風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

むこうは東、とすればジュリエットは太陽

晴れました。風が強いです。
今年は舞台が2作品ありましたが、来年はまた蜷川さん演出のシェイクスピアに、
戻っていただきたいなあ、なんて思っています。
以前、コメント欄でshu shu さんが書いていらっしゃいましたが、
ロミオとジュリエット」は、蜷川さんの演出ではないですが、
来年、佐藤くんと石原さとみちゃんで、上演されるそうで、
HP を見てみたら、乳母はキムラ緑子さん、ロレンス牧師は橋本さとしさんで、
「オレンジ」コンビですね。ちょっと羨ましい気がしました。
今年は「ロミオとジュリエット」、ミュージカルもあって、
もう小栗くんで「ロミオとジュリエット」の実現は難しいかなあと思っています。
微かな期待は抱いていますが(笑)。
ロミオとジュリエット」、何が好きなのかというと、
ストーリーはもちろんですが、台詞が美しいですよね。
美しい台詞を、より実力のついた小栗くんに語っていただきたい。
小栗くん本人の美しさと相まって、もう鬼に金棒だと思うんですけど。
でもDVD「情熱大陸」に入っていたさい芸の「千の目」での場面で、
蜷川さんは「小栗は本来ハムレットをやるべき俳優であり、
ロミオをやるべき俳優」と仰ってくださったので、
ハムレット」は充分可能性があると思うんです。
そういえば、ANN 第1回は、「ハムレット」の台詞が第一声だったんですよね。
生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」
今回は訳者が違う方なので、こういう台詞にはなっていないのですが、
ということで、「ロミオとジュリエット」と「ハムレット」の台詞を少し、
書いていきたいと思います。


ロミオとジュリエット     シェイクスピア作  関口篤訳


ロミオ   「だが、待て、あの窓からさしそめる光はなに?
        むこうは東、とすればジュリエットは太陽。
        昇れ、美しい太陽、ねたみ深い月の光を消してしまえ、
        自分に仕える乙女であるあの人のほうが美しいと
        悲しみ嘆き、病み青ざめている月の光を消してしまうのだ。」


ジュリエット「おお、ロミオ、ロミオ!どうしてあなたはロミオなの?
        お父上との縁を切り、ロミオという名をお捨てになって。
        もしそれがだめなら、私を愛すると誓ってください。
        そうすれば私はキャピュレットの名を捨てます。」


ロミオ   「恋の軽い翼でこの塀を飛び越えました。
        石垣などでどうして恋を締め出せるでしょうか。
        恋がなしうることなら、恋はどんな冒険だって厭いません。
        この家の人たちがどうしてぼくを妨げられましょう。」


ジュリエット「もう、行ってしまうの?まだ朝は来ていないわ。
        あれはナイティンゲール、ヒバリではなくてよ、
        あなたの怯えている耳に聞こえたのは。
        向こうに見えるザクロの木に来ては毎晩鳴くの。
        本当よ、ロミオ、あれはナイティンゲール。」


ロミオ   「さあ来い、にがい先導者、不愉快な案内人。
        命知らずの水先案内よ、波に疲れたこの舟を
        今こそ岩に乗り上げ、こなごなに打ち砕くのだ。」


ジュリエット「ああ、ひどい人、すっかり飲み干して、
        あとを追う私に一滴も残さないなんて。その唇に口づけを。
        そこにまだ毒が残っているかもしれない、それで死ねれば、
        あの世でこの人とまた本当の命を。
        あなたの唇、まだあたたかいわ。」


ハムレット          シェイクスピア作  関口篤訳


ハムレット「ああ、この忌まわしくも汚れた肉体が
       崩れ溶けて露と消えればよいものを!
       せめて自殺を罪として禁じたもう
       神の掟さえなければ、ああ、どうすればいいのだ!」


ポローニアス「陛下、ならびにお妃さま。申し上げます。
        そも国王の主権とは、はたまた臣下の務めとは、いかにあるべきか、
        何ゆえに昼は昼、夜は夜、時は時なるかを論ずることは、
        夜を、昼を、また時をいたずらに浪費することにほかなりませぬ。
        したがいまして、簡潔こそ話術の魂、
        冗談はその手足、飾りにすぎませぬゆえ、
        手っ取り早く申し上げますが、王子ハムレット様は狂っておられます。」


ハムレット「事態を放置するか、あるいはこれに断固介入するか、それが問題だ。
       どちらが気高い生き方か、このまま心のうちに、
       暴虐な運命が射かける石と矢をじっと耐えることか、
       それとも、海のように押し寄せる苦難に武器をとって立ち向かい、
       敢然と戦ってこれに終止符を打つことか。」


ハムレット「尼寺へ行け、なぜ罪深き子の母親になりたがる?」


ハムレット「剣よ、鞘に入り、じっと次なる時を待て。
       やつが飲んだくれ眠りほうけている時、怒り狂っている時、
       あるいは邪淫のベッドで快楽をむさぼる時、
       賭博にわれを忘れ罵りわめていている時、いや、なんでもいい、
       なにか救いのない悪業に耽っている時、
       やつを斬り捨てる。やつの踵が天を蹴り、魂は地獄へとまっさかさま、
       たちまち地獄のどす黒さに染まるがいい。」


王妃   「この私を忘れたのですか?」
ハムレット「いや、いや、とんでもない。
       あなたは王妃、ご自分の夫の弟の妻、
       その上、遺憾ながら私の母親。」


オフィーリア「おやすみなさい、ご婦人がた、おやすみなさい。お優しい皆様、
        さようなら、さようなら。」


レアティーズ「犯人はこの中におります、ハムレット様。あなたもおしまいだ。
        もうどんな薬も役に立たない。あと半時間のお命です。
        謀反の道具はそのお手に、先のとがった、毒を塗った剣。
        卑劣な企みがこのわが身にも。もうこのとおり、
        二度と立つことはできません。お母上様は毒殺、
        もうものが言えない。罪は王に、王こそ・・・。」


ハムレット「もう、何も言わぬ。」