風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

蛇にピアス 感想

曇り空でした。
pantonさんから教えていただきました(ありがとうございます)。
小栗くんのHPリニューアルされました。
http://www.ogurishun.net/
もう類ではないのですね。この写真は「JUNON」からかな?
前もそうでしたよね。落ち着いた雰囲気で、素敵です。
その小栗くんの公式HPにも掲載されました。
リポビタンファイン、10月1日から新CM放映。
HPでメイキングムービーもUPされるようです。
http://lipo-club.com/
また安藤森くんに会えますね。
さて今日は少し遠出をして「蛇にピアス」を観てきました。
すみません。「オールナイトニッポン」のレポートは明日以降になると思います。
小栗くんの出番はほんの少しでした(さくらんよりは少し多いくらい・笑)。
では、その感想を書こうと思います。
ネタバレを含みますので、読みたい方だけお願いします。












蛇にピアス         蜷川幸雄監督作品


私は原作を読んでいないのですが、
なんというか虚しいというか、からっぽ感があるというか、寂しくて悲しい映画でした。
肉体的にも精神的にも、痛いシーンがたくさんあります。
最初から突然、主人公の彼女(ルイ)は、
スプリットタンへ向かっていきます。そして刺青へも。
どうしてそこへ向かっていくのかは、全然説明されていません。
たとえば親から暴力を受けたとか、不遇な少女時代とか、
そういう匂いさえなくて、でもどんどん暗い方へ暗い方へ、彼女は向かうのです。
それがじめじめしていないんですよね。どこかあっけらかんとしていて、
現実感がないようにも思える。
彼女の言葉を借りれば、「痛みだけが生きている実感をくれる」
ルイはそのスプリットタンを薦めたアマと同棲生活を始めるのですが、
刺青の彫師でサディストのシバとも、関係を続ける。
性描写もかなりありますが、それはどこか乾いていて、生々しくなく、
ルイの透明感のせい?それとも蜷川さんの演出のせいかもしれません。
吉高さん、綺麗でした。シバ役のARATAさん、迫力あります。
ルイはアマのことを愛しいと、とても思っていて、犯した罪を隠そうとするような、
様子もみられるのですが、でもそのアマは無残に殺されて、
殺したその人は、アマが慕っていたシバかもしれないという事実。
でもそれは彼女にとって、大丈夫なことで、
「結婚しよう」と言ったシバの言葉はどこか違和感があって、
背中の刺青の龍と麒麟に、飛んでいかないようにと、目は入れないようにしたのに、
全てが終わったあと、目を入れて、飛びたたせようとする夢のような話。
現実感がないことを求めているようで、
実は迷走していて、どこへ向かったらいいか分からない。
映画は無音から始まり、何度も映るくねった線路をゆっくり走る電車の映像は、
だんだん蛇のようにも思えてきて、気持ち悪い都会の雑踏とか、
どこかへすがりたいという凄く強い気持ちがあるわけでもなく、
そこに澱んでいることが、居心地の良さでもあり、悪さでもある。
最後はルイが道路にしゃがみ込んで、「Chara」の歌で終わるのですが、
この「Chara」の歌がとても心に響いてきました。
そしてその最後の映像を見て、私は直感的にルイに子供が出来たのではないかと、
思ってしまいました。
やはり一般的な考えが支配する私としては(笑)、
ルイをそこから救いあげたいような気持ちになってしまったのです。
藤原くんと、小栗くんは仲良しなチンピラで登場。サングラスはかけたまま。
そのルイ、アマ、シバに絡んだりするのですが、
ちゃらちゃらした感じが楽しそうでした(笑)。
でも殴られている藤原くんを放っておいて、一目散で逃げてしまいます。
その走り方が小栗くんの走り方だなあって思いました(笑)。
昔々、蜷川さんが、「小栗、俺が監督する映画に出ないか?」という話があって、
そのとき小栗くんは、蜷川さん演出の舞台公演中だったという笑い話のような話が、
あったのですが、もし万が一その映画が「蛇にピアス」だとしたら、
小栗くんはアマの役かなあって思いました。
アマはまだ18歳で、スプリットタンで、ピアスだらけで刺青をしていて、
ルイとはもちろん、シバともそういう関係になる映像もあったのですが、
でも単純で、憎めなくて、愛しい感じでした。
小栗くんが演じたら、また別の感じで、可愛くて、愛しい感じになったかなあとか、
でも絶対やりませんよね(笑)。
エンドロールには、さいたまゴールドシアターの方々の名前も出てきて、
蛇にピアス」、なんだかそこに愛はあるのに、霧散しているような、
掴んでも掴んでも掴めないような感覚の映画でした。