風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

ロミオとジュリエット

秋晴れの一日になりました。
文化勲章が蜷川さんに授与されることが決まりました。
【 文化勲章:蜷川幸雄氏ら7人 ノーベル賞2氏も 】
【 文化勲章・文化功労者:受章者喜びの声 】
おめでとうございます!本当に喜ばしいことですね。
受章の言葉も蜷川さんらしくて、的確で、皆さんへの感謝と、
ユーモアもあり、素敵です。お身体にお気をつけて、
これからもますます素晴らしい舞台演出を見せていただきたいです。
そして小栗くんをまた呼んでくださいますよう、願っています。
本当におめでとうございました。
その蜷川さんが演出されている「じゃじゃ馬馴らし」、
先日、観劇された方が、さい芸の廊下に貼られていた、
「間違いの喜劇」の写真を送ってきてくださいました(ありがとうございます)。
オープニングの写真です。
あの鏡張りの舞台に、「間違いの喜劇」一座が、
さあさ、はじまり、はじまり〜と、満面の笑顔で迎えてくれる、
本当に、あのときの音楽と歓声が聞こえてきそうな、
華やかで楽しげな写真でした。
小栗アンティフォラスも、それはそれは可愛く美しく華やかで、
改めて心を持っていかれました(何度も持っていかれてますが・笑)。
またいつか、シェイクスピアを演じてほしいですよね。
蜷川さん、お願いします(笑)。
さて昨日、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ていたのですが、
世界的なバレリーナ吉田都さんの回でした。
本当に、求道者のように、全身全霊で、バレエに向かっていく、
コンプレックスをバネにして、120%の準備をして、
満身創痍の身体に、ぎりぎりの努力を積み重ね、
もう、ぐーっと引きつけられて見てしまいました。
今回、英国ロイヤルバレエ団を退くということで、
最後の舞台に密着されていたのですが、そのことに対して、
「穏やかな気持ち」が出てきてしまったというようなことを、
話されていて、印象深かったです。
やはりずーっと闘ってこられたのだなあと思いました。
ちょっと違うかもしれませんが、以前、柔道のある選手が、
日本代表から退くにあたって、「勝負師が仏の心を持ったら終わりだ」と、
言われていたのを思い出しました。
どの世界も、頂点に立つ方は、厳しい世界を生き抜いているのだなあと思います。
「プロフェッショナル」については、
「情熱と誇り。それを持って一つの事をこつこつと続けられるという。
自分のやるべきことをしっかりできるという人ですかね」と答えていらっしゃいます。
NHK【 プロフェッショナル 仕事の流儀 HP 】で、詳しく見られます。
そこに、「放送されなかった流儀」として、
長年、吉田さんが、周囲から認められ愛されてきたのは、
技術や表現力と共に人柄もあると、書かれています。
厳しい現場でも常にユーモアを持って周囲に接する、
その人柄が表現の深みとなって現れるそうです。
ちょっと小栗くんを思い出しますよね。
それで、最後に、最終公演となった「ロミオとジュリエット」が、
映ったのですが、少し映っただけでも、とてもとても惹きこまれました。
やはりこれだけ長い間、トップにいて、そのための、
命を削るような努力も、この舞台のためなのだなあと思いました。
舞台って、私たちも凄くパワーをもらえるのですが、
演じている、踊っている、舞台に立つ方々にも、
客席から、その劇場の空気全体から、凄いパワーが、
もらえているんじゃないかなと思います。
丁寧に繊細に美しく、ときに大胆に力強く、そこにいるすべての人たちによって、
異空間は作られているんですよね。
そしてなんといっても、「ロミオとジュリエット」です。
吉田さんは、44歳で、可憐な情緒あふれる美しいジュリエットを、
演じていらっしゃいました。
演劇とバレエは違うかもしれませんが、でも、
ロミオとジュリエット」、やはり名作だと思います。
甘い愛の物語とか、王子様的役とか、そういう次元の問題ではなく、
やっぱりあの美しい結晶のような物語を演じてほしい。
シェイクスピアの美しい台詞を、美しいロミオで、語ってほしい。
以前は、若く美しい20代のうちにって思っていましたけど、
10年延びました(笑)、30代までに演じていただきたいです。
ロミオ→ハムレットの道を辿りましょうよ(笑)。
毎回、舞台があるたびに、アンケートに、
「小栗くんで、ロミオとジュリエットが観たいです」と書き続けて、
もう何年も経ちました(笑)。本当にお願いしたい。
小栗くんのロミオを、蜷川さんの手で、
また素晴らしい異空間に、タイムスリップさせてください。
バレエの「ロミオとジュリエット」を見て、ちょっと火がついちゃった、
今日のブログでした(笑)。
では最後に「ロミオとジュリエット」の台詞より。


ロミオ「だが、待て、あの窓からさしそめる光はなに?
     むこうは東、とすればジュリエットは太陽。
     昇れ、美しい太陽、ねたみ深い月の光を消してしまえ、
     自分に仕える乙女であるあの人のほうが美しいと
     悲しみ嘆き、病み青ざめている月の光を消してしまうのだ。」


ジュリエット「おお、ロミオ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?
        お父上との縁を切り、ロミオという名をお捨てになって。
        もしそれがだめなら、私を愛すると誓ってください。
        そうすれば私はキャピュレットの名を捨てます。」


ロミオ「恋の軽い翼でこの塀を飛び越えました。
     石垣などでどうして恋を締め出せるでしょうか。
     恋がなしうることなら、恋はどんな冒険だって厭いません。
     この家の人たちがどうしてぼくを妨げられましょう。」


ジュリエット「もう、行ってしまうの?まだ朝は来ていないわ。
        あれはナイティンゲール、ヒバリではなくてよ、
        あなたの怯えている耳に聞こえたのは。
        向こうに見えるザクロの木に来ては毎晩鳴くの。
        本当よ、ロミオ、あれはナイティンゲール。」


ロミオ「さあ来い、にがい先導者、不愉快な案内人。
     命知らずの水先案内よ、波に疲れたこの舟を
     今こそ岩に乗り上げ、こなごなに打ち砕くのだ。」


ジュリエット「ああ、ひどい人、すっかり飲み干して、
        あとを追う私に一滴も残さないなんて。その唇に口づけを。
        そこにまだ毒が残っているかもしれない、それで死ねれば、
        あの世でこの人とまた本当の命を。
        あなたの唇、まだあたたかいわ。」