風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

優しい愛 繊細な愛 叱咤激励する愛

春爛漫です。
11日のコメント欄でみらいさんが、17日のコメント欄でmimosa さんが、
今新聞で連載されている蜷川さんの「私の履歴書」のことを、
書いてくださっていて(ありがとうございます)、私は読んでいないのですが、
やはり蜷川さんの言葉は、いつもとても惹かれますよね。
凄く的確というか、そして美しくもあり、凄く好きです。
そしてやっぱり蜷川さんが一番小栗くんの魅力をわかってくださってるというか、
それは本人よりも事務所の皆さんよりもわかっているような気がします(笑)。
ということで、蜷川さんの小栗くんについての言葉等を、
今日は書いていきたいと思います。雑誌、パンフレットからの言葉です。


「お前のキャラクターは変わってる。 今はのほほんでいいだろうけど、そのうち乗り越えられない壁が出てくるから、その前に俺が先手を打ちたいんだよ。」


小栗旬を中心に考えました。彼は中心にくるべき俳優だと思っております。」


「小栗の、見た目の美しさやカッコ良さや現代的な風を呼ぶ演技は武器になる。特に、ふとした瞬間の演技の角度が新しい。それと古典的な技法が結び付いたらいけるよ。僕は小栗の少年の尻尾をちょん切ってやろうと思っているんだ。成人の通過儀礼みたいなものかな。そうしても、小栗の魅力は残るから。」


「僕だって恐怖はあるんだよ。英国の観客の熱狂と冷ややかさは分かっているから。そういう最前線に俳優を送り出すことには大変な思いがあるよ。」


「RSTでは日本人俳優は、真田さんしかやってないからね。小栗は貴重な体験をするんだよ。」


「小栗は黙っていれば貴族に見えるから。」


「イギリスでも通用するある種の品のよさを持っている。」


「その美しさに嫉妬すら覚える。」


「持って生まれた外観や声の良さ、品格などを大いに生かして、映像でやっている現代性の表現ではなく、古典のもつ骨格を演技に組み込んで、巨大な構造を担える俳優になってほしいと思っています。」


「誰も今、彼がこんなに世の中に受け入れられるとは予測してなかった。ただ、僕や僕の周辺にいる人たちは小栗君の才能を認めていた。格好よくてファッショナブルで、楽屋の廊下に彼が立ってるだけで、そこだけ違う空気が漂う。態度は生意気だけど根はナイーブで(笑)。芝居がうまくて微妙な揺らめきが出せるし、喜劇的なところも出せる。」


「アイツはね、ほっとけばグチュグチュ言って、外れたところにいるんだよ。もったいないから、引きずり出して蹴飛ばすんだ(笑)。さあ、テーマを背負って、責任持って中央に立て!と。小栗君はそういう才能なんです。」


「美しいノイズを発する演出家でありたい。“美しい”というのは、世間を許容しないこと。今のサブカルチャーだらけの日本なんて、許容しねーよ。今の日本が規範とするような行動から外れたい。年をとったらひっそりしているなんてイヤなんだ。ひたすらたくさんやり続け、“なんだあいつ、何を考えているんだ?”と思われたい。」


「それは天性の才能だと思うんだけど、おまえはたとえ古典のセリフを喋っても、ある種の日常的なリアリティがくっ付いてくるんだよ。本人の前では癪だからあんまり言いたくないんだけど(笑)。発声も含めて、相手の心に柔らかくスッと入っていく。」


「大の男が“月がほしい”とかさ。そんな言葉に説得力を持たせるって、大変なことだと思う。小栗はその点、まず見た目がいけるだろ。」


「だから憧れるし共感するんだ、カミュの世界に。繊細で傷つきやすいけど、虚無に通じるほど明るいからね。カミュがフランス人だからかな。南仏の日差しのように、透明度の高い暗さなんだ。そこが昔から大好きでね。」


「俺が生きている内に、小栗を天下無敵の俳優にするよ。」


「悪そうで、オシャレでかっこいい。叙情もある。」


「俺は小栗のそんなところに同類の匂いを嗅いでいるんだよ。」


「今回のカリギュラは小栗のために立てた企画だからね。」


「つまりメインカルチャーを充分に扱える俳優にしたいんだ。」


「小栗は今の自分の人気が虚妄だってわかっていて、もっと本質的な俳優になりたがっている。今回の「カリギュラ」では、苛立ちや孤独、他者を求める気持ち、外れていく人間の悲しみ、それでいながら本当の自分を求めていくという男を演じる。それは今の小栗の世界そのものなんだよ。だから、舞台を通じて、いま小栗旬が本当に作りたがっているものを観てほしいね。」


「小栗、おまえはそんなところで生きるな。」


「小栗、次のステップに行くんだぜ。」


「彼の魅力?まずは身体能力の高さだよね。演技者として必要な反射神経が備わっている。それと皮膚のきめの細かさ。ガラスみたいに、触ったらひんやりしてそうな質感がある。今の役者には大切な条件だよ。最後に声。恵まれた環境で育った者特有の甘さと、意識的に野性であろうとする男っぽさが共存している。」


「是非、また一緒に仕事をしましょう、ととりあえず、言っときます。小栗。蜷川幸雄でした。」


最後の言葉は、2009年「土曜スタジオパーク」に小栗くんが出演したときに、
言ってくださった言葉です。
蜷川さんのめんどくさそうに言う「小栗」という言い方がとても好きでした。
ずっと読んでいくと、なんかもう泣けてきてしまいます(笑)。
凄く的確に小栗くんをとらえていて、無名の頃から救いあげて期待をかけてくれて、
才能を信じて、道を指し示してくださっていますよね。
優しい愛、繊細な愛、叱咤激励する愛、とにかく溢れるような愛を感じます。
本当に感謝です。
そしてもう戻ってきてもいいと思います。
また芸術的な深い作品の中で輝く、切なくなるほど美しい小栗くんが観たいです。