風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

歸國 感想

猛暑です。
歸國」見ました。戦争ものなので、やはり重いです。
戦争は絶対に、二度と繰り返してはいけないと思います。
あのように戦地で戦った兵士はもとより、戦争に関わったすべての人たちが、
悩み、良心の呵責に耐え、苦しみ、悲しんで、
家族へ、恋人への思いを胸に亡くなっていった、その意味を充分に感じて、
その方々に恥じないような未来にしなくてはいけないと、改めて思いました。
物語は舞台が元になっているということで、舞台っぽかったですね。
そして小栗くん演じた木谷少尉と、八千草さん演じた洋子のシーンが、
とてもよかったです。涙が出ました。
ドビュッシーの「月の光」が流れる中。
宮沢賢治の童話集の中に、密かに記されたラブレター。


君に会いたい。話がしたい。二人で音楽の話がしたい。
戦争が終わったら、君が言ったように、すぐに結婚して一緒になろう。
貧しくていいから、人に気がねせず、音楽の話をして、
子供を作って静かに暮らそう。
僕はオーケストラの楽団員になって、君はピアノを小学校で教えろ。


そうしたのよ、本当に。
小学校で音楽を教えてずっと生きたわ。


八千草さんがとにかく素晴らしかったですね。上品で美しくて、
木谷少尉と会うときは、恋する女性そのものの、喜び、恥じらいが伝わってきて、
若い小栗くんと並んでも、この木谷少尉と洋子さんで並んだ絵は、
違和感なく恋人同士に見えました。
小栗くんもとてもよかったです。
涙ぐみ憂いをおびた瞳、頬を包む汚れた長い指。
彼を思って一生結婚もせず、ひとりで生きてきた洋子に対しての、
申し訳なさと愛しさ。すごくよく伝わってきました。
小栗くんは「天地人」のときの笹野さん演じる秀吉の臨終の場面、
「三献茶」の再現シーン、あのときの三成もとても素晴らしくて、
やはりべテランの方と一緒に演じると、
堂々と渡り合える実力を引き出してもらえるというか、
とてもいいシーンになりますよね。
今回の、真希ちゃんとのシーンも、すごく素敵だったのですが、
やはり八千草さんとのシーンが、本当に素晴らしくて、
こういうシーンを何度も観たいと思いました。
もっともっとベテランの実力派の俳優さんとたくさん共演してほしいです。
背の高い長い指の、愛しいセロ弾きのゴーシュさんでした。