風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

あなたさえいればそこが天国だ。

よく晴れていて、日差しが眩しいです。
今日がロイヤル・シェイクスピア・シアターでは「タイタス・アンドロニカス」楽日ですね。
日本時間では、明日の明け方頃ですね。
イギリスでの生活も慣れたでしょうか。
イギリスの食事は美味しいでしょうか。お酒は?(笑)。
評判も良さそうで、よかったですね。
どうぞ楽日まで無事、やり遂げて、今日もたくさんの拍手に囲まれますように。
それでは、しつこく「間違いの喜劇」小出しシリーズ、第5弾。
検証、ルシアーナへの愛の告白シーン(笑)。
このシーンの台詞がとても好きです。シェイクスピアありがとう!(笑)。
まずゆっくり歩きながら、二人が舞台へ向かいますが、
そのとき、ルシアーナが後をついてきているか、
そっと確かめるように、優しく振り返るアンティフォラスに、心動かされます。
そしてあの月川さんの歌うようなアルトの声。
ルシアーナは、決して浮気をしないでとは言っていない。
「優しく見つめ、きれいな口をきき、その裏で裏切るの。
悪徳に美徳の先ぶれの衣を着せるのよ。」
「甘い言葉で嬉しがらせ、いさかいがおさまるなら、
かりそめの言葉をもてあそぶのも神聖なこと。」
可憐でありながら、大人の女性です。
それに対して、あまりにも真っ直ぐなアンティフォラスの瞳。
その真っ直ぐさに、心をそらすことが出来ません。
本当に小栗くんの目には力がありますよね。
二人だけのわずかな時さえ惜しむように、心急がせて、
その長い指先は頬に、唇はその唇に、甘い言葉が紡ぎだされます。
「ああ、美しい人魚、あなたの歌声で僕を引き寄せ、
お姉さんの涙の海で溺れさせないで下さい。
ご自身のために歌って下されば、僕はあなたに溺れます。
銀の波間にその金髪を広げて下されば、
その輝かしい空想の中で、
至福の果てに死んでも本望です。
浮いた恋なら沈むがいい、溺れるがいい。」
個人的に「下されば」という言葉が好きで(笑)、
訳にもよると思うんですが、特に若い男の子が言うことによって、
シェイクスピアの匂いを感じるんですよね。
そして銀の波間に〜のところで正面を向くんですが、
そのどこまでも恋する瞳にまた胸を打たれます。
そしてキスしようとする横顔の甘く美しいこと・・・。
「かわいい人、いっそ目を閉じます。
夜を見つめるくらいなら。」
その目を閉じた横顔も色っぽくて、ドキッとしました。
ひざまずいてプロポーズのおまけもついて(笑)、
とてもとてもロマンチックなシーンでした。
「僕の地上の唯一の天国、あなたさえいればそこが天国だ。」