風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

間違いの喜劇 感想

昨日、埼玉は春のような日でした。
「間違いの喜劇」観に行ってきました!2月11日、13時からの公演です。
素晴らしかった。すごく楽しかったです。たくさん幸せもらってきました!
小栗旬普及委員会会員?としては、埼玉に住む妹を、
今回は誘ってみたんですが、とても楽しんでくれたようで、
「小栗くんにぴったりの役だったね」と言ってくれました。
日帰りだったのですが、帰りの新幹線でずーっとニタニタ笑っていたのは、
この私です(笑)。ではここからは、相変わらず小栗くん中心(飛ばしてます)
非常にネタバレになりますので、大丈夫な方だけお願いします。















間違いの喜劇        作 W・シェイクスピア
                 演出  蜷川幸雄
                 アンティフォラス兄・弟(二役) 小栗旬
                 ドローミオ兄・弟(二役)     高橋洋
                 さいたま芸術劇場


その虹色のリボン、大切に大切にはずしたら
そこは中世の夢の世界
まるで飛び出す絵本のような
美しい若者は踊るよ 駆け巡るよ そして間違えられる 
絡み合った虹色?いいえ赤いリボンは 綺麗にほどけて結び合うよ


陽気なメロディを携えながら、出演者全員が通路から、舞台へ。
アンティフォラスは一番遅れて、駆け上がるように。
そして楽しげなダンスのはじまり、はじまり♪
物語は、双子の弟が、やはり双子の弟の召使とともに、
生き別れの兄とその兄の召使を探す旅。
間違える、間違えられる、誘惑する、誘惑される、
首飾りを渡す、渡されてない、千マルクを払う、払ってない、
私のことを知っている?知らない?ん〜、ややこしい。
そんなこんなで、最後には捕らえられていた父は解放、妻と再会、
兄も弟も、召使の兄も弟もみんな再会してハッピーエンド。
客席も巻き込むように、笑って、笑って、最後はとても幸せな気持ちが
抱えきれないほど、いっぱいになりました。


さあ、そして小栗旬くんのそれはそれは美しいこと!
輝くばかりの舞台映えするオーラで、本当に綺麗な子だなあって心奪われました!
可愛いおでこを出して、茶髪の髪はひっつめてあり、弟役のときは、
少し前髪をたらし、その顎のラインも美しく、すべらかな首筋と、
肩から斜めがけにしているマントのドレープが軽やかに揺れて、
マントの色も弟役のときがアイボリー、兄役のときが赤。
この赤が本当に綺麗な落ち着いた品のいい赤でした。
相変わらず、背が高くて顔が小さくてスラッと細身で足が長い。
そして何と言っても、立ち姿が惚れ惚れするほど美しい。
私は台詞もない、なんでもないシーンで、あまりの美しさに、
突然、感動におそわれたほど(笑)。
この中世ヨーロッパ的な衣装が、とても彼の品の良さを引き出して、
堪らなく素敵な王子様でした。しかしこの王子様、なかなかの乱暴者?
召使を殴る、小突く、怒鳴る、追いかける、駆け巡る。
ときどきほっとした笑顔、眩しい笑顔、ロマンチックな笑顔。
小栗くんの表情はくるくる変わって、とても惹きこまれました。


私は今回、敢えて戯曲は読まないで、
まず、役者さんの口から、シェイクスピアの台詞を聞きたかったので、
耳を澄ませて聞いていました。素敵な台詞、ありましたよ。
ルシアーナ役の月川さん、よく通る声で、本当に女の人としか見えなくて、
そのルシアーナがアンティフォラス兄の妻(自分の姉)のことを思い、
アンティフォラスの浮気を諭すシーン。でも諭している相手は兄ではなく、
弟なんですが、でも諭しているのに、どこか誘っているような雰囲気もあり、
二人はキスをするかのごとく、寄り添っていて、そのアンティフォラスの答えが、
「美しい人、それ以外にあなたの呼び名を知らない。僕はあなたに溺れます」
おおっ!小栗くんの口からこのような言葉が聞けるなんて。
もっと長々といろいろ語っているんですが、ずっとどたばた大騒ぎの物語だったので、
そこだけ綺麗な優しい音楽が流れて、とてもロマンチックなシーンでした。


