風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

笑顔のゆくえ

よく晴れて、暑いです。
さて「スマイル」今夜、最終回ですね。
もうしっかり見ていないので、感想を書ける状態ではないのですが、
私としては、受け入れ難いストーリーでした(すみません)。
でも小栗くんの林誠司が見られたことは、とてもよかったです。
ということで、「スマイル」第3話の感想を書いたときに、
設定はできるだけ変えないで、他のストーリーを考えたのですが、
そちらも今日、最終回にしたいと思います。
お目汚し覚悟で、暇つぶしにでもどうぞ(笑)。


笑顔のゆくえ


ビトは、フィリピンからの留学生で、花は女子大生(喋れます・笑)。
お互いの両親にはまだ打ち明けていないが、結婚を考えている二人。
大学には、気のいい鈴之助くんとか、楽しい仲間もいて、でもそこに、
お金持ちのお坊ちゃん誠司が、横恋慕をしてくる。
彼らの両親に手をまわして、二人を別れさせようとする誠司。
心優しいビトは、やっぱり花を幸せにできるのは僕ではないのではと悩み、
傷心の花には、誠司の魔の手が(笑)。
でも誠司のすべてがわかったとき、お金持ちながら、
誰にも愛してもらえなった誠司に、何故か心が揺れてしまう花。
お互いの両親にも誤解が解けて、ビトの人柄の良さから、
国際結婚にもゴーサインが出て、何も障害がなくなった、ビトと花だが、
花の気持ちの揺れに気付き、ビトは・・・。
ここから、ビトと誠司の対決姿勢にみせながら、実は友情が育まれていく、
ストーリー展開。結局、花と結ばれるのは、ビトなのか、誠司なのか。


ここまでは、その第3話の感想とともに書きました。
この後ですね。結局、花はビトと結ばれます。
最終回、その結婚式の日、花は花嫁衣裳を着て、控え室にいます。


SIDE 誠司


あわただしく人が行き来する廊下。
いろんな人が触ったであろうドアノブは、意外にもひんやりしていて。
誠司「失礼します」
大きな窓、差し込む光、真っ白なドレスに身をつつんだ花は、
穏やかな微笑みとともに、椅子に座っていた。
花 「あ、誠ちゃん」
誠司「おう。ビトは?」
花 「うん。親戚の挨拶まわりで大変。ほら気配りの人だから」
誠司「そうか。ちゃんとおめでとうを伝えたくて。・・・花、綺麗だよ」
花 「ありがとう。なかなかこの髪飾りがうまくいかなくて」
はにかむように俯いた花の頬に少し赤みがさした。
花の美しい黒髪は束ねられていて、小さな花々が散りばめられていた。
若い花嫁さんだなあと、誠司は改めて思った。
誠司「こんな日がくるとは思わなかった」
花 「うん」
誠司「俺がここにいることが信じられないよ」
花 「ふふ。ほんとに」
誠司「すべて許して、受け入れてくれたビトのおかげだよ」
花 「ビトと巡り会えたのは奇跡だと思ってる」
誠司「ごちそうさま」
花 「ううん、そういう意味じゃなくて。ビトによって、誠ちゃんとも巡り会えたんだし」
花は優しく微笑む。花の笑顔は罪だよなあ、なんてぼんやりと考える。
花 「誠ちゃん、聞いてる?私は誠ちゃんのことも・・・」
花の言葉は届かない。僕はもう決めたんだ。
花にもビトにも幸せになってほしいんだ。
僕がこうやって、皆の幸せを願って、ここにいることが凄いことなんだよ。
花 「握手して」
誠司「ん?いいよ」
花の華奢な手が伸びる。思った距離が少したりない。
誠司「幸せに・・・」
花は髪飾りのすずらんの花のように、清らかに笑った。


SIDE 花


ビトは忙しく、部屋を出ていき、花嫁衣裳を着た花はひとり、椅子に座っていた。
誠司「失礼します」
花 「あ、誠ちゃん」
部屋には誠司が入ってきた。髪の色、変えたんだ。
スーツは相変わらずよく似合う。
誠司「おう。ビトは?」
花 「うん。親戚の挨拶まわりで大変。ほら気配りの人だから」
誠司「そうか。ちゃんとおめでとうを伝えたくて。・・・花、綺麗だよ」
花 「ありがとう。なかなかこの髪飾りがうまくいかなくて」
なんだかあらたまると恥ずかしい。
そんなに真っ直ぐに見ないで。
誠司「こんな日がくるとは思わなかった」
花 「うん」
誠司「俺がここにいることが信じられないよ」
花 「ふふ。ほんとに」
誠司「すべて許して、受け入れてくれたビトのおかげだよ」
花 「ビトと巡り会えたのは奇跡だと思ってる」
誠司「ごちそうさま」
花 「ううん、そういう意味じゃなくて。ビトによって、誠ちゃんとも巡り会えたんだし」
なんだか誠司は窓の外を見ている。はっとするほど横顔が綺麗だった。
花 「誠ちゃん、聞いてる?私は誠ちゃんのことも・・・」
この先の言葉はすべて飲み込んだ。
壊したくない、大切にしたいものが、この先の言葉を言うと、
すべて壊れてしまう気がした。
花 「握手して」
誠司「ん?いいよ」
細くて長い指、ずっと好きだったよ。
誠司「幸せに・・・」
誠司は初夏の微かになびく風のように、優しく笑った。


なんだか切ない二人になってしまいました(笑)。
若干、ビトがないがしろかな(笑)。