風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

時計じかけのオレンジ 感想

よく晴れました。
時計じかけのオレンジ」の感想を【 BBS 】にて、
ナチさん、じゅんぺんさん、リスベットさんが書いてくださいました。
ありがとうございます。読んでみてくださいね。
皆さんの興奮が伝わってきますね。
その「時計じかけのオレンジ」、昨日、観に行ってきました!
長男と一緒に行ったのですが、以前、少し書きましたが、
長男は修士論文があるので、できるだけ早く行きたいということで、
昨日になりました。
赤坂ACTシアターは初めて行きました。
1階2階とも、ところせましとお花が置かれていて、
鶴瓶さん、木梨さん、唐沢さん、長澤まさみちゃん、瑛太くん、
上戸彩ちゃん、水前寺さん、コブクロさん等々から小栗くんへ、
たくさんまだまだ綺麗に咲いていました。
とにかく人が大勢で、グッズはよくわからず(笑)、
私はパンフレットしか買っていないのですが、
表紙が黒とオレンジの2種類ありました。まだ読んでいません。
そして舞台は、今までの小栗くんの舞台とはまた違った面白い舞台でした。
長男も面白かったと言っていて、そして「小栗、舞台、楽しそうだね」とも、
言っていました(若干上から目線ですみません・笑)
本当に小栗くんは楽しそうに、縦横無尽に舞台を駆け巡っていましたよ。
客席は見たところ満席で、でもカーテンコールはさっぱりしていました(笑)。
ただ一番最後、中央の扉から去ろうとする小栗アレックスは、
今までのオーランドーともカリギュラとも違うお辞儀の仕方で、
西洋のピエロ、ホワイトクラウンのような、
左腕を水平にあげて、指先は柔らかく、右手は胸元へ、
低く膝を折る女王陛下の前で行われるような優雅なお辞儀で、
とてもとても素敵でしたよ。その後、パッと両手を開いて、
アレックス的微笑みで、去っていったのも印象的でした。
以前、小栗くんが「シルク・ドゥ・ソレイユ」のレポーターのようなことを、
行ったときに、ピエロと触れあう場面で、そのピエロさんから、
「私が思うにあなたはホワイトクラウンです。
 ホワイトクラウンはあなたのように美しくスマートなクラウンです」と、
言われているんですよね。
そんなことも思いだした、昨日の「時計じかけのオレンジ」でした。
では、感想を書こうと思いますが、台詞などは正確ではないと思いますし、
しっかり!(笑)ネタバレを含みますので、読みたい方だけお願いします。










時計じかけのオレンジ       演出 河原雅彦
                     アレックス 小栗旬
                     ブロドスキー他 橋本さとし
                     アレキサンダー他 武田真治
                     内務大臣他 吉田鋼太郎


