うす曇りです。
昨日、「間違いの喜劇」を観て、またまたルシアーナへの愛の告白のところで、
うっとりして、家族再会の場面で、感動してしまいました(笑)。
ドタバタと可愛らしい、でもあったかい物語ですよね。
「なぜ私をかわいい人と?姉をそう呼んであげて。」
「お姉さんの妹を。」
「妹の姉を。」
「いや、あなたその人を、あなたは僕の無二の命、
僕の目の澄んだ瞳、僕の胸の大切な心、
僕の糧、僕の運命、僕の希望の的、
僕の地上の唯一の天国、あなたさえいればそこが天国だ。」
こんな歯の浮くような台詞も、どうして小栗くんの唇から紡ぎだされると、
こんなに真実に聞こえるんだろうって、思いました。
そのシェイクスピアの世界の中、
あの潤んだ瞳と、握りしめる手と、揺れるマントと、
やはりその思い自体が真実で、心に響いてくるからなんですよね。
小栗くんを好きでいると、いろんな人を好きでいるような感覚になります。
甘く、一途に、アンティフォラスは愛を語り、
麦わら帽子をかぶって、ハマちゃんは葡萄狩りのアルバイトをし、
新一くんは船の上で、蘭ちゃんを守って、事件を解決し、
リョウヘイくんは、今日も街頭で、ジャグリングをしています。
その人、その人はでも確実にその世界を生きていて、
ずっと前からそこにいたかのように、その雰囲気を漂わせます。
戯曲はただの活字の羅列なのに、
そこに息は吹き込まれ、鮮やかに体現されて、目の前に現れる。
素晴らしいなあって思います。
この間、「ウォーターズ」のDVDの特典映像にあった、
エアロン仕様の小栗くんの目が、とても印象的で、
これからエアロンになろうとしているような、
自分なりのエアロンを掴まえようとしているような、
エアロンへの迷路へ自ら入っていくような、
なんでしょう、凄く純粋な綺麗な目で・・・。
舞台挨拶は、笑いが耐えない楽しいものでしたが、
ふと映った目を見て、あんまり綺麗で、
なんだか羨ましいなあって思ってしまいました。
こんなに好きなことに打ち込めるって、素敵ですよね。