風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

世界はもう、マトモではいられない

雲り空です。
昨日は映画館へ行ってきました。
4月に「のだめカンタービレ」を観たときは、鳥飼くん抜きの「踊る大捜査線3」の、
パネルでしたが、昨日はちゃんと鳥飼くんも入った大きなパネルが、
飾ってありました。しっかりじっくり見てきましたよ(笑)。
そして「シュアリー・サムデイ」の新ポスターのちらしもたくさん置いてあったので、
もらってきました。そうこうしているとき、若いお嬢さん二人がすれ違って、
小栗くんの映画について、観に行きたい、小出くんも出るし〜みたいなことを、
言っていて、ふむふむと聞きながら(笑)、なんだか嬉しかったです。
そして観た映画は遅ればせながら「アリス・イン・ワンダーランド」。
初3D、初映画館で観た洋画で吹き替えです。
私は乗り物に弱いので、3D酔いしたらどうしようと思っていましたが大丈夫でした。
吹き替えも、あの画面で文字を読み取るのは大変そうなので、
吹き替えでもよかったかなと思いました。
今回、主人と行ったのですが、主人はちょくちょく映画を観に行くので、
タイトルによっては、一緒について行きます。
観客層は、私たちのように年配のご夫婦も(笑)、結構来られていて、
幅広い年齢層だなあと思いました。同じ3Dの「アバター」は観に行かずに、
何故「アリス・イン・ワンダーランド」を選んだかというと、
まず「不思議の国のアリス」が大好きだからです(笑)。
次にジョニー・デップも好きなので(でもそれほど作品を観ていないのですが・笑)。
そんな感じで「アリス・イン・ワンダーランド」を選びました。
さて初3Dは、最初は「おおっ」って思いました(笑)。
スクリーンが後方へ奥行きが広がって、前方へ飛び出してくる感じです。
奥の方から前方へ物が飛んでくると、思わず体がよけちゃいそうな(笑)、
そういう迫力があります。だからスピード感があるシーンなどは、
巻き込まれるような感じですね。でもこれは何でも3Dにすればいいというわけでは、
ないですね。小栗くんの映画で考えてみると、
キサラギ」は3Dにする必要がないですね(当然です・笑)。
「クローズZERO」は、投げ飛ばされる人がこっちへむかって飛んできたら面白そう。
花より男子ファイナル」だったら、花沢類が向こうの方から、
どんどん歩いて近づいてきたら、ドキドキするかもしれません(笑)。
TAJOMARU」については、桜丸が魔術で竜に変身する設定にしてもらって、
その竜と闘う直光、みたいな、そういうシーンで3Dだったら、迫力があると思います。
前置きが長くなりましたが、「アリス・イン・ワンダーランド」の感想は、
まず映像がとても綺麗でした。まるで絵画の中にいるような感じ。
背景、衣装、照明、メイク、隅々まで行き届いているというか、
センスのかたまりのような映像だなあと思いました。
赤、グレー、白、水色、緑、オレンジ、ピンク・・・。
すべてがそのままの赤、グレー、白、水色ではなくて、
ひとひねりある赤、グレー、白、水色で、また小栗くんの話になってしまいますが、
「間違いの喜劇」を観たとき、アンティフォラスの赤いマントが、
本当に品のいい赤色で、小栗くんの美しさとも相俟って(笑)、
その色合いにもうっとりしたのですが、色って大事ですよね。
アリス・イン・ワンダーランド」はその世界を構築するのに、
色は大きな役割を担っているのだなあと思いました。
やはりそれは赤の女王、白の女王という設定からも、色は大きなポイントですよね。
それから個人的に、チェシャ猫の大ファンなので(笑)、
3Dで立体的に見られたのは大感激でした。
丸い後頭部とか撫でたくなりました(笑)。
マッドハッター役のジョニー・デップは、いつもながら可笑しな雰囲気で素敵。
私は小栗くんにジョニー・デップのように変幻自在に、
いろんな役ができる役者さんになってほしいのですが、
男らしい役ばかりではなく、ときにはお化粧するような可笑しな役もやってほしい。
そのときこそ、細身でお願いします(笑)。
そうそう、予告にもありましたが、マッドハッターがお茶会の長いテーブルの上を、
お構いなしに歩いていくシーンがありますよね。
小栗くんの「カリギュラ」を思い出しました。
カリギュラ」でも同じようなシーン、ありますよね。
無礼で反抗的で高圧的で、格好いいシーンだと思います。とても好きなシーンです。
ディカプリオの「太陽と月に背いて」でも、ディカプリオ演じる、
アルチュール・ランボーが、大御所の詩人たちがお行儀よく囲うテーブルの上を、
非常に反抗的に土足で歩くシーンがあって、そこも格好よかったです。
そしてアリスはお約束どおり大きくなったり、小さくなったりしますが、
そのたびにドレスがとても可愛いです。
時計うさぎはもちろん、小さなねずみの衣装まで、衣装もとても素敵でした。
やはりすべてにおいて、一流の方々が集まって作っているなあというのは、
ひしひしと感じました。
さてここからは内容に触れる感想になると思いますので、
読みたい方だけお願いします。





不思議の国のアリス」のその後の物語ということで、
ものすごく饒舌で、でたらめで、逆説的、皮肉満載、
わけわかんない、イカレタ物語だと思っていたのですが、
そうでもなかったです(笑)。
パンフレットには、「世界はもう、マトモではいられない」と書かれていましたが、
結構マトモでした。わかりやすいアリスの成長物語というか、
吹き替えで見たせいもあるかもしれませんが、
もっと畳み掛けるような台詞の応酬を見てみたかったです。
ただアリスが小さな頃、いつも不思議な夢を見ていて、
自身の正気を疑ったとき、父キングスレーに、
「優れた人は、みな頭が変さ」と言われた言葉を、
後々、マッドハッターに言ってあげるところがよかったです。
そこに成長が現れているなあと思いました。
成長といえば、最初、あのアリスとは違うのではないかという話になって、
マッドハンターに「凄さがない」と言われ、不安、迷いと戦いながらも、
だんだんその「凄さ」を身につけていくところ、よかったです。
そしてまた現実の世界へ戻るときの、マッドハッターとの、
お別れの場面もちょっぴり切なくて、心が揺れました。
でもやっぱりもっとハチャメチャな、わけわかんな〜い(笑)な物語も、
観てみたかったなあと思いました。


「あなたはいつもそんなふうにやってるの?」アリスがきくと、
帽子屋は悲しそうに頭をふってね。
「それがねえ、この三月にけんかしちまってさ。ほら、こいつが、
 うかれだすちょっとまえ(といって、スプーンでウカレウサギをゆびさし)、
 ハートの女王さま主催のコンサートで、おれが唄をうたわされちゃったんだ。
 チカチカひかるコウモリさん
 いったいどこにいるのやら
 この唄、知ってるだろ?」
「にてるのなら、きいたことあるけど」
「つづきがあるよ、ね。こんなふうなの。
 はるかなお空とんでゆく
 銀のおぼんにそっくりだ
 チカチカ ピッカピカ」
                       「不思議の国のアリス」より