晴れたり曇ったりしています。風が秋の風ですね。
昨日「夏の恋は虹色に輝く」を見ました。しっかり見たのは、
第1話と、昨日の最終回だけなので、ドラマの感想は書けないのですが、
最終回の劇中劇「ハムレット」をどうやって表現するのか見たかったので、
見てみました。
大雅くんが役をもらうところは、思い出したことがありました。
9月10日に紹介した「間違いの喜劇」のメイキングの中で、
行われていたことです。
あのように若い俳優さんが、お芝居の稽古を見学していたある日、
稽古を欠席した役者さんの代役を、その若手の俳優さんのひとりが、
演じることになり、見事にその役をこなしたのです。
蜷川さんはすぐ、
「よかったよ。初めてやったとは思えないよ。今度、一緒に仕事しよう」と、
仰っていて、まわりから拍手がおきていました。
そんな様子を見ながら、小栗くんが「今日、こんないい始まりだったから」と、
素直に感動を言葉にしていて、そんな小栗くんに蜷川さんが笑いながら、
「小栗、まずいぜ」と言うと、「まずいぜ、まずいぜ」と言いながら、
稽古に向かっていきました。主役として思うところがあったのですね。
どんなときでも台詞を覚えて準備している若手の俳優さんたちに、
成果を出せばちゃんと答えてあげる蜷川さんは、素晴らしいなあと思いました。
確か、蜷川さんのお芝居は、どんなに小さな役でも、
きちんと存在意義があって、それを蜷川さんは大事にしていて、
そこに感心したと、小栗くんが言っていたと思います。
だから素晴らしい舞台になるんですよね。
そして「ハムレット」といえば、小栗くんはフォーティンブラス役ですが、
DVD「ムサシ 激動の123日間の舞台裏〜蜷川幸雄と若き俳優たち〜」に、
ほんの少し、舞台の様子と稽古の様子が出てきます。
【 amazon.co.jp ムサシ 激動の123日間の舞台裏 】
まずフォーティンブラスが、両手を広げて、回りながら出てくる場面。
この両手を広げて出てくる場面は、とてもとても好きなんですよね。
ハムレットと対比の位置にある、太陽のようなフォーティンブラスを、
象徴しているようなシーンだと思います。
高い背と少年のようなのびやかさで、跳ねるような登場の仕方で、
心掴まれます。
このDVDには、BunkamuraのHPにあったインタビューも少し収録されています。
黒いニット帽を被って金髪がのぞく、まだ青いちょっぴり尖がった感じの残る、
でも白い肌が眩しい小栗くん。
小栗「凄い的確なダメ出しが出ますよね。AからBっていう、その言い方を、
されてたんですけど。あのう、ここに居て、ここからこっちに、
動くときには、絶対何か理由があって動くんだから、
何もなく、舞台的な、ここから、こっちへ行ってくださいっていう、
動きはするな、みたいな話をされたときがあって、
ああ、なるほどなあと思って。俺も結構、とりあえず、ここからこっちへ、
動いとけばいいんじゃないかと思って、動いたことあるしなと思って、
そんなことしたら、怒られるんだろうなあと思います」
初めて蜷川作品に参加して、驚き、不安、喜び、いろいろあるだろうけど、
素直に語るその言葉は、穏やかで初々しく、聞いていて微笑ましいです。
このインタビューに重ねて、蜷川さんが小栗くんの腰に手を添えて、
行ってこい、みたいな感じで、送り出すところ、
黒い衣装の小栗くんが、蜷川さんと対峙して、何かを話していて、
小栗くんが頷いているところ、それらが映っています。
まずこの蜷川さんと話しているところの小栗くんが、ほんの何秒なんですが、
本当に少女漫画から出てきたような、背の高さ、身体のラインの、
フワッとした金色の髪とも相俟って、とても綺麗な小栗くんなんですよね〜。
何回見てもはっとします(笑)。
そしてこのDVDには入っていないのですが、
bunkamura のHP の 動画には(もう消えてしまったのですが)、
蜷川さんが本当に嬉しそうに小栗くんを紹介する場面がありました。
「小栗登場」と蜷川さんが嬉しそうな笑顔とともに手招きして、
小栗くんを呼びます。小栗くんは緊張しながら現れると思いきや、
後ろ髪を手で束ねながらナチュラルに現れて(笑)、
その小栗くんを愛を持って見つめる蜷川さんと、
小栗くんのスラッと背の高い細身の、
まっすぐなまだ華奢な背中が、本当に好きでした。
ここから小栗くんと、シェイクスピアとの出会い、
蜷川さんとの出会いは始まったんだなあって、
胸がいっぱいになります。もう動画が見られないのは残念ですが、
何度も何度も何度も見た動画です。
DVD「ムサシ 激動の123日間の舞台裏」の方には、他に、
エアロンも、アンティフォラスも少しずつ映っていて、
ああ、なんて美しかったんだ〜って思います(笑)。
まだ20代なんですから、小栗くんしか持っていない繊細なしなやかな美しさを、
決して手放さないで、大切にしてほしいなあと思います。