風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

東京国際映画祭 クロージングセレモニー

曇り空です。
昨日に引き続き、「東京国際映画祭」について。
今日は審査員の方々の言葉を中心に書いていこうと思います。
BSでの「東京国際映画祭」の特集番組によりますと、
76の国と地域から、975本の応募作品があり、その中から、
厳選された15作品が、コンペティション部門に出品されたということで、
まずこの15作品に選ばれただけでも凄いことなのに、
日本からの唯一の作品「キツツキの雨」が、審査員特別賞を受賞して、
本当に素晴らしいことだと思います。おめでとうございます!
記事はこちら。


【 仏「最強のふたり」に栄冠 日本「キツツキと雨」は審査員特別賞 】
第24回東京国際映画祭が10月30日(日)に閉幕し、フランス映画『最強のふたり』が最高賞の「東京サクラグランプリ」を獲得。日本から出品された役所広司小栗旬が共演している『キツツキと雨』は審査員特別賞に輝いた。
唯一の邦画コンペティション出品作となった『キツツキと雨』は「僅差の2位」(審査員キース・カサンダー)でグランプリ獲得はならずも、審査員特別賞に。受賞が発表されると会場は大きな拍手に包まれた。


【役所&小栗共演作「キツツキと雨」グランプリの可能性あった!】
フランス映画「最強のふたり」が最高賞にあたる東京サクラグランプリと、最優秀男優賞の2冠を達成。役所広司小栗旬が初共演した、沖田修一監督の「キツツキと雨」が審査員特別賞を受賞した。プレスマン氏は「結果に満足している」。ビンビンも「完璧なエンディング(結果)を迎えることができた」と納得の表情だ。
審査が進む過程で、上位に浮上したのは「最強のふたり」「キツツキと雨」、そして最優秀監督賞を受賞した「プレイ」(リューベン・オストルンド監督)の3本だという。「『プレイ』は実験的で監督の意欲も感じたが、グランプリ作品としてはダーク過ぎる。一方、『キツツキと雨』は素晴らしかったが、(最高賞には)ライト過ぎた。そういう意味では、各作品の水準が高かったが、抜きん出た作品がなく1本に絞り込むのは大変だった」(プレスマン氏)。


【 役所広司&小栗旬出演「キツツキと雨」が審査委員特別賞!日本作品の受賞は2年連続!】
今年の同映画祭は、コンペティション部門の審査委員長を映画プロデューサーのエドワード・R・プレスマンが務め、審査員を女優のファン・ビンビン、キース・カサンダー、レイコ・クルック、そして映画監督の小林政広が務めた。9日間行われた同映画祭の延べ来場者数は4万1,648人、上映作品数128本、総上映回数は315回、TIFFCOM、共催・提携企画動員数は17万2,231人、初日のグリーンカーペットを含むイベント参加者は約2万人と、例年以上に盛況だった様子。また、3月の震災を受けて展開された「TIFF ARIGATOプロジェクト」では、総額113万5,945円が集まったことも発表された。


【 中国きっての美人女優ファン・ビンビン いつかは役所広司や小栗旬と共演してみたい!】
いつもは女優として演じる立場にいる彼女だが、作品に評価を下すことに関してはプレッシャーもなく、作品もとても素晴らしいものばかりだったので貴重な体験ができたとか。今はようやく審査を終え、それぞれの作品にふさわしい賞を選び、贈ることができたと自負しているそうだ。だが、いくら世界各国の素晴らしい映画や、俳優たちの名演が堪能できたとはいえ、やはり毎日朝10時から夜の18時までの間、1日3本の映画を観るのはちょっとつらかったと苦笑する。彼女自身は岩井俊二監督の映画が大好きでよく観ていたとのこと。今年審査員特別賞を受賞した『キツツキと雨』に出演していた、役所広司小栗旬の演技が秀逸だったといい、「もし機会があればぜひ二人と一緒に仕事をしてみたい」と語った。


【 TIFF クロージングセレモニー詳報 】
審査員のキース・カサンダーさんが登壇し、「残すところあと2作です。非常に接戦でした。この賞が実質2位になります」と、審査員特別賞を発表しました。「ほぼ1位です。すばらしい作品です。若い、日本の監督です」と発言したところで、場内からは大きな拍手が起こりました。壇上には、『キツツキと雨』の沖田修一監督が呼び込まれます。沖田監督は「TIFFコンペティションに日本映画が1本しか出品されないということは、大きなプレッシャーでした。周りからは『頑張ってください』と言われるんですけど、『映画はもう完成しちゃってるから頑張りようがないよなあ』と……(笑)。それでも上映が本当に楽しみでした。お客さんが笑ってくださったという話を聞くととても嬉しくて、それだけで十分だと思いつつも、こういう場に来るとやはり無心ではいられませんでした」と、受賞までの落ち着かない心情を吐露しました。その後は映画製作に関わった人たちに感謝を述べようとするもうまくまとまらず、「えーーーーーー、ありがとうございました(笑)。またここに帰ってこられるようにがんばります」と今後の映画製作への意欲を表しました。