ロマンチックといえば、先ほどのは誘惑するシーンなんですが、
誘惑されるシーンとして、私は顔を触られる行為(何度か出てきました)が、
結構好きで、どこか色っぽいですよね。
まず、弟なのに兄と間違えられて、兄の妻、エイドリアーナから言い寄られ、
もうこうなったらされるがままに、覚悟を決めるシーン。
アンティフォラスのその頬を髪を、エイドリアーナの指先が、
キスを誘うように触れていきます。
さあ、貴方、目を閉じて、とでもいうような、雄弁な指先。
そしてアンティフォラスの頬へキス、アンティフォラスもエイドリアーナの頬へキスと、
延々と続く抱擁とキス。小栗くんだからか、ストーリー的にも、ためらいがちだからか、
こういうシーンでも、清潔感があって、可愛らしくてとても素敵でした。
実はこのエイドリアーナの演技で、何度笑ったことか。
ハンカチも上手く使って、とても美しいのに、突然男っぽくなったり、
今回、全て男優というのは、大成功だと思います。
そして家族再会のシーン。もうひとりのアンティフォラス登場、
実は小栗了さんでした。このとき小栗くんは兄役なので、
実際とは逆になりますが、弟(小栗了さん)が兄(小栗旬くん)のやはり顔を触って、
見つめあい、抱き合います。
この抱きしめ方もいつものように、可愛くて、愛しくて、
父親と抱き合うシーンも、顔のうずめ方が本当に可愛くて、胸がいっぱいになりました。


印象的なシーンとしては、アンティフォラス(弟)が見知らぬ街に来てるのに、
会う人会う人が自分を知っていることに怯えるシーン。
小栗くんは壁にもたれてもの憂げに語っていたんですが、
たまたまそのシーンのことが、パンフレットに載っていて、
そうか、悩んで悩んで作りあげたシーンだったんだなあって思いました。
とても心に響いてきたシーンだったので。
小栗くんは姿形、名前も同じ、兄と弟を、記者会見で、
「でもそれぞれ別の時間が流れている。その違いを表現出来たら」と、
いうようなことを、言っていたように思うんですが、
マントの色では区別してあったんですが、それがなくても、
だんだん観ていくうちに、兄は人望の厚い自信がある感じが、
弟は知らない土地に来て、少し怯えているような感じがなんとなく滲み出ていて、
素晴らしいなあって思いました。


そしてそして最後のダンスシーン。
まず銀色の小さな笛のようなものをくわえて出てきたなあって思っていたんですが、
(今回、かなり前の席で、きらっと光る汗もピアスも指輪も、
綺麗な小栗くんもよく見えて、単純に嬉しかったです(笑)
アンティフォラスとエイドリアーナがキスすると、
そこから細い赤いリボンが出てきて(運命の赤い糸?)
この赤色はマントの赤色と同じ綺麗な品のいい赤色ですね。
その赤いリボンをふたりが引っ張り合いながら、
ゆっくりゆっくり、優雅なダンスが始まります。
それはねじを巻いたオルゴールの人形たちが、だんだん止まってしまうかのように、
彼の長い綺麗な指が、ひらひらと舞い、くわえたリボンを引っ張り合うために、
顔が仰け反り、美しい顎の線に目は向けられてしまいがちですが、その一方で、
もどかしいように、離れまいとするように、
アンティフォラスとエイドリアーナの指先が絡みあいます。
それはそれは優雅な幸せなダンスで、
最後にとどめの幸せをいただきました〜。あと二組、踊っていたんですが、
小栗くんのペアしか見てなくて、いいえ見えてなくて?
彼の幸せそうな笑顔をみてると、
本当に幸せな作品だったなあって感動してしまいました。
鏡のような荘厳な舞台装置も色合いも美しく、即興音楽も楽しく、
高橋さんも素晴らしかった!他のあらゆる皆さんが力を合わせている感じでした。
オルガン、リコーダー、歌のプレコンサートも素敵でした。
リズミカルなスピード感溢れる、おもちゃ箱をひっくり返したような幸せな喜劇。
蜷川さん、シェイクスピア、ありがとう!っていう感じです(笑)。