風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

時計じかけのオレンジ 感想

晴れたり曇ったりしています。
昨日、「時計じかけのオレンジ刈谷公演初日行ってきました!
新幹線に乗らず、乗車時間約20分で着ける幸せ(笑)。
毎回、ここで上演してほしいなあと思いつつ、
ソワレは「お気に召すまま」初演以来で、帰ってきたら、興奮冷めやらず、
パワーをもらいすぎて、身体も心も熱くて、よく眠れませんでした(笑)。
今回は次男と一緒に行きました。次男も演劇は「お気に召すまま」初演以来。
感想は、「アレックスのあのお辞儀、格好いいね。
でも手足が長くないと様にならないよね」〜でした(笑)。
本当に指先まで神経の行き届いたファンタジックで美しいお辞儀ですよね〜。
ずーっと頭を離れません(笑)。
舞台写真入りのパンフレットと耳かき(ステッキ仕様)を購入しました。
平日夜の公演で、しっかり満席。
カーテンコールは、3回。2回目で少しずつ立ち始め(私も・笑)、
3回目で、ほぼオールスタンディングだったような。
そしてカーテンコールは主な方、ひとりひとりで登場の音楽が違うんですね。
牧師役の石川さんは、バッハかな。壮大な感じ。
キムラさんはマリリンモンローのテーマで、まわりが大盛り上がり、
少し恥ずかしそうになさってました。
小栗くんは、ひと際派手な音楽で登場、
すごい勢いで、舞台奥から出てきて大きくジャンプして、
もう少しで舞台から落ちそうで、ちょっとヒヤリとしました(笑)。
でもステッキをブンブン振りまわして、退場したり、
武田さん、橋本さんとハイタッチをしたり、
橋本さん、武田さんは「サイコー!」と仰ってました。
小栗くん、最後は中央の奥の扉へ、姿が隠れるまで、丁寧に、
腰をかがめて手を振ってくれて、でも投げキッスはありませんでした(笑)。
とにかく、悪魔的なお祭りに、後ろめたい気持ちで参加したのに、
思いっきり楽しんできてしまった・・・みたいな感じで、
あの題材で、どうして楽しく帰ってきてしまうのかなと思う反面、
もう、美しい小栗アレックスに魂、売ります〜くらいに、
のめり込んでしまう自分がいます。
やはりアレックスは小栗くんが演じるからこその、カリスマ性、
華やかさ、優雅さが出ていて、そこが魅力のような気がします。
あの細くて長い指が、ヒラヒラと舞うだけで、そこから音楽が聴こえるようで、
その指先が弧を描けば、そこに絵が描かれるような、
ファンタジーな部分は、多分に小栗くんが演じた功績もあるかと思いました。
今回は、とても良席だったので、
本当に本当になんて綺麗な男の子なんだろうって、ずーっと思って観てました。
特に銀髪なので、まるでお人形のような可愛さもあり、
そのまま素敵なガラスケースに入れて、飾っておきたいくらい(笑)。
でもガラスをバーンって割って出てきちゃって、悪事を働きそうですけどね(笑)。
いつも瞳の奥がきっちりアレックスなんですよね。
猫なで声でいい子のふりをするときも、
アレックスであり続ける炎は、瞳の奥で消えずに燃え続けています。
長身で小顔で、群を抜くスタイルの良さ。綺麗な瞳、通った鼻筋、形良い唇。
細身で肩から背中の美しいライン、長い手足、すべらかな肌、その肌に流れる汗。
雄弁な美しい指先、心の隙間に入り込む柔らかな声。
やっぱりお芝居をしている小栗くんは最高だと思いました。
観るたびに、初めて観るような新鮮さがいつも彼にはあって、
毎回、初めて好きになる感覚があります。
清廉とした美しい立ち姿は、舞台への真摯な思いと重なり、
演劇にかける一青年としての心意気も気概も伝わってきて、
こういう小栗くんが、この青年のことが、私は大好きなんだと、
再確認した舞台でした。
2ヶ月ぶりの舞台は、スピーディになって、メリハリがはっきりして、
とにかく役者さんたちが楽しそう。とてもパワーアップしていました。


