風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

そんな優しい言葉を?どうかお許しください

新緑が眩しいです。
まず最初に「スマイル」の感想は明日書きます(すみません・笑)。
「スマイル」はいろいろと厳しそうで、むしろ小栗くんの悪役は楽しみなのですが、
ストーリーが完全に苦手分野で(苦手分野が多いのですが・笑)、
ということで、その前に一息。
初夏の雰囲気さえ漂う今日この頃、
ふと夏の恋人、オーランドーを思い出しました。
今、真っ只中の小次郎も源治も素敵なのですが、
私は「ムサシ」を観た後、やっぱりまた小栗くんから語られる、
シェイクスピアを観たいなあと、とても思いました。
あの詩的で美しい台詞が好きなんですよね。また言葉の洪水に溺れたい。
そしてクラシカルなシェイクスピアに、なんてよく似合う青年だったことでしょう。
あの美しい容姿で、美しい声で、その純粋な思いとともに、
美しい台詞を紡ぎだされたとしたら、鬼に金棒だと思います(笑)。
では、「お気に召すまま」の台詞より。


オーランドー「だがな、かわいそうな爺や、お前は朽ち果てた木の
        手入れをしてるんだよ、この木にはもう花も咲かない、
        いくら苦労して丹精込めたって駄目なんだ。
        まあいい、好きなようにしろ。一緒に出て行こう、
        お前が若いころ貯めた金を使い果たさないうちに
        どこか、ささやかでも満足できるところに落ち着こう。」


オーランドー「そんな優しい言葉を?どうかお許しください、
        ここでは何もかも野蛮だと思いこんでいたので、
        つい居丈高な態度をとってしまいました。
        みなさんがどういう方かは存じませんが、
        人も寄り付かないこんな場所で
        鬱蒼と枝をたらす木々の陰で
        ゆるやかな時の歩みをやり過ごしておられる。
        みなさんがかつて幸せな日々を送ったことがおありなら、
        鐘の音が教会へと誘うあたりに住んだことがおありなら、
        立派な主人役のいる宴席に招かれたことがおありなら、
        まぶたの涙をぬぐったことがおありなら、そして
        人を憐れみ、人に憐れまれるのがどういうことかをご存じなら、
        私も無理強いはやめ、穏やかな手段が功を奏することを
        願って顔を赤らめ、剣を鞘におさめます。」


オーランドー「ありがとうございます、そのご親切に神の祝福を!」


前公爵   「君があのサー・ローランドの息子なのか、
        いま君が打ち明けた言葉は誠実そのものだし、
        私の目にはっきり映っている顔も、
        目鼻立ちから色艶まであの男に生き写しだ、
        よく来てくれた、嬉しいぞ。私は公爵だ、
        君の父親に目をかけていた。身の上話の続きは
        私の洞窟で聞かせてくれ。ーご老人、
        お前も主人ともども歓迎しよう。
        腕を取って支えてやれ。さあ、君の手を、
        君の身に起こったことを残らず話してもらおう。」


オーランドー「ここに懸かってろ、俺の歌、俺の恋の証人だ。
        三つの冠を戴く夜の女王よ、見ていてくれ、
        その清らかな目で、蒼ざめた天の高みから、
        あなたに仕える美しい狩人、俺の運命を支配する人の名を。
        ああ、ロザリンド、この木々が俺の手帳だ、
        その幹に思いの丈を彫りつけておこう、
        そうすれば、この森に住むすべての者の目が、
        いたるところであの人の美徳の証を見ることになる。
        走れ、走れ、オーランドー、木という木に刻みつけるのだ、
        たとえようもなく美しく清らかなあの人の名を。」


ロザリンド 「さあ、あたしを口説いて、口説いて、今のあたしはお祭り気分、
        すぐにいいわと答えるわ。さあ、あたしにどんなことが言いたいの、
        あたしがあなたのほんとのほんとのロザリンドだとしたら?」
オーランドー「何か言う前にキスしたい。」
ロザリンド 「だめ、まず何か言わなきゃ、何も言うことがなくなったら、
        それをチャンスにキスしてよろしい。
        雄弁の大家は言葉につまると唾を吐く、
        恋する男も話の種が尽きたらーそんなことになったら困るけどー
        キスをするのが一番きれいな切り抜け方よ。」
オーランドー「キスを拒まれたら?」
ロザリンド 「そうやってあなたに嘆願させる気なの、
        そこにまた新しい恋の種が生まれる。」
オーランドー「大好きな人の前で言葉につまる男なんているのかな?」
ロザリンド 「あたしがあなたの恋人なら、つまってほしい。
        さもないと淑やかなだけで頭が悪いと思えてくる。」
オーランドー「え、口説き文句につまったほうがいいの?」
ロザリンド 「文句はいや、でも口説かれるだけじゃつまらない。
        あたし、あなたのロザリンドじゃなかったかしら?」
オーランドー「そう呼べるだけでちょっとは嬉しいな、
        あの人のことを話していられるから。」


シルヴィアス「恋とはきまぐれな空想でできてるもんだ、
        激しい情熱と切ない願望でできてる、
        あこがれと敬意と心遣いでできてる、
        謙遜と忍耐とあせりでできてる、
        純潔と試練と従順でできてる、
        いまのおいらがそうだ、フィービーが恋しくて。」
フィービー 「あたしはギャニミードが恋しくて。」
オーランドー「僕はロザリンドが恋しくて。」
ロザリンド  「僕は女じゃない人が恋しくて。」
フィービー  「恋がそういうものなら、どうしてあなたに恋しちゃいけないの?」
シルヴィアス「恋がそういうものなら、どうして君に恋しちゃいけないんだ?」
オーランドー「恋がそういうものなら、どうしてあなたに恋しちゃいけないんだ?」
ロザリンド  「誰に言ってるんですか、
        どうしてあなたに恋しちゃいけないんだって?」
オーランドー「ここには居ない人、聞いてもいない人に。」


ロザリンド(公爵に)「この身をささげます、私はお父様の娘ですから。
(オーランドーに)「この身をささげます、私はあなたの妻ですから。」
前公爵    「この目が真実を映すものなら、お前は我が娘。」
オーランドー「この目が真実を映すものなら、あなたは僕のロザリンド」