風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

シェイクスピアのソネット

よく晴れました。
今は、カミュ作品を公演中ですが、今日はシェイクスピアについて。
コメント欄でお問い合わせのあった「シェイクスピアソネット」ですが、
少し調べたところ、
タイトル「シェイクスピアソネット」 文春文庫
訳 小田島雄志 挿絵 山本容子 定価890円 となっていました。
これは文庫本です。文庫化されたんですね。
私が買ったときは、文庫本になっていなかったので、
もっと高くて(笑)、でもより詩画集の感じで、素敵な本でした。
どうしてこの「シェイクスピアソネット」を知ったかというと、
小栗くんがエアロンを演じた「タイタス・アンドロニカス」の公演中に、
シェイクスピアのお誕生日が重なっていて、
バースディセレモニーが開かれたのですが、
そのときに、小栗くん、鋼太郎さんらが、朗読したのが、
この「シェイクスピアソネット」だったのです。
そのときの様子が「彩の国公式ブログ」こちらで分かります。
http://shakespeare.eplus2.jp/archives/200604-1.html
それぞれペアになって朗読したようで、
小栗くんは真中さんとペアになって、23番、138番を詠んだそうです。
この頃は、「タイタス・アンドロニカス」は、このバースディセレモニーとか、
古見学会とか、アフタートークもありました。
「間違いの喜劇」も稽古見学会がありましたね。
「偶然の音楽」はアフタートークがありました。
私は去年の5月の「タイタス〜」の、訳者の松岡さん、鋼太郎さん、小栗くんの、
アフタートークを観ることが出来ました。
小栗くんはいつものように、ナチュラルで(笑)、
鋼太郎さん、小栗くんはいつものように仲良しで、
松岡さんも「旬くん」と小栗くんのことを呼んでいて、
とても可愛がっている感じがしました。
こんな会話も。
当時23歳で、蜷川さんについてシェイクスピアを演じる機会を与えられて、
素晴らしいのではないかという話になって、
小栗「鋼太郎さんくらいの年になったら、俺、凄い俳優になってるよね」
吉田「・・・・・」
小栗「あれ、いつもここでつっこんでくるのに」
吉田「ちょっとね。実は不安も感じているんだよね。
   まあ、そのころ俺はいないと思うけど」
鋼太郎さんの言葉がね。なんだか嬉しかったんですよ。
才能を認めてもらっているみたいで。
それからカーテンコールの時、タイタスがエアロンの裾を踏んづける理由。
舞台をご覧になった方、DVDで観た方は分かると思うんですけど、
エアロンの上着がマントのようになっていて、それが凄く長くて、
引きずるようになっているんですね。
多分、出演者の中で、一番長い裾じゃないかと思うんですが、
それはそれは長身に映えて格好いいんですが。
その裾を踏まれると、小栗くんが仰け反る感じになります。
吉田「小栗を見に来たお客さんに少しでも長くみせてあげられるようにって・笑」
小栗「うそだ、コケさせようとしてるだけでしょ」
こうやって書き出してみると、やっぱり末っ子の可愛い雰囲気がありますよね。
まだ去年のお話なんですが。
こういう機会がまたあるといいですよね。
今年の舞台はなかったですね。舞台に関するいろいろなお話が聞けて、
楽しいと思います。
それでは、訳者が違いますが、そのシェイクスピアバースディセレモニーで、
小栗くんが朗読した「シェイクスピアソネット」23番を。


未熟な役者が舞台に立つともうそれだけで 
恐怖にふるえて自分の役を忘れてしまうように、
あるいは獰猛な野獣が怒りにのぼせあがると 
力があまってかえって力を発揮できないように、
私も自信のなさからどう受け取られるか恐れ、
愛の正式の告白を結局は言い忘れてしまう、
そして自分の愛の力が重すぎるあまり
かえって自分の愛に押しつぶされるように思う。
とすればわが詩よ、もの言いたい胸のうちを 
巧みに語る声なき代弁者となってほしい、
そのほうがことば数多く正確に伝える舌よりも
強く愛を訴え、その報いを求めるだろう。
 ああ、声なき愛が書いたことばを読みとってほしい 
 目で聞くことこそ愛のすばらしい知恵なのだから。


154篇ある中で、小栗くんに、この23番を選んだのは、
蜷川さんでしょうか。いろいろな解釈が出来ると思います。