風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

お気に召すまま 感想

曇り空です。
BBSにて、みにーさん、cannaさんが「お気に召すまま」の感想を、
書いてくださいました(ありがとうございます)。読んでみてくださいね。
そして私も同じ、7月7日マチネを観に行って参りました!
七夕の日にオーランドーに逢ってきましたよ。
3年ぶりの「お気に召すまま」とってもとっても素敵でした〜。
みにーさんも仰ってますが、心配されたマナーもとてもよかったです。
思う存分、タイムスリップしてきました(笑)。
シェイクスピアって素敵って何度も思って、
オーランドーも素敵って何度も何度も思いました。
初演のときは、次男と行ったので、再演は長男と行きました。
以下、長男のひと言集(笑)。小栗オーランドーについて。
「よく出来た顔だ。」
「ムカつくくらい、カッコいい。」
「通路を上ってくるとき、ドキドキする(何で俺が・笑)。」
長男の名誉のために言っておきますが、「お気に召すまま」自体についても、
観劇の後、食事をしながら語り合っていますので(笑)、
すごく楽しい劇だったと言っていましたよ。
長男のお気に入りは、ジェイクイズでした。
では、ここからは「お気に召すまま」の感想を書きたいと思います。
作品自体は、やはりロザリンドが主役だなって思いました。
オーランドーは、彼女を輝かせる役というか、
他の役もかなりしっかり描かれていますので、
作品としては、アーデンの森に集う人々の印象なんですが、
でもここは「風色の椅子」。小栗オーランドーについて飛ばして、
書きたいと思います(笑)。
非常にネタバレになりますので読みたい方だけお願いします。












お気に召すまま       作 W ・ シェイクスピア 
                 演出  蜷川幸雄
                 ロザリンド  成宮寛貴
                 オーランドー 小栗旬


深く深く美しいアーデンの森、木漏れ日優しく、葉陰は揺れる。
さざめく風の中、美しい若者は、恋の指南を受け、
羊飼いは、切ない思いを訴える。
可愛い姫君は、男装し、やきもきし、愛らしく、
たくさんの恋人たちの、すれ違う思いは、
もうすぐ溢れる幸せに包まれる。
ああ、このお芝居がどうかお気に召しますよう・・・。


