風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

芸術に身を置く喜び

爽やかに晴れました。
17日に「のだめカンタービレ」を観に行ってきました。
そのときに、「踊る3」のポストカード付き前売り券を手に入れました。
私はキャリアセットにしたのですが、なかなか素敵でしたよ。
花より男子F」の前売り券を買うよりは、恥ずかしくなかったです(笑)。
これで青島セットとか、室井セット、鳥飼セットだったりすると、
「鳥飼セットでお願いします」と言うのが恥ずかしいのですが、
今回は「キャリアセット」で、ぱっと見、青島さんなので、よかったです(笑)。
そしてものすごく期待した「踊る3」の予告編は見られませんでした〜。
もし「のだめ」の前に、鳥飼くんを見ちゃうと、
「のだめ」に集中できないかも、なんて思っていましたが、心配無用でした(笑)。
その「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」、私はとてもよかったです。
なんだか途中からずっと泣いてしまって、やはり音楽にやられてしまいます(笑)。
のだめカンタービレ」はどうしても、その才能との付き合い方、
それは本人もですが、そのまわりの人も、
その才能が、本人ひとりだけのものではない領域にきた場合、
余計に、どう向き合うかということをいつも考えさせられて、
それが小栗くんとも重なる部分があって、のだめちゃんに感情移入したり、
千秋に感情移入したり、あるときは一観客としての思いが広がったり、
いろんな思いで観ていました。
では「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」の感想を書きたいと思いますので、
読みたい方だけお願いします。
途中から小栗くんへの思いも書いてしまいました(笑)。





のだめカンタービレ 最終楽章 後編


最初に、感想を書くために、台詞を少し書き出していますが、
映画の台詞をしっかりとは覚えていないので、
パンフレットもしくは漫画から書き出してみました。
さて私は原作も全部読んでいるのですが、何故、ラストが、のだめの望んだ、
二人のコンチェルトではないのかという疑問が、私なりにありまして、
それは映画を観てわかりました。その二人のコンチェルトを華々しく描いてしまって、
漫画が終わると、あたかもそこが二人の完成形、ゴールのようになってしまう、
そうじゃない、二人はもっともっと素晴らしい音楽家になって、
成長していくんだよということが言いたかったのかなと思いました。
映画ではでもほんの少し、二人のコンチェルトが始まります、というシーンが、
入っていましたね。パンフレットの最後のページにも、
千秋がエスコートするように、そのドアを開けていて、真っ赤なドレスののだめが、
舞台へ行こうとする寸前の写真があります。余韻が残るシーンだと思います。
映画は前編ほど、コミカルなシーンはなく、
でも清良のヴァイオリンコンクールのシーン等、圧巻で、
私は水川さん、すごくヴァイオリニストに似合っていると思うんですよね。
とても美しいヴァイオリニストでした。懐かしいメンバーもちょこちょこ顔を出して、
でもほとんどのだめと千秋中心に、丁寧に描かれています。
そして私が、最初に涙を流したのは、傷心したのだめが、ミルヒーの前で、
その嘆きを手に入れて「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第31番」を弾くシーン。
のだめの苦しさが手に取るように伝わってきて、
それからの、のだめのデビュー公演、「ショパン ピアノ協奏曲 第1番」は、
もうボロボロでした。
でも一方で、今ののだめだからこういう演奏が出来るんだ。
その奇跡というべきシンクロさ、ショパンが20歳の頃の作品といわれる、
まさに絵に描いたような青春の決別。
そしてその演奏を見ながらの、千秋の言葉が胸を打ちました。
今までは自分をこの舞台へ連れてきてくれるための、のだめは天使だと、
思っていたが、実は逆で、
「本当はあいつをこの舞台に連れてくるために、
 神様がオレを日本に押し止めていたんじゃないか」
本当に素晴らしい演奏でした。
ラン・ランさんの演奏はのだめの思いをわかって弾いていらっしゃるようでした。
そして上野さんも素晴らしい。
前編では玉木さんの指揮、素晴らしいって思いましたが、
やはり「のだめカンタービレ」実写化にあたって、何が一番重要かというと、
いかに演奏シーンをリアルに説得力を持って撮れるかということだと思うのです。
それはもう凄いと思います。ホールも当然伝統あるプラハのホールで、
凄い迫力で伝わってきました。
しかしその後、いわゆる満足してしまって、終わらせたがっているのだめが、
子供達に聴かせる、「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番 悲愴」、泣けました。
そのときの千秋の思いに共感しました。
「それでもオレはやっぱり何度でもあいつをあの舞台に連れて行きたいと思うんだ。
 このピアノを聴くたびに」
才能はその才能が大きければ大きいほど、
才能と向き合うこと、付き合うことの難しさがあるんだなあって、
でもこちら側としては、やはりミルヒーがのだめとの競演の後、
「生きててよかった・・・」という言葉のように、そういう時に巡り会いたいのです。
奇跡を見てみたい。
最後は二人で初めて演奏した曲、「モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ」で、
またのだめを引き戻してくれた千秋。
よく才能があるもの同士は上手くいかないといいますが、
のだめ、千秋は、二人がうまい具合に、背中を押し合うような関係で、
素敵だなあと思いました。
のだめと千秋の未来に乾杯という感じ(笑)。
二人ともこれからも切磋琢磨してきっと素晴らしい音楽家になるのだなあと、
思いました。そしてクラッシックの凄さを良さをまた感じましたし、
芸術に身を置く二人を羨ましいなあと思いました。


