こちらの地方はほとんど台風の影響がなかったんですが、
皆さんのところは大丈夫だったでしょうか。
今日は爽やかで、風が強いです。
「偶然の音楽」読みました。
ナッシュが仲村トオルさん、ポッツィが小栗旬くんを思い描きながら、
読んだので、一気に読めたんですが、なかなか衝撃的な物語でした。
ポール・オースターという人の作品は初めて読んだんですが、
心理描写が巧みなので、自分もその気持ちに引っ張られてしまいます。
そして最初は主として詩を書いていた方だそうで、
ドキっとするような印象的な科白もたくさん出てきます。
読後の感想としては、
神経を蝕まれるような、空恐ろしくて、かつ虚しくて、哀しい。
虚構の中心にリアルな感情が見え隠れするようなお話で、
美しいシーンもあるんですが、
幸せな空間のその後ろは、まっさかさまの崖で暗闇が広がるような。
でもすべて共感出来ないわけではなくて、心の奥底で理解してしまう自分もいて、
偶然が重なって、それは必然なんだろうかとか、
それはそれで、とても面白い物語だなって思いました。
そしてポッツィはとても魅力的でしたね。
自信たっぷりで、奔放で、軽やかで、皮肉屋さんで、
でもとても傷つきやすくて、そしてどこか愛らしい。
小栗くんにぴったりだと思いました。
この本をどのように舞台にするのか、とても興味深いです。
あとがきを読んだら、映画化もされているようですが、
読んでいるうちに、いろいろと絵が浮かんできます。
それこそ音楽を聴く場面もたくさん出てくるんですが、
スピード感、緊迫感、焦燥感、虚無感、
いろいろな感情が入り乱れる感じなので、
本当に舞台がますます楽しみになりました。