大阪からの帰りの夜空に、月はありませんでした。
きっとカリギュラが手に入れたのだと思います。
「カリギュラ」大阪、大千秋楽、観に行ってきました!
ご好意で誘っていただきました。本当に本当に、ありがとうございました。
行かせてくれた家族にも感謝です。
「カリギュラ」無事、最後までやり遂げましたよ。素晴らしい千秋楽でした。
私はよく覚えていないのですが、カーテンコールは5回?6回?
早いうちから、オールスタンディングで、
拍手、拍手、拍手の中、皆さん、心をこめて、ゆったりとお辞儀をされていました。
勝地くんは、左手で目をぬぐい、子供のように泣いていて、
隣で、小栗くんが優しく頭をぽんぽんってしていました。
今までは、小栗くんがぽんぽんってしてもらう方だったのにね。
横田さんは、大きく両手をあげていました。
蜷川さんは小栗くんが、引っ張って連れてきました。
にこやかな笑顔だったと思います。
小栗くんの肩にねぎらうように手をまわしていました。
そして小栗くんは、深々と深々とお辞儀をしていて、
この劇場に来ている方々はもちろん、今まで「カリギュラ」を観てくれた、
すべての人たちへ、感謝の気持ちを伝えているようでした。
そしてその笑顔が、あまりにも綺麗で、思わず、涙がこぼれました。
やり遂げた充実感と、優しく穏やかな心の波の音が聞こえてくるような、
清々しい美しい笑顔でした。
本当に本当に、よかったなあって、この1年が、あの夏が、いいえ24年間の、
すべてをかけた「カリギュラ」が、あんなに綺麗な笑顔で終われたなんて、
これがやり遂げられなくては、すべてが無になってしまう、
でもね、とてもとても美しい笑顔で、それは幕を閉じることが出来たのです。
いつものあの袖での、小栗くんは、丁寧なお辞儀があったり、
にこって首をかしげる笑顔があったり、
最後は「ありがとうございました」と言って、その舞台から去っていきました。
あの胸に手をあてたお辞儀、とてもとても好きでしたよ。
これはたとえ小栗くんで、再演があったとしても、
もしかしたら、大御所と言われる人が演じる機会があったとしても、
この24歳の小栗くんが演じた、あの青年のゆらめきとともに演じた、
この「カリギュラ」を私は忘れることはできません。
胸締め付けられるように、苦しく、繊細で、がむしゃらで、脆くて、
そして研ぎ澄まされるように美しかったカリギュラ、愛しいカリギュラを。
「カリギュラ」に関わった皆様へ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
そして小栗くん、本当にありがとう、ありがとう・・・。