晴れました。
12日のブログにはたくさんのコメントをいただきまして、
ありがとうございます。
皆さんの蜷川さんへの思い、小栗くんへの思い、胸がいっぱいになりました。
そういうコメントに私が個々に返信するのは、
ちょっとおこがましいような気がするので、
今回は個々には返信をしないことにさせていただきますね。
カミママさん、aqua さん、りー坊さん、mimosa さん、みにーさん、山りんさん、
ままりんさん、じゅんさん、asuka さん、井上ひとみさん、mutsumi さん、
ree さん、ふぅみぃさん、スパイクさん、ソレイユさん、レモンさん、
紅実さん、星ぶどうさん、めぐさん、camelia さん、しおりんさん、
コメント、ありがとうございました。
ささやかながら、こういう場所を提供できたことは、
よかったかなあと思っています。
辛いですけど、でも同じ思いの皆さんがいらっしゃることがわかるだけでも、
少しだけ気持ちが落ち着きますよね。
もっともっと辛いのは小栗くんだと思いますが、
でも小栗くんに限らず、多くの俳優さんたちに、
魂が震えるほど真摯にたくさんの愛を注いだ蜷川さんだったのだなあと、
改めて思いました。
そして私、12日のブログに、「小栗くんのハムレットが観たかった」と書きましたが、
本当に、小栗くんとの演目がハムレットだったことがわかりました。
【 蜷川幸雄さん「最後の演出」小栗旬ハムレット叶わず 】
12日に死去した演出家蜷川幸雄さん(享年80)が、小栗旬(33)と「ハムレット」の上演を約束していたことが13日、分かった。昨年12月に入院したが、来年までの演出舞台は決まっており、「ハムレット」も今年10月に予定していた。蜷川さんの「最後の『ハムレット』演出にする」という決意の言葉を聞いた小栗も奇跡を信じていた。
蜷川さんの死は、演劇界に大きな影響を及ぼしている。来年まで舞台が決まっていたが、その1本が今年10月に予定した小栗主演「ハムレット」。小栗は20歳の時、蜷川さんの演出、藤原竜也が主演した「ハムレット」に出演。以降、蜷川組の常連となり、09年に藤原と「ムサシ」に出演したが「ムサシ」海外公演に小栗が出演しなかったことで2人は疎遠となった。しかし2年前、小栗が「また出たい」と直談判。心意気に打たれた蜷川さんは7年ぶりに組む作品に「ハムレット」を選んだ。
過去に平幹二朗、渡辺謙、真田広之、市村正親、藤原の主演で上演した。シェークスピア作品を数多く手掛けてきたが、その中でも思い入れの強い作品の1つだ。小栗版を「最後の『ハムレット』演出にする」として演出プランも立てた。
昨年12月に肺炎で入院し、自分の半生を題材にした「蜷の綿」上演を延期。4月に稽古が始まった「尺には尺を」の稽古場に来られないほど体の状態は良くなかったが、小栗は奇跡を信じていた。訃報を知ると「ついにまたご一緒できる、叱っていただけると心の底から楽しみにしておりました」と無念さをにじませた。
8月に森田剛と宮沢りえ主演の「ビニールの城」は予定通り上演するが、蜷川さんが残した演出プランで上演するか、別の演出家に依頼するかは検討中だ。総合演出を予定していた12月の「ゴールド・シアター2016」は予定通り実施する。一方、来年1月の「近松心中物語」が中止になるなど、数本の未発表の舞台も立ち消えとなった。
もうこんなことってあるのでしょうか。
この記事を読んで朝からまた泣いています。
この「風色の椅子」に集ってくださった皆さんと、
何年も何年も、幾度も幾度も、
蜷川さんとまたやってほしい。できたらシェイクスピアを、
できたら、ロミオかハムレットをと語り合ってきましたよね。
「風色の椅子」の根幹の一部は、この願いで埋め尽くされているような、
それほど、熱望して、悲願で、叶うことを信じていました。
やっとやっと願いが叶う目前だった。
本当に本当に残念です。悲しいです。
“蜷川さんの「最後の『ハムレット』演出にする」という決意の言葉を聞いた小栗も奇跡を信じていた。”
蜷川さん、最後の「ハムレット」に小栗くんを選んでくださっていたのですね。
最後までとても可愛がってくださって愛してくださっていたのだなあと、
また涙がこぼれます。
30代になって、今の小栗くんで、
蜷川さん演出の「ハムレット」を観てみたかった。
たくさん叱ってもらって、でもきっと「上手くなったなあ、小栗」って、
言ってもらえると思っていました。
2007年、小栗くんのオールナイトニッポンの演劇部で、
私の原案が採用されることになり、
小栗くんと電話で話したとき、蜷川さんの舞台について、
「箱ごとタイムスリップしている感じが好き」と話すことができました。
この感想を聞いてもらえただけでもとても嬉しかったのですが、
そのとき小栗くんも「そこが蜷川さんの舞台の醍醐味だったりしますよね」と、
言っていました。
まさに「箱ごとタイムスリップ」しているようなそんな「ハムレット」が、
観たかった。
斬新で大胆で、でも繊細で品が良くて、エネルギーがあって、
圧倒的に美しく、演劇の深さ、人間の深さ、
溢れる感情にがんじがらめになるような、そんな「ハムレット」が観たかった。
でもこれは追悼公演として、上演されるということはないのでしょうか。
今年の10月予定ということは、配役は決まっていたと思うので、
蜷川さん、舞台美術等の構想が書き留めてなかったのでしょうか。
もう蜷川さん演出の夢は叶わないけれど、
どうか意思を継いで、「ハムレット」が上演されますように願っています。
きっと天国の蜷川さんも小栗くんのハムレットをご覧になりたいのでは、
「俺だったら、こういう演出するなあ」なんて仰るかもしれませんが、
どうかせめて小栗くんにハムレットを演じさせてください。
フォーティンブラスから始まった小栗くんの、
蜷川さん演出のシェイクスピア作品、ハムレットで完結させてください。