風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

シェイクスピアのソネット 18番 19番

今日もいい天気になりました。
昨日の「スマイル」は、すみません、先回でもう気持ちが切れてしまい、
一応見てはいましたが、感想が書けるような状態ではないので、
おわびに、ひさしぶりにシェイクスピアソネットを書きたいと思います(笑)。
シェイクスピアが好きと言っていた小栗くん。
どんなところが好きなのか、原稿用紙2枚程度にまとめていただきたい(笑)。
私は何度も書いていますが、小栗くんに嵌ったきっかけが、
「お気に召すまま」初演なので、小栗くんとシェイクスピアはセットになってます。
そう初シェイクスピアは、小栗くんによってその扉が開かれました。
こんな世界があるんだ〜って、もう感激と感謝で胸がいっぱいでした。
舞台美術、照明、音楽、その世界に生きる人々、心に響く台詞、
瑞々しく美しいオーランドーとロザリンド。
チケット発売後で、追加公演でしか行けなかったので、
次男を道連れに1泊2日で行きました。
ちょうど夏休みだったので、「美術館に行きましょう」という学校の宿題を、
東京のブリヂストン美術館で済ませました(笑)。
そのときお土産で買った、クリムトの「接吻」のハンカチは、
なんだかいまだに使えなくて、ときどき眺めてはため息をつき、
展示してあったエミール・ガレの陶器は、それは優雅で美しく、
でもすべてが「お気に召すまま」への思いとともに、思い出されます(笑)。
では、シェイクスピアソネット、18番、19番を。


シェイクスピアソネット 18番


あなたをなにかにたとえるとしたら夏の一日でしょうか?
だがあなたはもっと美しく、もっとおだやかです。
手荒な風が五月の蕾を揺さぶったりして
夏のいのちはあまりにも短くはかないのです。
ときには太陽の眼差しが熱すぎることもある、
ときにはその黄金の顔に雲がかかることもある、
そして偶然、あるいは自然のなりゆきによって、
美しいものはすべてその美しさを奪われていくのです。
だがあなたの永遠の夏は色あせることもなく、
あなたに宿る美しさは失われることもなく、
死神に「死の影を歩む」と言われることもないでしょう、
あなたが永遠の詩の中で「時」と合体しさえすれば。
 人々が息をするかぎり、その目が見うるかぎり、
 この詩は生きてあなたにいのちを与え続けるでしょう。


シェイクスピアソネット 19番


すべてを貪りつくす「時」よ、獅子の爪を鈍らせ、
大地におのれの生んだいとし子を食らわせるがいい、
獰猛な虎の顎から鋭い牙を抜きとり、
長命の不死鳥を生きながら焼くがいい。
足の早い「時」よ、過ぎ行きながら季節を
楽しくも悲しくもするがいい、広大な世界と
そのうつろいやすい美に存分に手を加えるがいい、
ただ一つ、もっとも忌まわしい罪を犯してはならない、
わが愛する人の美しい額におまえの時間を刻み、
おまえの年古りしペンで線を引いてはならない、
彼だけは、おまえが過ぎ行くときも手をふれず、
のちの世の美の鑑として汚してはならない。
 だが老いた「時」よ、おまえがどんな害を及ぼそうと、
 わが愛する人はわが詩の中で永遠の若さを保つだろう。