ参加する。


「キャプテンハーロック」はコンペ外ですけど、でもこういう世界的な映画祭で、
上映されることはとても嬉しいことですね。
そして長編コンペティション部門参加の「風立ちぬ」、27日に観てきました。
そこで「少年H」の予告も観ることができて嬉しかったです。
「キャプテンハーロック」のチラシもいただいてきました。
風立ちぬ」はラストあたりからずっと涙が止まらず、
目を真っ赤にして映画館を後にしました(笑)。
それでは感想を書きたいと思いますので、読みたい方だけお願いします。








風立ちぬ


淡々とした抒情的な純文学のような美しい作品でした。
説明的であったり余計なことは一切排除して、
その潔さは余韻に深みを与えていたように思いました。
才能があり夢を追いかけ、それはでも戦争の道具に使われて、
その矛盾。虚しさ。
あまりにも綺麗な空と駆け抜けるような風の描写がより哀しくて、
精一杯美しく生きた菜穂子、二郎との恋も、とても心に響きました。
古い日本家屋、板の間の質感、瓦屋根、
瀟洒な洋館、パラソル、煙草、ワイン、
美しい日本語と品の良さ、奥ゆかしさの中の強さ、気高さ。
そしてどこまでも飛行機、どこまでも空、どこまでも風・・・。
風立ちぬ」の世界にしっかり連れて行ってもらいました。
イタリアのカプロ―ニとのシーンはファンタジーでありながら、
彼の言葉は夢を導く言葉であったり、悪魔の囁きだったり、
折り合いをつけるための助言であったりしたのかなあと、
そこがまた切なかったです。
戦争へと向かう大きなうねりの中で、一市民としてはこうやって生きるしかなかった、
でも精一杯力をつくして生きた、そしてこれからも「生きねば。」
たくさんの思いを愛を哀しみを飲み込んで、しかしまた風とともに、
前を向いていこうとしている、その姿が思いのほか軽やかで、
そこでまた涙が出ました。
あんなに涙が出たのは、二郎さん、菜穂子さん他、それぞれが、
その時代に精一杯、潔く生きたその姿に感動したことと、
それがどこか郷愁を思わせて、余計に心に沁みたせいだと思います。
詩人ポール・ヴァレリーの「風立ちぬ いざ生きめやも」の一節から始まり、
トーマス・マンの「魔の山」が出てきたり、好みのタイプの映画でした(笑)。
実写で小栗くんをこの主人公で観てみたいなあと、
ちょっと思ったことは内緒です(笑)。
でも小栗くんが演じたら、もっと葛藤が入っちゃうかな。
こういう時代のものにも出てほしいですよね。
パンフレットには、「力を尽くして生きろ」という台詞は、
旧約聖書の伝道の書より、
「凡て汝の手に堪ることは力をつくしてこれを為せ」という言葉から、
引用したものとあり、なるほどなあと思いました。
最後にこれもパンフレットにあった西条八十訳詩の「風」という詩を、
書きたいと思います。
映画の画面上に風は吹いていましたが、それを見たというより、
本当に風が吹いていることに触れたような、感じたような、
素晴らしく、そして美しい風でした。



誰が風を 見たでしょう
僕もあなたも 見やしない
けれど木の葉を ふるわせて
風は通りぬけてゆく


誰が風を 見たでしょう
あなたも僕も 見やしない
けれど樹立が 頭をさげて
風は通りすぎてゆく