曇り空です。
昨日はベートーヴェンの「第九」を聴きながら、
アレックスを思い出していました(笑)。
この「第九」の使い方は、どう考えても、逆説的な使い方ですよね。
さてどうしてアレックス役があれだけぴったりくるのかと考えた場合、
やはり小栗くんの特徴である少し浮世離れした雰囲気が出る演技というのが、
大きいと思います。
だからバックボーンは何もなく、ただ悪魔の化身のような妖精のような、
そんな雰囲気もありました。
劇評でいわれていたトリックスターですね。
先日、「シュアリー・サムデイ」のDVDを見たとき、
小栗くん、作る方は泥臭いものになるのだなあと思ったりしたのですが、
彼はでも演技となると、とても洗練されたスタイリッシュな感じが出ますよね。
浮世離れした、現実から剥離した彼。
それこそ、この世のものとは思えない雰囲気が出てきます。
それが一番出るのが、その現実が今そこで行われている、
生の舞台という、逆転現象が面白いです。
まさに非日常を纏って登場する感じ。
このブログを始めた頃から書いている、
矛盾が共存している、相反するものが共存している魅力は、
ずっと彼の中にあって、その複雑さに惹かれるんですよね。
底辺で抗っているのが、また色っぽく、
しかもあの美しさといったら、
高い背、顔は小さく、細身のしなやかな肢体、長い手足をもてあまし、
群を抜いたスタイルの良さ、抜けるような肌の白さ、
シミひとつないすべらかな背中、細くて長い指、まっすぐで綺麗な立ち姿、
憂いある瞳、形良い唇・・・。
その身体を動かすのが、その美しさにあぐらをかいている若者ではなくて、
矛盾を抱える悩める若者の精神ということで、
ある意味、鬼に金棒だと思います(笑)。
これからもアレックスとして生きていく小栗くんは、
どんどん研ぎ澄まされて、美しくなっていきますよね。
そしてたくさんの人々を騙して虜にして、その世界に引きずり込んでください(笑)。
「時計仕掛けのオレンジ」を観てから、
「第九」は特に第2楽章が好きになりました(笑)。
こちらで少し試聴できます。