さてここからは小栗くんに関して(笑)。
のだめカンタービレ」最初は、千秋役を小栗くん、なんて思っていましたが、
漫画を読むと、のだめに今の小栗くんを重ねてしまいます。
のだめの「ショパン ピアノ協奏曲 第1番」は、
小栗くんにとって「カリギュラ」だったかなと。
その後、2008年、疲れてしまった、頑張る気がなくなったというのも似ていますし、
オールナイトニッポン」での話に出てきた、山本社長から、
「自分に飽きるのが早すぎるよ、旬」と言われたこととか、
この頃になってやっと前向きになれたでしょうか。
私としても、演劇の新人賞にあたる「杉村春子賞」の最終選考3人に残った、
カリギュラ」ですし、後にも先にも、お芝居を観て、
降り注ぐように圧倒的な打ちのめされるような感動を抱いたのは初めてでした。
それこそこの「ショパン ピアノ協奏曲 第1番」のように、涙が止まらず、
小栗くんの24歳、あのすべてが「カリギュラ」へ向かっていったとき、
カリギュラ」に必要なものを、本人の意思にかかわらず、
すべて手に入れるように、神様から仕組まれていたような、
そういう奇跡的なお芝居に巡り会えたこと、
それこそ、この「カリギュラ」に巡り会うために、
私は小栗くんのファンになったんだと思いました。
私個人の考えは、あのお芝居を超えるのは「ハムレット」かなと思っています。
その前にちょっと超えるという意味で、
「ロミオ」をやっていただいてもいいのですが(笑)、
「ムサシ」は少し違う角度のお芝居だったので、
是非あの「カリギュラ」を超えるお芝居を、見せてほしいなあと思います。
そういえば、「ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第8番 悲愴」は、
情熱大陸」のDVD、白石コレクションで、
佐野の綺麗な射抜くような瞳のシーンから、流れる曲で、
そのせいもあったのか、余計に涙が流れました。
「いくら苦しくても、気が遠くなるほどの、孤独な戦いが待っていようとも、
 こんな喜びがあるから、何度でも立ち向かおうと思えるんだ。」
この「のだめカンタービレ」の言葉にあるように、
芸術に身を置く喜びを感じながら、自分の才能を信じて、
進んでいってほしいなあと思います。
私は一観客として見守っていくことしかできないのですが、
でもまた奇跡が見たいと思います。見せてほしいと思います。
すっかり小栗くんへの思いになってしまいました(笑)。