【 TIFF バランスの取れた授賞結果にプレスマン審査委員長は太鼓判 】
記者からの「(映画祭に出品されるような)作家性の強い作品が劇場でヒットしない時代だが、そういった時代における映画祭の役割とは?」という質問には、カサンダーさんが回答。「娯楽性の高いハリウッドの大作に劇場を押えられてしまっている状況はヨーロッパも変わりませんが、だからといって映画の未来がないわけではありません。(カサンダーさんが製作を務めた)『コックと泥棒、その妻と愛人』のような作品がロングランの大ヒットを記録することはもはやありませんが、インターネットを通して広く観客に観てもらえるという未来があります。良作を紹介して、広く観てもらうきっかけになる。そのスタートとしてコンペティションがあると考えれば、映画祭はしっかりと役割を果たしていると思います」と語り、会見は終了を迎えました。


【 TIFF 公式インタビュー コンペティション審査委員長 エドワード・R・プレスマン 】
――15本のコンペ出品作を審査するに当たって心がけたことは?
エドワード・R・プレスマン(以下プレスマン):事前に何か考えていることはなく、全くオープンな気持ちで臨みました。賞の選定プロセスは私が決めていいと言われましたが、私の意見を押し付けるのではなく、できるだけ民主的なプロセスで決めようと思いました。
――4人の審査員をまとめるのは苦労したのでは?
プレスマン:監督、プロデューサー、女優など、それぞれの立場で見方や趣味が違う。総体的にはトラディショナルなつくりの作品が多かったが、審査においてはエンタテインメント性や政治性など評価のバランスを考えなくてはいけない。当然、いくつかの賞については意見が対立することもあったが、ディベートを繰り返し大変熱い議論が交わされ、結果には満足しています。
――選考過程において評価が高かった作品は?
プレスマン:『最強のふたり』『キツツキと雨』『プレイ』の3本で、全員が好きだったのは『プレイ』。とても実験的で、監督の意欲、冒険が感じられた。この3本に関しては意見が分かれ、コンセンサスをとるのが難しかった。
――日本映画で唯一コンペに選出され、審査員特別賞を獲った『キツツキと雨』の印象は?
プレスマン:フランソワ・トリュフォー監督の『映画に愛をこめて アメリカの夜』(1973)を思い出しました。同じような映画製作を題材にした映画で、自分がフィルムメイカーということもあってすごく面白かった。自分たちの仕事のバカバカしさのようなものもよく出ていたし、俳優の演技も印象に残りました。


私は「東京国際映画祭」をしっかり興味深く見たのは今回初めてで、
なんというか、映画を愛する方たちによって、
とても誠実に開催されているのだなあと思いました。
まず審査員の方々がはっきりわかっているのが、正々堂々としていますよね。
当たり前のことなんですけど、授賞式に欠席の人にも賞が贈られたことも、
公平だなあと思いますし、こうやって記事を読んでも、
今の映画の現状を踏まえつつ、良作を紹介していこうという自負が感じられます。
こういう映画祭で、「キツツキと雨」が審査員特別賞に選ばれたことは、
本当に誇らしいことですし、上映館も増やしていただいて、
できるだけたくさんの方に観ていただきたいですね。
それにしても、審査員のキース・カサンダーさんの、
“「ほぼ1位です。すばらしい作品です。若い、日本の監督です」”と発表されたとき、
その表情もにこやかで、見ているこちらもとても嬉しかったし、
ファン・ビンビンさんの、“役所広司小栗旬の演技が秀逸”
“「もし機会があればぜひ二人と一緒に仕事をしてみたい」”の言葉も、
本当に嬉しいですよね〜。
そして審査委員長のプレスマン氏の、「キツツキと雨」について、
フランソワ・トリュフォー監督の『映画に愛をこめて アメリカの夜』(1973)を思い出しました。”  “すごく面白かった。”
“俳優の演技も印象に残りました。”
こういう言葉がいただけたことが、本当に嬉しくて、
ファンとしては、一流のプロの方々にこうやって、演技を褒められたことは、
特に嬉しいなあと思いました。それも国際的な映画祭ですから、
字幕で上演されて評価されたわけですから、素晴らしいですよね。
とても有意義な映画祭だったと思います。
キツツキと雨」の公開がますます待ち遠しいです。