風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

どこへ行く 月を探しに

雨が降っています。
ゆまさんから教えていただきました(ありがとうございます)。
【 リチプア公式ツイッター 】に、
「リチプア」SP の安全祈願と大ヒット祈願のお祓いが行われたことが、
書かれています。
“本日(2月14日)、メインキャストとスタッフの皆さんが勢ぞろいし、スペシャル撮影開始にあたっての安全祈願&大ヒット祈願のお祓いが行われました!いよいよ、クランクイン目前!”
いよいよ始動ですね。
素敵な素敵な「リチプア」の世界を、
素敵な素敵な徹と真琴を魅せてほしいなあと思います。
「リチプア」SP はまだ放送日が決まっていませんが、
春には放送されるでしょうか。
春には他にも、舞台「あかいくらやみ」が待っていますね。
この舞台は共演者の方々も凄く楽しみで、そして横田さんとは、
カリギュラ」以来ですよね。
確か「タイタス・アンドロニカス」英国公演で、より親しくなったと、
記憶しているのですが、
なんといっても「カリギュラ」のエリコンが印象に残っています。
では今日は「カリギュラ」の台詞、エリコンを中心に書きたいと思います。


エリコン 「こんにちは。カイユス。」
カリギュラ「やあ、エリコン。」


エリコン 「何です、欲しかったものって。」
カリギュラ「月だ。」
エリコン 「え?」
カリギュラ「うん。月が欲しかった。」


カリギュラ「すまないが、今後は、おれを手伝ってほしい。」
エリコン 「ことわる理由はありません。カイユス。ですが、
       おれはものをたくさん知ってはいても、
       興味を持つことはほとんどありません。何を手伝ってほしいんです。」
カリギュラ「不可能なことを。」
エリコン 「できるだけのことはしましょう。」


エリコン「セゾニア、カイユスは理想主義者だ。みんな知ってる。
      つまりあの人は、まだ何もお分かりじゃないってことだ。
      おれは理解している。だから何にもかかわらない。
      だけど、いったんカイユスが理解し始めたら、
      おれとは逆に、あの人はあの善良な可愛い心で、
      何にでも手を出すことができる。ひどく高くつくでしょうね。」


カリギュラ「去年の夏だった。じっと見つめて、庭の柱の上にいる彼女を愛撫した。
       そうするうちに、彼女もやっと分かってくれた。」
エリコン 「こんな芝居はやめましょう。カイユス。耳障りであろうと、私の役目は、
       喋ること。あなたには聞こえなくても、仕方ありません。」
カリギュラ 「八月の美しい夜だった。彼女は少し気取っていた。
       おれはもう寝ていた。
       月は始めのうち地平線のうえで血まみれだった。
       それから次第に軽やかに、すいすいと昇り始めた。
       昇れば昇るほど明るくなった。星のさやぎでいっぱいの夜のまんなかに、
       彼女は乳色の水をたたえる湖のようになった。」


カリギュラ「どこへ行く。」
エリコン 「月を探しに。」


エリコン「あんたらにはカイユスに指一本触れさせはしないぞ。
      たとえあの人のほうでそれを望んでいるにしてもだ。」


エリコン「そして分かったんだ。あんたたちは卑しい顔をしていて、
      匂いも貧相な匂いだってことがな。苦しんだことも危険を冒したことも、
      一度としてない人間に特有の、薄っぺらな匂いだ。」


エリコン「美徳の小売店を経営しているあんたたちが、
      若い娘が恋を夢見るように、安全を夢見てる。」


エリコン「そんなあんたたちが、数えきれないほど苦しんできた人を、
      毎日、千の新しい傷口から血を流している人を、おこがましくも、
      裁こうとはな。やるなら、まずおれをやってからにしろ、肝に銘じておけ!
      奴隷をさげすめばいい、ケレア。
      この奴隷はな。あんたの美徳より上にいる、というのはな、
      こいつはあの哀れなご主人を今も愛することができるからだ、
      あんたたちの立派な嘘や不実な口から守ってさしあげるからだ。」


カリギュラ「おれは行くべき道を行かなかった。おれは何物にも到達しない。
       おれの自由はよい自由ではない。
       エリコン!エリコン!何もない!まだ何もない。
       夜が重い。エリコンはもう来ない。おれたちは永遠に罪人だ。
       夜は人間の苦悩のように重い。」
エリコン 「用心してください、カイユス!用心して・・・」
カリギュラ「歴史のなかに入るんだ、カリギュラ、歴史のなかに。」
カリギュラ「おれはまだ生きている!」


エリコンはずっと命がけでカリギュラを守ってくれました。
ただただ愛してくれました。その思いが嬉しかった。心打たれました。
エリコンも良い台詞が多いです。
カリギュラ」は岩切さんの訳もよくて、本当に詩的で美しい台詞で、
こういう文学的な作品にもまた是非、出てほしいですよね。
蜷川さん曰く、
メインカルチャーを充分に扱える俳優にしたいんだ」
また蜷川さんの手でそういう俳優にしていただきたいと思います。