風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

イズ・エー

少し曇っていましたが、晴れてきました。
イズ・エー[is A]のDVDが届いたので、見ました。
もう重くて重くて哀しかった・・・
やはり父親役の内藤さんに感情移入してしまって、ボロボロでした。
うまくまとまらないかもしれませんが、感想を書きたいと思います。
ここからはネタバレになりますので、読みたい方だけお願いします。












映画  イズ・エー[is A]  藤原健一監督作品
                 三村栄二  津田寛治
                 海津勇也  小栗旬
                 勇也の父  内藤剛志


重くて暗くて哀しい映画でした。
やはり少年犯罪を扱っているので、しかたないんですが、
どこにも答えがありません。
とにかく勇也がわからない。
どうしてどうしてってずーっと思ってました。
ごく普通の家庭に育っているのに、あんなに一生懸命なお父さんがいるのに。


父親役の内藤さんが、とても心に響く演技でした。
三村役の津田さんとは、途中から友情とまではいきませんが、
理解し合うんですよね。そこが興味深かったです。


それから勇也役の小栗くん。繊細で透明感があって、
ガラスのような脆さと儚さ、そして幼さと狂気、
ぞっとするような綺麗な少年でした。
でも存在がないというか、空っぽのような、
どうして彼には何も響かないんだろう。
亡くなった人たちのことも、お父さんの思いも!


最後のシーンが、やはり涙が止まりませんでした。
お父さんはまず勇也を抱きしめるんですよ。
そして自分の息子の首を絞める、何度も何度も海に沈める・・・
でも力尽きて、大きなお父さんの手が、彼の頬を包んで、
彼の胸に顔をうずめながら、笑顔で死んでいく・・・
こんなに命懸けの思いも、勇也には届かないの?って思いましたが、
津田さんがティーチインで、
「あれは洗礼だったと思う。そのあとの勇也は、罪が洗い流されたように、
ものすごく美しかったから」と言ってみえましたが、
やはり私もそう思いたい。
きっときっと最後の最後で父の思いは、息子に届いたんだと思いたい。
だから自ら三村に殺してもらったんだと思う。
メイキングで、内藤さんが、
「小栗くんがお父さんが好きだって言ったのが、印象的な言葉だった。」
と、言ってみえましたが、ほんの少しの何かに、希望を託さないと、
哀しくてやるせなくて救われない映画になってしまうので。
この社会とか親とか子供とか、とてもいろいろと考えさせられる映画でした。