風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

演劇的冒険の旅

ぽかぽか陽気です。
昨日、横田さんのブログにUPされた写真に触発され(笑)、
「タイタス・アンドロニカス」のパンフレットを見てみました。
あの写真はありませんでしたが、舞台のパンフレット、私は好きです。
「お気に召すまま」初演のときは、久しぶりに舞台を観て、あまりにも感激したので、
会う人、会う人、パンフレットを見せてまわっていたら、傷んでしまい、
ホリプロに電話して、もう1冊、取り寄せました(今は出来ないと思います・笑)。
それからは舞台のたびに、2冊、買うようになりました(笑)。
まず稽古の写真が好きなのと、文章が好きなんですよね。
いろいろな方のインタビューも好きです。
ではここで、今までの舞台のパンフレットの中から、
印象的な言葉を書いていこうと思います。

 
≪お気に召すまま(初演)≫


「ロザリンドの想い人・オーランドー役の小栗旬君。辛い身の上に耐えながらも、
 凛々しく生きる若き騎士を、新緑の幹のようにすくすくと演じている。
 その日は婚礼の正装を上品にかっこよく着こなしていた。
 喜劇を盛り上げるためにこけてみたり、兄オリヴァー役の鈴木豊さんと一緒の、
 シーンでは2人でとぼけたシチュエーションを提示してみたり、いろいろな動きで、
 稽古場を盛り上げてもいる。レスリングシーンでは得意の逆立ちを生かしていた。
 老僕アダムとの感動的なシーンでは実際に目を潤ませるので、
 こちらも涙が溢れるとアダム役の岡田正さんが語った。」・・・稽古場ルポより


≪偶然の音楽≫


「この作品の場合決してわかり易い答えは出していない。
 同じ舞台でも、“愛とは何か、平和のためにどうすべきか”と問うものより、
 “愛と平和は大切です”と言い切るもののほうが、親切で喜ばれる傾向が
 あるでしょう(笑)。でもこの作品の場合はきっと、答えより、
 問い掛け考えることが大切な気がするんです。」・・・仲村トオル


≪間違いの喜劇≫


・・・小栗旬さんにはどのような演劇的冒険を課しているのでしょうか。
「持って生まれた外観や声の良さ、品格などを大いに生かして、
 映像でやっている現代性の表現ではなく、古典のもつ骨格を演技に組み込んで、
 巨大な構造を担える俳優になってほしいと思っています。」・・・蜷川幸雄


≪タイタス・アンドロニカス≫


「エアロンを演じていてすごく楽しいです。
 悪役って、人が日常で抑えている理性をすべて逸脱させてしまった人だから。
 ふだんできないことをやれるおもしろさがあります。
“RSCフェスティバル参加によせて”
 はじめての海外公演ですが、「間違い〜」でも稽古と本番含め2ヶ月間、
 作品と向き合うことで成長できました。今回も英国公演までに何公演も、
 経験できますから、たくさんの発見をして臨める気がしています。」・・・小栗旬


≪お気に召すまま(再演)≫


「喜劇になると俄然ヒロインが活躍するのがシェイクスピア作品です。
 男と女が対等か、ヒロインが男そこのけの大活躍する作品が多いですね。
 でも蜷川さん演出の「お気に召すまま」では、小栗旬君のオーランドーが、
 戯曲で読んだ以上に生き生きと立ち上がってきて、
 この役の大きさと深さ、魅力を実感させてくれました。」・・・翻訳家松岡和子


カリギュラ


「誰も今、彼がこんなに世の中に受け入れられるとは
 予測してなかった。
 ただ、僕や僕の周辺にいる人たちは小栗君の才能を認めていた。
 格好よくてファッショナブルで、楽屋の廊下に彼が立ってるだけで、
 そこだけ違う空気が漂う。態度は生意気だけど根はナイーブで(笑)。
 芝居がうまくて微妙な揺らめきが出せるし、喜劇的なところも出せる。」
 「アイツはね、ほっとけばグチュグチュ言って、外れたところにいるんだよ。
 もったいないから、引きずり出して蹴飛ばすんだ(笑)。
 さあ、テーマを背負って、責任持って中央に立て!と。
 小栗君はそういう才能なんです。」・・・蜷川幸雄


カリギュラというのは、一般的には理解できない破壊的な人物ですよね。
 それを理解するための視点を考えたんです。一つがシピオンが代表する“芸術”。
 ケレアはある意味では文人政治家として反抗するという立場で、“論理”の人です。
 そして女性を代表するセゾニアの“愛”。
 この三つの視点からカリギュラを理解する。」
 「結局、カリギュラを殺す論理の人は生き残り、理解する芸術と愛は、
 死ぬにしても遠くに行くにしても、敗北する。
 しかしその負けることによって、人の心に残っていくんですね。」・・・岩切正一郎


「詩的なせりふを言う時は、頭で考えるより心で感じたいです。
 以前、劇団の先輩で亡くなった北村和夫さんに、
 “心の中に詩をもっていなさい”と言われたことを思い出します。
 蜷川さんにもよくランボーの言葉を引いて、
 “役者は心の中に怪獣を飼っていなさい”とおっしゃいますしね。」・・・横田栄司


≪ムサシ≫


「舞台に立っていると精神的にも肉体的にも間違いなく健やかなんです。
 汗をかいて、みんなでじっくり考えながらつくっていく。自分1人では絶対に、
 飛び越えられないことを稽古場で相談できて、新しい発見もあって。
 自分がカッコいいと思っていたことがそうじゃなかったとか、
 自分の器の小ささも、足りないことも改めて分かる。
 舞台はすごく自分に合っている場所だと思います。」・・・小栗旬


こうやって公演の順に書き出してみると、
まさに小栗くんの演劇的冒険の旅を見ているような気がします。
次はどんな旅に連れて行ってくれるでしょう。
早くその日が来ますように。