風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

DVD キツツキと雨 その2

晴れました。今日も暑いです。
キツツキと雨」のDVD、全部観ることができました。
「UTOPIA」の台本もちゃんと読みましたよ(笑)。
私が買ったのはブルーレイの豪華版です。
【 amazon.co.jp キツツキと雨 ブルーレイ 豪華版 】
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【映像特典】<本編ディスク>
・オーディオ・コメンタリー(監督・沖田修一、脚本・守屋文雄、古館寛治)
・予告編集<特典ディスク>
・メイキング「キツツキと雨」撮影日誌・・・約62分
・公開記念番組「キツツキと雨と、木こりとふたりの監督と」・・・約28分
・未公開シーン・・・約15分
・舞台挨拶映像集・・・約21分
・「UTOPIA〜ゾンビ大戦争」予告編・・・約1分
【封入特典】
・守屋文雄・書き下ろし短編小説「田辺幸一の撮影日記」
・ブックレット(16P)
・「UTOPIA〜ゾンビ大戦争〜」台本縮小版
・「UTOPIA〜ゾンビ大戦争〜」劇場チラシ


「メイキング」と「田辺幸一の撮影日記」については、その1の方で書いたので、
今日はそれ以外の感想を書きたいと思います。
読みたい方だけお願いします。









DVD キツツキと雨 特典ディスク 封入特典


まず「封入特典」について、「UTOPIA」の台本は、
そういえば、ホラー映画だった〜って思って、
克彦さんが参加したのはこのシーン、
お風呂で練習したのはこのシーンと思いながら、
(「兄さん?兄さんなの?」という幸一くんが好きです・笑)
結構怖くて、残酷で、悲惨な物語で、
でも最後の最後で、やはり幸一くんが書いた脚本だなあって、
ちょっと感動してしまいました(笑)。
結局、ゾンビをやっつける、全滅させるのではなくて、
共存する方向へ導くんですよね。その兆しが見える感じで、
余韻を残して終わっていて、幸一くんのちょっと違う角度からの見方というか、
優しさを感じました。
克彦さんが泣いたのは、親と子の場面〜というのを、
どこかで読んだのですが、でも私はきっとこの最後のところだと思います(笑)。


「ブックレット」は全16ページで、ストーリー等の紹介があり、
「美術設定画」が6ページ、「木こりのお仕事」が2ページ、
トリビア集」が1ページあります。
「美術設定画」はこんなに細かく設定されているんだなあと感心しました。
民宿の幸一の部屋の絵もあって、
そうそう、ここに猿の剥製ねって思いました(笑)。
トリビア集」のひとつには、幸一が「UTOPIA」撮影中はハーフパンツだったのが、
ラストシーン、長いパンツになっているのは、成長の証と書かれていて、
私が感想に書いた、
“幸一監督、次回作は長ズボンをはいていて、半ズボンではなく、
つまり半人前ではなく、一人前になったかなという、
そんなことも表していたのかな”〜と一致していたので、
嬉しかったです(笑)。
幸一くんの写真も1枚、載っていますが、爪を噛んでいる、
幸一くんらしい写真でした。
「UTOPIA〜ゾンビ大戦争〜」劇場チラシは、
エキストラの克彦さんが何故か大きく写っています(笑)。


「特典ディスク」の中の、
公開記念番組「キツツキと雨と、木こりとふたりの監督と」は、
沖田監督の高校時代から監督になるまでの道程を振り返ったり、
役所さん、小栗くんの監督についての話。
役所さんの「笑いのセンスに品がある」という言葉が
そうだなあと思いました。
小栗くんが「高良くんに嫉妬している」と言っていて、
可笑しかったです(笑)。
監督が理想の映画について、「何かが生まれるような現場」とも仰っていて、
やはり面白いものを探していて、
頑固でありながらも(笑)、柔軟に変化等を楽しんでいるのだなあと思いました。
役所さんが沖田監督の映画について、
今、ドラマや漫画から映画化するものが多くて、
それもそれなりの楽しみがあるのだが、でも監督のように、
オリジナルなもの、その監督さんの言いたいことが見えるもの、
そこに良さがあるというようなことを強く仰られていて、
隣で、小栗くんが何度も頷いていたのが印象的でした。


「未公開シーン」は幸一については、
幸一がはみがきをするところ、共同浴場のロビーで、
克彦さんと並んで、顔をタオルで覆いながら、
マッサージチェアに揺れながら、小人の声について話すところ等、ありました。
仏壇に置かれていた田辺組の集合写真が見られたことはよかったです。


「舞台挨拶映像集」は、まず2011年10月23日、
六本木ヒルズで行われた東京国際映画祭の記者会見の様子から。
このときの小栗くん、大好きです!
細身で、黒いシャツと少しくすんだブルーのベストとパンツが、
スタイルの良さを際立たせて、しかもメガネ男子。
入ってくるときの、背筋がピンと伸びてカツカツと大股で歩く姿が、
颯爽としていて、とても美しいです。
こういう華やかな席がよく似合う人だなあと思いました。