そして25日も行ってきました(笑)。「時計じかけのオレンジ刈谷公演。
今夜も会場は超満員。
今回は主人と一緒に行きました。主人は初めての生小栗くんです。
主人は結構辛口なのですが、観劇後、開口一番、
「こういう舞台をやっていたら、やめられないだろうなあ」と言ってくれました。
嬉しかったです〜(笑)。
「ロックと演技の融合がよかった」「小栗くんを中心に考えての舞台」とも、
言っていて、そういえば後ろの席の男性の方からも、
「素晴らしい時間だった」という声が聞こえて、本当に嬉しかったです。
24日は、席が舞台に近かったので、とにかくアレックスを演じる小栗くんを、
脳裏に焼き付けようと思って、ずーっと小栗くんを観ていたのですが、
25日は、全体を観られる席で、本当に、舞台全体もスタイリッシュで美しく、
とにかくうねりのように迫ってくるオレンジカンパニーの一体感に、感激しました。
ベテランの方々は余裕を持って、遊び心も加えつつ、しっかり作品を締めていて、
若者チームは、ひたむきに、でものびのびと演じていて、
昨日、今日と観ても、またまた熱いパワーに圧倒されました。
この作品に出会えて、本当に本当によかった!って思いました。
カーテンコールは、3回。
登場曲は昨日とほぼ同じでしたが、違う方もいらっしゃいました。
マリリンモンローのテーマは、今日はキムラさん、
マリリンモンローの真似をしたりして、やる気満々でした(笑)。
小栗くんはまたあの大きなジャンプ。舞台ぎりぎりで止めるところに、
快感を覚えているようでした(笑)。
客席は1回目から立ち始めていて、2回目でスタンディングオベーション
橋本さん、武田さんが何か言っていて、小栗くんとハイタッチをしていたのですが、
ちょっと聞きとれず、でもとても嬉しそうでした。
2回目に退場するとき、橋本さんが、ちょっと寂しそう?
僕にもっと手を振って?という感じだったのかな。
それを見ていた小栗くんの、ふわって笑った笑顔がとても綺麗でした。
その2回目の小栗くんの退場の仕方が、
あの美しいお辞儀なんですが、拍手が降り注ぐ中、
ずーっと長い間、頭を下げていて、その長さに、
改めて拍手が大きく大きくなっていきました。
とても真摯に彼の感謝の気持ちが伝わってきて、
もう本当に胸がいっぱいになってしまいました。
そして3回目は、花開くような笑顔とともに登場。
ムロくんがアレックスの股のあたりを触りにいったり(笑)、
すべての皆さんが笑顔いっぱいの中、たくさん手を振ってくれて、
小栗くんも大きく手を何回も振ってくれて、会場の皆も手を振っていて、
その様子も壮観でした(笑)。
そして最後、投げキッス、ありましたよ!
ん〜っチュ!という熱い投げキッスで、
会場が悲鳴とともに、炎上してました〜!(笑)
その後、サッと踵を返して退場してしまうところが、
ちょっと恥ずかしそうで、小栗くんらしかったです。
でも「お気に召すまま」のカーテンコールのときよりも、
濃いめの熱烈な投げキッスでした(笑)。
人生初、2日連続で、小栗くんに会えて、こんなに舞台を楽しめて、
本当に本当に素敵な2日間でした。感謝の気持ちでいっぱいです。
あんなに一体感のある素晴らしいオレンジカンパニーの中心に、
小栗くんがいることが、本当に嬉しくて、かつ誇らしかったです。


では、24日の方のネタバレを含めた感想を書きたいと思いますので、
読みたい方だけお願いします。







時計じかけのオレンジ      演出 河原雅彦
                    アレックス 小栗旬
                    ブロドスキー他 橋本さとし
                    アレキサンダー他 武田真治
                    内務大臣他 吉田鋼太郎


