風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

文学的な台詞 格好いい台詞

曇り空です。
先日、ネットをウロウロしていたら、
カラマーゾフの兄弟」の鋼太郎さんが凄いと書かれていたので、
そこで「カラマーゾフの兄弟」に、鋼太郎さんが出ていることを知って、
2話からになりますが観てみました。とても面白かったです。
これから毎週観ようと決めました(笑)。
鋼太郎さんは、本当にさすがの迫力で、凄かったです。
そして市原くんはちゃんと観たのは私は「あいくるしい」以来かな?
随分大人の役者さんになったなあと感心しました。
他に斎藤工さん、林遣都くんやまわりの方々も好演していて、
作り方も重厚な中に、ロックな格好良さもあって、惹きこまれました。
そしてやはり台詞が文学的。
父親とも長男とも関係がある女性が、次男に問い詰められて。
「いけない?
 清純やモラルではお腹をいっぱいにできないもの。
 欲しいものを手に入れるためだったら毒だって食らうわ。」
格好いい台詞、好きなんですよね〜。
シェイクスピアも昨日書いた「カリギュラ」も、
格好いい台詞がたくさん出てきて、心酔しました。


シェイクスピア「タイタス・アンドロニカス」より


エアロン「タモーラはいまやオリンポス山の頂上に登り、
      運命の矢玉などかすりもせぬ遙かな高みに坐っている、
      雷がゴロゴロ鳴ろうが稲妻がピカッと光ろうが涼しい顔、
      蒼白い悪意が威嚇の手を延ばしても高すぎて届かない。
      金色の太陽はまず朝に挨拶し、
      その光で大海原を黄金色に染めると、
      まばゆい馬車を駆って天の頂をめざし、
      雲にそびえる峰々を見下ろす、
      それがいまのタモーラだ。
      地上の栄誉は彼女の才知にかしずき、
      眉をひそめれば美徳もひれ伏して震えおののく。
      こうなったら、エアロンよ、心に鎧をつけ覚悟を決めて
      お前のかわいいお妃様と同じ高みに登っていけ。」


エアロン「祈るなら悪魔になさい、神々はわれらのことなどとうの昔にお見限りだ。」


カミュカリギュラ」より。


カリギュラ「しっかりした力などおれにとって何になる。
       万物のありようを変えることができないのなら、太陽を東に沈ませ、
       苦しみを減らし、人を不死にする、それができないのなら、
       驚くべきこの権力が何になる。」


カリギュラ「八月の美しい夜だった。彼女は少し気取っていた。おれはもう寝ていた。
       月は始めのうち地平線のうえで血まみれだった。
       それから次第に軽やかに、すいすいと昇り始めた。
       昇れば昇るほど明るくなった。星のさやぎでいっぱいの夜のまんなかに、
       彼女は乳色の水をたたえる湖のようになった。」


カリギュラ「同じ魂と誇り高さを持つふたりの男が、生きているうちに少なくとも一度、
       心の底から話をすることは可能だと思うか。」


カリギュラ「わからない。おれには、この上なく恐ろしい意識だけがある、
       この恥ずかしい優しさは人生がおれにたったひとつ与えてくれた、
       純粋な気持ちという意識だ。」


カリギュラ「そうだ。セゾニア。この自由がなかったら、
       おれは満ち足りた男になっていただろう。この自由のおかげで、
       おれは神のように見通す孤独な男の眼を獲得した。
       おれは生き、おれは殺し、破壊者の狂乱した権力を行使する。
       それを前にしては、創造者の権力など猿芝居に見える。
       幸福であるとは、こういうことだ。幸福とは、これだ。
       この耐えがたい開放感、あらゆるものへの軽蔑、おれのまわりの血、
       憎しみ、自分の人生を眼下に支配している男の比類なき孤立、
       罰を受けない暗殺者の常軌を逸した悦び、
       人間の命を砕く情け容赦のないこの論理、
       おまえの命を砕く論理でもある、セゾニア。
       そしてついに、欲しくてたまらない永遠の孤独を完成させるんだ!」


カリギュラ「おれは心の静まるあの大きな空虚を、もう一度見つけるんだ。
       なにもかも複雑に見える。だが、なにもかも単純だ。
       もしおれが月を手に入れていたら、もし愛だけで充分だったら、
       すべては変わっているだろう。この渇きをどこで癒せばいい。
       どんな心、どんな神が、湖の深さをたたえているのか?
       この世には何も、おれに見合うものはなにもない。
       それでも、おれは知っている。おまえもだ、
       不可能がありさえすればそれで充分だ。
       不可能!おれはそれを世界の涯てまで探しに行った、
       おれ自身の果てまで。
       おれは自分の両手を差し出した。両手を差し出す、
       するとおまえに会う、いつもおまえだ、おれの前にいる、
       そしておれはおまえに対して憎しみでいっぱいになる。
       おれは行くべき道を行かなかった。おれは何物にも到達しない。
       おれの自由はよい自由ではない。
       エリコン!エリコン!何もない!まだ何もない。
       夜が重い。エリコンはもう来ない。おれたちは永遠に罪人だ。
       夜は人間の苦悩のように重い。」


カリギュラ「おれはまだ生きている!」


この頃、小栗くんから文学的な台詞、心酔するような格好いい台詞を、
聞いていないので、また小栗くんから聞きたいです。
そして「カラマーゾフの兄弟」を連続ドラマで出来るなら、
他にもいろいろ出来そうですよね。
wowow で高良くんで「罪と罰」も映像化されましたよね。
こういう文学的なドラマや wowow ドラマにも出てほしいなあと思います。