キツツキと雨」について、コンペディション部門に、
日本映画で唯一出品された感想を聞かれて、
「誇らしい」と答えていた役所さん。
小栗くんの初共演の印象について。
役所「なんでしょうね。始めてそのう、お芝居を一緒にしたんですけども。全然そのう、小栗くんのイメージというのは、もっと、あのう、やんちゃ小僧でですね、きかない奴かなあと思ってたんですけど。とっても大人なんですよね。それでやっぱりこう自分の今回の幸一という役に、なんでしょうね、ほんとに俳優として真剣に、ほんと真面目にやる人なんで、まずびっくりしましたね。それでいつも小栗くんの方から僕に話しかけてくれて、それで、お芝居の話もしますし、人生の話もしましたし、うふふ。たいしたことじゃないんですけど。あはは。でもなんか一緒に共演して、ひとつのシーンを作っていく、一緒に作っていくっていう感じのする俳優さんで、ほんとに素晴らしい人だと思います」
とても嬉しい言葉ですね!
“一緒に作っていくっていう感じのする俳優さん”という言葉が、
いいなあと思いました。隣で聞いている小栗くんが、
凄く嬉しそうで、でも恥ずかしそうに笑っていた姿が可愛かったです。
その小栗くんは役所さんの印象について。
小栗「凄く役所さん演じる克彦さんという人は、あのう、普通のおじさんなんですけど、凄く優しい普通のおじさんなんですけど。あのう、以前から凄く役所さんに興味がありましたし、先輩としてもそうですし、子供の頃からもいろんな映画に出ている役所さんを観てきていたので、どんな人なんだろうなあと思って、現場で会ったら、あの、ほんとにいい意味でですけど、普通のおじさんでびっくりしました。はい」
役所さんも隣で、小栗くんの言葉にとても嬉しそうにされていて、
こちらも嬉しかったです。


そして監督について。
小栗「ちなみに今日監督はあまりの緊張に、今日ほんとは舞台挨拶で着る上着を、
    電車に置いてきちゃたんです」
会場(笑いに包まれ、英語の通訳に重なって拍手までおきています)
役所「今日のために新しく買ったやつです」
会場(またも笑いに包まれます。司会者の方が(今着ている)それも、
    買ったということですか?と聞かれて)
監督「そこの六本木ヒルズで買いに行きました」
会場(笑い)
小栗「そんな素敵な監督が作っている映画なんで、ほんとにあの、
    温かい空気が全体に出てると思います」
監督「頑張って作りました。観てください」
この一連のやりとりが本当に可笑しくて、
通訳の方もつい笑ったりしながら、通訳をされていました。
本当に愛すべき監督ですよね。そんな素敵な監督が作った映画は、
とても温かくてチャーミングな素敵な作品になりましたよね。


他には2012年1月18日日経ホールの完成披露試写会の様子。
着物の理由を聞かれていました(笑)。
2月11日109シネマズMM 横浜での初日舞台挨拶の様子。
東京国際映画祭で、審査員特別賞を受賞したときのトロフィー、
ドバイ国際映画祭での最優秀男優賞、最優秀脚本賞
最優秀編集賞のトロフィーを、3人がまじまじと見ていました。
「UTOPIA〜ゾンビ大戦争」予告編は、それなりに作ってあって面白かったです。


本編の「オーディオ・コメンタリー」も聞きました。
監督さん、脚本家さん、古舘さんのまったりとした穏やかな、
楽しいオーディオ・コメンタリーでした。
克彦さんの車のお守りの位置をいろいろ検討したこと、
結局その位置でよかったこと。
幸一は本当に半ズボンにしてよかった。
それは衣装合わせのときの小栗くんのアイデアだったこと。
克彦さんと幸一がお弁当を食べながら、
松の話や甘いもの断ちをしている話等をして、
そのお弁当をかきこんだ後、幸一が戻っていって、
学校の中へ入るシーン。編集さんが好きだと言っていた。
このシーン、私も好きです!
遠目の幸一なんですけど、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、
また仕事に戻っていく感じが、なにげないんですけど、ちょっと切ないんですよね。
この映像は克彦さん目線かなと思うのですが、
その幸一への思いを感じとれて、好きなシーンです。
他にはレールを動かしながら撮影する場面。
田辺組のレールの方が沖田組のレールより豪華(笑)。
あんみつのシーンは、何度もやって、
気持ち悪くなるくらいあんみつを食べてもらったのに、
結局使ったのはテイク1で、そのことが二人(役所さんと小栗くん)にバレたこと(笑)。
そして最後のクライマックス、雨の中、晴れた瞬間にいい映像が撮れて、
また雨が降ってきて、ひとり幸一がしゃがんでいるシーンについて。
監督「感傷の残し方っぽいのはあまり好きじゃないなと思うんですけど、いつも。
    最後、ひとり、十字架がいっぱいあるし、
    レールがひいてあって幸一っていうのが、
    絵としていいよなあと思って残したんだよね」
幸一にヘルメットを被せる克彦。
監督「ほんとは傘をさすっていう台本だったんですけど。
    雨がわっと画面からなくなってとかって思ったんですけど、
    こっちの方が克彦と幸一っぽいよなあって思って。異文化コミュニケーション」
このシーン、いいシーンですよね。
幸一と克彦の思いがしっかり繋がるというか、心動かされます。


こんな感じで、映画同様、いろいろと楽しませてもらいました。
小栗くん、また沖田監督とお仕事できるといいなあとか、
役所さんともまた全然違う作品で共演してほしいなあと思いました。
キツツキと雨」の雰囲気そのままの温かい空気が伝わってきて、
沖田組の心意気や遊び心がたくさん詰まった DVD でした。