風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

大切なのは最初に怖がってしまうこと

近くの公園の桜が随分咲いてきました。
教えていただきました(ありがとうございます)。
小栗くんの公式HPの「Diary」更新してありますよ!
あのう、いつも思うんですけど、間違えたら、もう一枚書こうっていうのは、
ないんですね。でも可愛いゲジゲジくんが見られて嬉しいですが(笑)。
オールナイトニッポン」のHPに、11日ドランクドラゴンがゲストって、
書いてありました。これも楽しみ!「キサラギ」の話、たくさん聞きたいですね。
そして3月30日の小栗くんの「トークショー」の様子、
BBSでとても詳しく報告してくださいました。ありがとうございます!
背、また伸びたんですね〜。私がファンになったときは182cmでした(笑)。
類より2cm伸びてしまいました。20歳すぎて、背が伸びるのは珍しいですよね。
もういいかな、これ以上伸びなくても(笑)。
これは、と思う映画に「ロボコン」を上げてくれたのは嬉しいです。
なにしろ航一くんから、ファンになったので(笑)。映画もよかったですよ。
司会者の方とのやりとりも軽快で、小栗くん、楽しそうですね。
皆さんも楽しめてよかったですね!


さてそんな小栗くんに舞台で会いたいなあって思っている今日この頃、
先日NHK教育で放送された「ひばり」を観ました。ジャンヌ・ダルクに関しては、
リュック・ベッソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の映画で見たことあるんですが、
ジャンヌ・ダルクは、神さまが歴史を変えるために、
この世に送りこんだ人って感じがするんですよね。
そしてこの蜷川さん演出、松たか子さん主演の「ひばり」
ジャンヌ・ダルクの裁判の様子が舞台になっているんですが、
私は何故か「間違いの喜劇」で泣いて、
「タイタス・アンドロニカス」で泣かなかったんですが、
この「ひばり」は途中から、涙が出て、最後は涙が止まりませんでした。
こういう演劇を観るたびに、小栗くんが演劇界に身を置いてくれて、
よかったなあって思います。
「Fiest Stage」の中に、「タイタス・アンドロニカス」イギリス公演初日に、
小栗くんへ、蜷川さんがかけた言葉に、「ひばり」からの一節があります。
「ジャン・アヌイの“ひばり”という戯曲に、
闘いを怖がるフランス国王に、ヒロイン、ジャンヌが、
“じゃあ、一番難しいところは通り越してしまったのよ”
“大切なのは最初に怖がってしまうこと。それも闘いが始まる前に”
というものがあるんだよ」
そう言われて、小栗くんは少しだけ緊張がほぐれるのを感じたと書かれていました。
これもとても印象的な台詞でした。
「ひばり」はなかなか伝わるものが複雑で、
思うように感想を書けないかもしれませんが、頑張って書いてみますね。
内容に触れますので、読みたい方だけお願いします。













「ひばり」   作:ジャン・アヌイ 演出:蜷川幸雄 出演:松たか子 


「小さなひばり。あのふたつの澄んだ目色。小さなひばりの楽しげな他愛もない歌。
狙われているのに、太陽の中に動かずにいるひばり」
ジャンヌは特別な子なんだって思っていたんですが、
特別ではないんだって思えるような、何も、スーパーなことはないんです。
天使のお告げを聞いて、ただのお百姓の娘、自分の名前さえ書けないジャンヌが、
どうやってフランス軍を率いるまでになったのか。
それはマジックでも魔法でもなんでもなくて、
ジャンヌが飾らない真摯な心で説得する、相手に勇気を与える言葉でした。
これがやはり長けている部分といえばいえるんですが、
物凄く純粋に突き刺さるように、心に響いてきます。
怖がっている人に、大切なのは最初に怖がってしまうことと言い、
歯の浮いた説得ではなくて、相手を見据えた説得というか、
こうやって登り詰めていったんだなあって納得するくらいでした。
ジャンヌの純粋さが、圧倒的な純粋さなんです。
そして信じる強さ。それは凄く伝わってきました。
そこに宗教の話が深く入り込んできます。まわりのえらい人たちは、
ジャンヌを利用し終わったら、もう自分の保身に回ってしまったり、
伝わることが複雑で、理解出来ないところもあったんですが、
松さんが素晴らしくて、すごく引き込まれてしまいます。
笑ったり、叫んだり、涙を流したり、情景が浮かぶように。
「神さまが人間をお作りなさったのは、この矛盾のためです!」
少年のようだったり、老成したもののようだったり。
舞台装置もシンプルで、牢屋を表す、下から照らすいくつもの、
ライトは蜷川さんらしく美しかったんですが、
松さんはずっと灰色のジャージ?のような衣装だし、
音楽もほとんど入らなくて、役者さんの力量で持っていく、
お芝居だなあって思いました。
それから台詞が人間の本質をついてくるというか、
何故、涙が出たのでしょう。ジャンヌがあわれで、可哀想でというのもあるんですが、
ひたむきさに打たれた?その純粋さに?
灰色の衣装なのに、キラキラしているジャンヌのせいなのかもしれません。
神さまってなんだろうって思ったりもしました。
最後は、私はジャンヌとして生きなければ、私じゃない!って、
火あぶりの刑へ、自ら向かうんですが、
最後の最後は戴冠式で、穏やかなジャンヌの笑顔で終わるんです。
これはジャンヌへのプレゼントだったんでしょうか。
もう演劇は、いっぱいいっぱいになってしまうんですよね(笑)。
でもその濃密さが、心地良い3時間でした。