初演と同じように、ロックの曲に乗せて、
出演者全員が舞台へ駆け上がってきます。
そしてお辞儀。拍手、拍手、拍手。
オーランドーのひと言で、お芝居が始まります。
小栗くんはもう声は安心して聞いていられますね。
舞台用の声が出るようになって、余計にいい声だなあって思います。
今回、オーランドーは本当に真っ直ぐな純粋な誠実な役で、
それにとても小栗くんの声があっていて、
いい声だなあってつくづく思いました。
それからすごく思いが伝わってくる。
これは成宮くんもですが、ロサリンドがオーランドーへ自分の思いとともに、
ネックレスを渡すとき、時が止まったように、
二人の気持ちが伝わってきて、感動しました。
二人が恋に落ちた瞬間が手に取るように分かりました。
そして兄から妬まれ、命を狙われているオーランドーへ、
老僕アダムが、自分が貯めたなけなしのお金を捧げて、
一緒に逃げましょうというシーン。
感謝の気持ちを言いながらも、オーランドーは自分のことを、
「だがな、かわいそうな爺や。お前は朽ち果てた木の、
手入れをしているんだよ。この木にはもう花も咲かない。
いくら手入れをして、丹精をこめたって駄目なんだ。」
この台詞が可哀想で、そのアダムの顔を包むオーランドーの手の優しいこと。
前半部分は、オーランドーが兄に虐げられながらも、その気高さ、
誠実さ、優しさを表すシーンがよく出てきて、心動かされました。
その老僕のために、森へ食料を奪いに行くシーンも、
結局、元公爵に、かえって優しく食料を譲られて。
「みなさんがかつて幸せな日々を送ったことがおありなら、
鐘の音が教会へと誘うあたりに住んだことがおありなら、
立派な主人役のいる宴席に招かれたことがおありなら、
まぶたの涙をぬぐったことがおありなら」というオーランドーの台詞があるんですが、
個人的にこういう畳み掛けるような、リズムがある台詞、しかも切ない台詞が、
好きなので、小栗くんの口から聞けて、
しかもちゃんと心に落ちる言い方で、胸がいっぱいになりました。
蜷川さんが、パンフレットの中で、
成宮くんも小栗くんも演技が深くなったって仰ってましたが、
シェイクスピアの台詞が、素直にストンと心に落ちてくる感じが、心地良かったです。
後半部分になると、可愛い可愛いロザリンドとオーランドーの、
恋の指南教室になります(笑)。
ロザリンドは男になったり、女になったり大忙し。
くるくる変わる表情と、その姿はいじらしいやら、可愛いやら。
オーランドーはその振り回される感じが、おとぼけだったり、
ついつい育ちの良さが出ちゃって、おっとりしてたり、
劇場から笑いもたくさん出ていて、絶妙な掛け合いの二人。
とってもとっても可愛いふたりでした。
恋をするとおバカになっちゃうのよっていう感じがよく出ていました(笑)。
でもその恋する気持ちを、切なく訴えるところもあって、心惹かれました。
そして二人に限らず、
いろんな役の人に、それぞれ重要な台詞を言わせているんですね。
その台詞の数々が素敵で、心に響いてきて、
かつちょっと遊び心があって、粋で、
この時間を楽しみましょうという感じがすごく伝わってきて、
あっという間の3時間でした。
オーランドーは抱きしめる、抱きしめられるシーンがよく出てくるんですが、
小栗くんのそういうシーンはいつも愛があって、可愛いなあって観てました。
オーランドーとロザリンドのキスシーンも、
そっと甘く可愛らしく、今回は、ロザリンドがオーランドーの唇についた口紅を、
その指で優しく拭っていました。
すべての人々が、ひとり残らず、幸せになれるエンディング。
それぞれのカップルが正装して踊る、ダンスシーンも素敵でした。
小栗オーランドーはそれはそれは素敵で、
モーニングのような、長い丈の上着が、長身にものすごくよく似合っていて、
ダンスは、とても可愛いらしい振り付けで、そのたびにひらひらと裾が揺れて、
二人がすごく幸せそうで、二人のダンスしか観ていませんでした(笑)。
それから忘れちゃならない羊のメイちゃん。
名演技ですよ。あんなになつっこい羊、初めて見ました(笑)。
降りてくる神様は、初演のときとは違っていました。
そしてそして最後に、久しぶりに生で見た小栗オーランドーについて。
本当にものすごく綺麗な子でした〜。
やっぱり綺麗だなあって、美しい子だなあって何度思ったか、分かりません。
その高い背と、顔は小さくて、あり余るほど足が長くて、スレンダーで。
照明があたると、透きとおるような陶器のような肌。
立ち姿が美しく、彫像のようなバランス、その瞳の強さも心うち抜かれました。
正装姿なんて、もう素敵で倒れそうでした(笑)。
あの木の上に佇む姿は、まるで一枚の絵のようで、
アーデンの森に溶け込んでいました。
舞台から降りて、通路を駆け上がるとき、その瞳に吸い込まれそうで、
本当にドキドキしました〜(笑)。
輝くばかりのオーラで、生の方が何十倍も格好いいよねと、長男とも話し合いました。
シェイクスピアが似合う彼の美しさは、
品のいいオーソドックスな美しさだなあって、今回認識しました。
カーテンコールの小栗くんは、いつものあの貴公子のようなお辞儀。
まだ満開の笑顔ではなくて、
これから長丁場、頑張らなくてはという感じにも取れました。
カーテンコールの曲、リベラの「ロスク・イステ(サンクトゥス)」は、
カノンをベースにした、ハムレットのカーテンコールでも流れていた曲で、
カーテンコールで聴きたかった曲だったので、とても嬉しかったです。
本当に楽しく、素晴らしく幸せになれる喜劇でした。
オーランドー「じゃあ僕を愛して、ロザリンド。」
ロザリンド 「はい、承知しました。日月火水木金土と毎日。」
オーランドー「僕を夫にしてくれるの?」
ロザリンド 「もちろん、あなたなら二十人でも。」
オーランドー「え、いま何て?」