風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

共演して成長していく

よく晴れました。
昨日の「リーガルハイ」、凄い展開でしたね〜。
早めのエンドロール後からの十数分、ぐっと見入ってしまいました。
新垣さん演じる黛先生を見ていると、
黛先生は新垣さんの女優としての歩みとも重なっていくような、
まさにさなぎから蝶になっていくごとく、役柄としても役者としても成長を感じます。
そこには彼女の女優としての意識の高さがあると思いますし、
その前に立ち塞がる古美門先生がまた愛ある厳しさ、独特の彼らしさで、
彼女を導いていて、本当に堺さんも素晴らしいですよね。
これからの「リーガルハイ」もとても楽しみになりました。
脚本の古沢さんにより期待しつつ、もっと魅力的な、古美門先生、黛先生に、
会いたいなあと思っています。


そしてこうやって、良い共演者に引き出してもらうというか、
そういう機会があることは俳優さんにとっても大切な経験ですよね。
小栗くんが石田三成を演じたとき、
天地人」の本の中の対談にこういう文章がありました。
松方さん(徳川家康役)と笹野さん(豊臣秀吉役)の対談です。


秀吉臨終の場面について。
松方「秀吉の臨終の言葉が台本と違っていましたね。」
笹野「ええ。当初は「家康を殺せ」でした。でも、ちょっと露骨すぎる気がして、
    違う言葉を提案したら、演出家も乗ってくれましてね。
    三成の耳もとでささやくセリフでしたが、リハーサルでは
    毎回違うことを言っていました。
    本番で初めて告げることで、小栗君のいい表情を引き出せたらと・・・。」
松方「なるほど。それで、「三成、お前が天下を取れ」と。」
笹野「それまでの秀吉は、直江兼続には優しい反面、三成にはわりと、
    冷たかったじゃないですか。でも、最後の最後で、
    置き土産として全幅の信頼を表現したいと思ったんです。
    三成役に臨む小栗君の力になればいいなって。」


笹野さんの小栗くんへの思い、とても嬉しいですよね。
台詞も「家康を殺せ」より、ずっといい台詞だと思います。
“全幅の信頼を表現したい”〜本当に、あの耳元でささやかれたときの三成の、
美しい涙とその表情、忘れられません。
その後の三成の生き方をすべて決めたようなシーンでしたよね。
笹野さんの思いをきちんと小栗くんは受けとめたのではないでしょうか。
こういう方々と共演できたことは本当に幸せなことでした。
またこういう機会があればいいなあと思います。
新垣さんが堺さんと共演して成長していくように、
小栗くんもまた小栗くん自身も知らない魅力を引き出してくださる方との、
共演があるといいですね。
キツツキと雨」での役所さんとの共演もとてもよかったと思います。