2回目で、やはりいろいろ思い出しました(笑)。
今回は良席で、赤坂のときに、今まで一番舞台に近い席と書きましたが、
記録更新で(笑)、もうひとつ前の席で、しかもセンターブロックでした。
私の場合、だいたい隅の席が多かったので、これは嬉しかったです。
センターブロックって、こんなに見やすくてよく見えるんだ〜って思いました(笑)。
まず最初の登場シーン、格好いいです。
逆光に照らされた4人、ゾクゾクします。
悪行を繰り返すドルーグたち。その先頭を切るアレックスは、
立ちまわりもスピード感があって、軽やかで、スタイリッシュ。
理由のない悪の化身を楽しそうに演じていました。
目の表情は恐いくらいで、人をだますときの声音にも恐ろしさを感じます。
暴れまわるとき、こちらでも、客席の椅子の肘掛の部分を、
センターブロックの一列渡るというシーンがありました。下手から渡ったのですが、
最初の席の方が、男性の方で、何が起きているのかわからない感じで、
アレックスに肩をたたかれ、「こうして」みたいに仕草で言われ、
肘掛の部分をヒョイヒョイと渡っていました。
そして通路を駆け抜けて(ちょっと近くに来てくれて、でもあっという間・笑)、
舞台に上がっていきました。
小栗くんは運動神経がいいので、本当に飛んでいるように、
風のように駆け抜けていて、心を持っていかれます。
運動神経がいいのは、大きな武器ですよね。
そして結局殺人を犯してしまい、警察に掴まるアレックス。
「君を独り占めできるとは、なんという光栄」などと言われながら、
刑務所に送られます。生着替えもあり(笑)、白いお化粧もとられ、
囚人服姿になります(鎖骨が綺麗)。まず賛美歌を歌い(歌声が綺麗)、
ここでの牧師さんとのシーンはとても好きです。
アレックスは終始、いい子のふりをして優しい声で語りかけます。
それは牧師さんに、「僕には奥さんと子供がいるから」と誤解されるほど。
聖書を手に甘く可愛いアレックス。
今回の役は、なかなか感情豊かで、表情を見るだけで、
声を聞くだけでも、いろんな色に変わって、惹きこまれます。
その後、例の清掃シーンになって、
ムロくんが「セイ」と言ったら、「ソウ」と返すという、
でも今回は、ムロくんが小栗くんから「ソウ」と帰ってくるように、
わざわざ耳に手をあてて、催促していましたが、
帰ってきませんでした(笑)。
そしてあの装置に縛り付けられるアレックス。
お約束の休憩時間(笑)。
そういえば長男は、この休憩時間に、小栗くんを見に、
ゾロゾロ前に来る人たちも含めて、ひとつの演出かなと言っていました。
そうかもしれません(笑)。
さてすっかり別人のようになってしまい、
もはや人間としての存在さえ危ぶまれるような状態のアレックス。
グレーのコート、赤いマフラーの彼は、その瞳にも、
すっかりアレックスの要素は消え、ただの怯えた青年になっていました。
この衣装の彼、素敵ですよね。どこか甘くて上品で。
かつての仲間たちに、ボコボコにされているとき、
マフラーがとれてしまって、高良くん演じる警官がそれを巻いて、
囃したてるというシーンもありました。
その前に、母親と一緒に登場した武田さん演じるジョー
もう登場しただけで、クスクス会場から笑いが起きていましたが、
昨日は、ちょっとしたハプニングがあって、
ジョーがアレックスへ向けて蹴ったカバンが、舞台の下に落ちてしまったのです。
するとジョーはその気取った口調のまま、
「すみません、とっていただけますか」と言って、お客様に、
カバンをとってもらっていました。
ここで客席から拍手と笑い声がたくさんあがっていました。
それからは自殺にまで追いつめられ、しかしその後元に戻ってしまう、
アレックス。その瞳にも、また邪悪な光が戻っていました。
そして暗転。
拍手が起こり、白い幕の前にアレックスひとり現れます。
あの深く膝を曲げ、指先が舞うような美しいお辞儀。
なお拍手が大きくなったので、アレックスはその長い人差し指を口元にあてて、
シーという仕草をします。
これがもう素敵でした〜。
もともと「東京DOGS」のメイキングで、小栗くんが、エキストラの皆さんに、
シーとする仕草が大好きで、美しく長い指と美しい唇と、
ふたつ重なって、クラッときます(笑)。生で見られて嬉しかった(笑)。
赤坂では、もう小栗くんが出てきたときに、まだ続くんだなと思って、
それほど拍手はなかったのですが、今回は大きな拍手に包まれました。
このひとりスポットライトを浴びるシーンは、凄く美しいですよね。
今までずーっとアレックスを観ていたのに、
なおもハッとする美しさで、しなやかに立っているという感じがして、
そして波のような拍手に包まれ、長い人差し指を唇にあてる仕草も重なり、
なんだか胸がいっぱいになってしまいました。
「シーンは続く」
アレックスからの言葉で、年齢を重ねたドルーグたち(とっても楽しそう・笑)と、
また遊ぶアレックス。でも少し物憂げ。
そうこうするうちに、18歳になり、愛を語るアレックス。
このシーンの彼女とのやりとりは、コミカルでいいです(笑)。
それからあのスタンドマイクで歌い踊るシーンへ続きます。
これで、わー楽しかったってなっちゃいます(笑)。
小栗くんは歌と踊りにも挑戦して(声自体がいいのはやはり特権です)、
終始、激しい動きで、立ちまわったり、床に這いずりまわったり、
その上、感情もコロコロ変わる役ですから、大変でしょうが、
でもとても楽しそうに演じていました。
劇場を支配する主役としてのオーラ、素晴らしかったです。
危うい色気、惹きこまれました。
今回は、内容としてはいろいろな裏表を感じました。
善、悪、選択、いい子、保身、存在、大人、権利、自由。
それぞれの意味に裏表があって、とらえ方があって、
一方的に考えがちですが、そうじゃないんだよ。
大音響の中、狂気とコミカルとホラーとエンターテイメントと、
ぐいぐいとパワーがみなぎるキラキラとした饗宴の舞台。
熱い渦はまだ心の中、美しいアレックスのお辞儀は、
また始まりの?それとも終わりの?
とにかく迷いこんだ観たこともない、とても魅力的な世界でした。