風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

機は熟した 時は来た

よく晴れました。
6月2日のコメント欄に、mutsumi さんが「未来シアター」という番組での、
柘植伊佐夫さん(人物デザイナー)の特集のことを書いてくださいました。
ありがとうございます。「あかいくらやみ」の天狗の造形や、
衣装のエイジング加工の様子が映ったそうです。読んでみてくださいね。
そしてともみさん、shu shu さん、ゆまさんが、大千秋楽の感想等を、
書いてくださいました。ありがとうございます。読んでみてくださいね。
「あかいくらやみ」とうとう、終わってしまいましたね〜。
小栗くんの携帯ブログが更新されて、
「寂しいなー、淋しいなー、さびしいなったらさびしいな。」
 また早く演劇やりたいなー。」と書かれていましたが、
寂しい、淋しいと2種類の漢字を使ったところがミソです(ではなくて・笑)、
「さびしいなったらさびしいな。」〜が可愛いですよね。
こちら観劇する側も、「さびしいなったらさびしい」です(笑)。


そして「あかいくらやみ」を観ながら、
板の上で演技する小栗くんの、その予想以上に成長した姿を観ながら、
私はこう思いました。
「機は熟した!時は来た!」と(ちょっと大袈裟ですが・笑)。
ここは・・・・「ハムレット」だと思うんです!
「ロミオ」も思ったのですが、でもあの姿を観たら、
ハムレット」が思い浮かんで、
長い裾を引き摺りながら、カツカツと舞台を駆け巡ってほしい。
風のように軽やかに疾走し、
あるときは、目を見張るごとく朗々と台詞を語り、
あるときは、感情の涙をほとばしらせながら、絞り出すように台詞を言い、
小栗ハムレットここにありという、圧倒的な存在感で、
もちろん美しさも格好良さ色っぽさも全開で、
しかし切なく繊細で、心の奥深く届くような演技を魅せてほしい。
「ムサシ」から、「時計じかけのオレンジ」、「髑髏城の七人」、
「あかいくらやみ」と経験を積み、再び蜷川さんのもとで、
シェイクスピア劇で輝いてほしい。
舞台を観た後、涙で席を立てないくらい感動したい。
新幹線に乗って、降りる駅を間違えそうになるくらい、心掴まれたい。
それには小栗ハムレットだと思うんです!
今のあの容姿、あの雰囲気、あの演技力を放っておく手はないと思います。
小栗くんも「また早く演劇やりたいなー」と言っています。
あの声でシェイクスピアの台詞を聞きたい。
フォーティンブラスとして初めて参加した蜷川さんの舞台。
稽古風景の動画で、「小栗登場」ととても嬉しそうに、
小栗くんを手招いていた蜷川さんの笑顔が忘れられません。
フォーティンブラスはハムレットとして帰ってきてほしいです。
ということで、今日は「ハムレット」の台詞を少し書きたいと思います。


ハムレット         シェイクスピア作 関口篤訳


ポローニアス「陛下、ならびにお妃さま。申し上げます。
         そも国王の主権とは、はたまた臣下の務めとは、いかにあるべきか、
         何ゆえに昼は昼、夜は夜、時は時なるかを論ずることは、
         夜を、昼を、また時をいたずらに浪費することにほかなりませぬ。
         したがいまして、簡潔こそ話術の魂、
         冗談はその手足、飾りにすぎませぬゆえ、
         手っ取り早く申し上げますが、王子ハムレット様は狂っておられます。」


ハムレット「事態を放置するか、あるいはこれに断固介入するか、それが問題だ。
       どちらが気高い生き方か、このまま心のうちに、
       暴虐な運命が射かける石と矢をじっと耐えることか、
       それとも、海のように押し寄せる苦難に武器をとって立ち向かい、
       敢然と戦ってこれに終止符を打つことか。」


ハムレット「尼寺へ行け、なぜ罪深き子の母親になりたがる?」


ハムレット「剣よ、鞘に入り、じっと次なる時を待て。
       やつが飲んだくれ眠りほうけている時、怒り狂っている時、
       あるいは邪淫のベッドで快楽をむさぼる時、
       賭博にわれを忘れ罵りわめていている時、いや、なんでもいい、
       なにか救いのない悪業に耽っている時、
       やつを斬り捨てる。やつの踵が天を蹴り、魂は地獄へとまっさかさま、
       たちまち地獄のどす黒さに染まるがいい。」


王妃   「この私を忘れたのですか?」
ハムレット「いや、いや、とんでもない。
       あなたは王妃、ご自分の夫の弟の妻、
       その上、遺憾ながら私の母親。」


オフィーリア「おやすみなさい、ご婦人がた、おやすみなさい。お優しい皆様、
        さようなら、さようなら。」


レアティーズ「犯人はこの中におります、ハムレット様。あなたもおしまいだ。
        もうどんな薬も役に立たない。あと半時間のお命です。
        謀反の道具はそのお手に、先のとがった、毒を塗った剣。
        卑劣な企みがこのわが身にも。もうこのとおり、
        二度と立つことはできません。お母上様は毒殺、
        もうものが言えない。罪は王に、王こそ・・・。」


ハムレット「もう、何も言わぬ。」