人間の闇の部分をカラフルにポップにしたような舞台で、
良くも悪くもアレックスオンステージ(笑)、
そこに、シニカル、コミカル、クレージーというスパイスを振りかけて、
ロックで味付けし、煮て焼いて丸めて放り投げたような、
見世物小屋の猥雑さと、大いなる芸術的な悪ふざけのような舞台でした(笑)。
小栗アレックスの容姿は、あのポスターどおり、
おかっぱの銀髪に黒の帽子、ステッキ、黒いブーツ、白塗りでお化粧をしています。
とにかく最初はアレックスが悪の塊のようで、
エアロンは悪でも憎悪の上に成り立つ悪の化身だったのですが、
アレックスは、からっぽの上に成り立つ悪の妖精?
だから余計にたちが悪い。
意味のない暴力、強姦、果ては殺人まで犯します。
そこで囚われたアレックスは、人格矯正の実験台にされるのですが、
ここで面白かったのは、この人格矯正にかかったところで、
なんと舞台のその人格矯正をしている博士から、
「これから20分休憩です」という台詞が発せられます(笑)。
だからアレックスは、舞台で、人格矯正をされたままの状態で、
しばらくそのまま、そのうち箱のようなもので、姿は隠されてしまいますが、
20分間、ベートーヴェンの第九と、アレックスの「あぁ、うぅ〜ん」という、
呻き声が聞こえ続けるという、まれにみる休憩時間でした(笑)。
客席を巻き込むという点では、客席に問いかける場面もありましたし、
最後の方で、終ったかなと思ったら、
アレックスが幕から出てきて、「次のシーンへ行きます」という場面もありました。
そしてアレックスは、すっかり人格が変わってしまい、
悪いことを考えた時点で、すぐに身体に拒否反応が出るという、
ハエさえも殺せない人になってしまいます。
両親にも疎ましがわれ、以前の仲間は警察官になって、
アレックスをやりたい放題、このあたりはもう、
這いずりまわり、のたうち回るアレックス。
今までやったことを思えば、という感情もありますが、
だいたい出てくる人、出てくる人、自分の保身ばかり考えていたり、
いい人はほとんど出てきません。
だからこの場面は、アレックス、少し可哀想でした。
でもやられているところは、長い手足をもてあまし、
銀色の髪が振りみだされて、色っぽかったです。
色っぽかったといえば、私は今回、結構前の方の席で、
今まで、一番舞台に近い席だったのは「間違いの喜劇」で、
その後、小栗くんが人気が出てしまって(笑)、
あまり良い席に恵まれず、今回はやっと「間違いの喜劇」の席より、
前の席でした(笑)。でも隅っこでしたけど。
ただこちら側に来て、目の前で、椅子に座ってうなだれるシーンがあって、
その細くて長い指が、とても色っぽくて、そして、
「ああ、やっぱりなんて綺麗な子なんだ」って思いました(笑)。
青の時代のピカソが、もしホワイトクラウンを描いたとしたら、
こんな感じになるのではないかなあとか、そんなことも浮かんでくるような、
白い頬、銀色の髪、品のよい唇、通った鼻筋、哀しみを湛えた瞳。
椅子に腰かけ、身をかがめ、揃えられた長い足。
一枚の絵画のようだなあって、本当に舞台の小栗くんは美しいです。
今回は、着替えるシーンがあったり、一糸纏わぬ姿(後ろ姿です・笑)だったり、
男性にキスをされたり、大変でしたが、
皆でめでるべき身体だと思います(ちょっと書き方がいやらしいですね・笑)。
というか、あの舞台での輝き方、存在感、美しさを、
本当に多くの方に知ってもらいたいです。
今回はまたすべてアレックスが中心になって回っていく舞台だったので、
主役であるべき華のある、本当に桁違いの輝くようなオーラを纏っていて、
素晴らしいなあと思いました。
囚人服から見える鎖骨も色っぽかったなあとか、
顔の配置がいいので、凄くハンサムさんに見えるなあとか、
とにかく顔が小さく、背が高く、足が長い!細身でスタイルが群を抜いています。
そして私が観た小栗くんの舞台で、今回、初めてマイクをつけたお芝居を、
観たのですが、発声は舞台仕様なんですね。
アレックスは特に、したたかに甘えたり、本気で弱気になったり、
だから甘い声も存分に聞けて、嬉しかったです。いい声ですよね。
それから、歌です、歌(笑)。
全然大丈夫でしたよ。うっとりさせるとか、そういう感じではさすがにないですが、
いろいろあって、最後は結局元に戻ったアレックス、
しかしその数年後という展開になり、
ラストシーンではスタンドマイクで、歌う場面があるのですが、
これがもう格好いいこと!格好いいこと!
アレックスだったら、かえってもっとはずしてもいいのに、というくらい、
堂々とオレンジバンド(笑)のボーカルとして、歌っていました。
アレックスがスタンドマイクで歌う中、まわりの大合唱と踊りと、
すごく華やかで、賑やかで、これがラストシーンなので、
時計じかけのオレンジ」という題材なのですが、
何故か、楽しい気持ちで帰って来られます(笑)。
舞台の上の方で生演奏するバンドの皆さんも熱のこもった演奏でした。
舞台中央の映像も効果的に使われ、
まわりの役者さんも、皆、芸達者な方々ばかりで、
しっかり世界は構築され、その中で安心して自由に飛びまわるアレックス。
皆さん、ひとりでいろんな役をされているので、
鋼太郎さんが、あんな役?なんてことも(笑)、
素晴らしいカンパニーと2時間40分、あっという間でした。
そして小栗くんは、どんな役でもいつも愛すべき魅力的なキャラクターに、
なるのだなあと、また今回も思いました。
台詞としては、警察に捕まったとき、警官から、
「やっと僕のものになってくれたね」とか、
「そんな顔をしたら、ハンサムな顔が台無しだよ」とか、そんな台詞も聞けて、
アレックスはどうひっくり返っても、感情移入できない役なのですが、
でも愛らしいなあという雰囲気が伝わってきます。
15歳という少年の役ということもあるかもしれませんが、
そこは河原さん、ちゃんとわかってくださって、
可愛い美少年、アレックスボーイでした(笑)。
もっとパワーが出ると思うし、もっと弾けられる舞台だと思うので、
これで私は、あとは愛知公演まで、アレックスに会えませんが、
どんなアレックスに、「時計じかけのオレンジ」になっているのか、
楽しみにしたいと思います。