曇り空です。
また小栗くん、更新がありましたね。
根津甚八さんの本を読んだのですね。
根津甚八さん、とても魅力的な俳優さんです。
繊細で悪い雰囲気もあり、どこか屈折していて色っぽくて、
若い頃は、根津さん出演のドラマを好んで見ていました。
小栗くんはどこか昭和の男の香りがするときがあるので(笑)、
共感するところが多かったのかなと思います。
昔は、好青年はいい俳優にはなれないと言われていたのですが、
今の時代は、好青年ではなくては、という圧力というか、
そういう雰囲気をとても感じます。
一方通行の正義というか、なんだか余裕がない時代ですよね。
以前、舞台「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」のパンフレットに、
蜷川さん、三池監督の対談があり、こう書かれていました。
三池「“クローズ〜”もそうですけど、よそでやれない特別な場所だと、
思ってくれてるのかな。小栗旬は売れれば売れるほど、
みんなに共感される、愛される人にならなきゃいけないわけでしょ。
主役ってそういうものじゃないですか。
でも、もともとはアウトローになろうとして役者という生き方を選んでるのに、
どんどん普通の人間を演じなきゃならなくなるという苛立ちがある。
そのストレスを吐き出してもらうのが自分の現場というか。
今の人たちは、みんなたぶん面白くないんだと思う。
だから小栗旬にとっては、蜷川さんのお芝居が絶対に必要なんですよ。
ベースはそこにある。一緒にやる度に全然違ってますよ。
奥行きが出てきて、いい男になってる。“ムサシ”もよかったですね。」
最後は蜷川さんのお芝居に辿りつきましたが、
小栗くんの今回の文章を読んで、この言葉を思い出しました。
いろいろ思うところはあると思いますが、
また映画や舞台でその思いをぶつけてほしいと思います。
三池さんは、小栗くんがエランドール賞を獲ったときのスピーチでも、
こう仰っています。
三池「彼の世代で、人気と実力、その人気に実力がともなってる、
唯一の存在じゃないかと思います。それは彼は作られた虚像じゃなくて、
小栗旬っていう生っぽい人間がここに居て、
プロダクションの人たちと一緒に、一歩一歩確実に、自分の力で歩いて、
ここまで上がってきたっていう、凄い存在だと思います」
小栗旬っていう生っぽい人間だからこそ、悩みもありますよね。
そこが魅力でもあるし、だからこそ、お芝居にも奥行きが出て、
深さも出てくると思うし、いろいろ悩むことは、聡明な彼が、
もっといい男に、もっと魅力的な俳優になる布石だと思います。
頑張っていただきたいですね。