風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

あまりに綺麗な目で芝居をしている

晴れました。暖かい日が続きます。
ドラマ「カラマーゾフの兄弟」、引き続き観ています。
小栗くん、長男役か次男役で出演していたら〜なんて思いながら、
吉田鋼太郎さんと映像で真っ向勝負も見てみたかったですよね(笑)。
先日紹介した「今週のこの人」の中で小栗くん曰く、
鋼太郎さんは“第二のお師匠さん”(お気に召すまま 初演時)ということでしたので、
弟子の成長を映像での共演者として見てほしかったような気もします。
1月に購入した、「LOOK at STAR OVATION 13」の中に、
鋼太郎さんのインタビューがあったのですが、
鋼太郎さんはその「お気に召すまま」初演のときの、
小栗くんについてこう仰っています。


吉田「以前、僕が小栗君と初めて共演した時、
    彼があまりに綺麗な目で芝居をしているのを見て、
    稽古中にも関わらず思わず泣いてしまったことがあるんですよ」


このお話はよく鋼太郎さんから聞くエピソードなのですが、
“彼があまりに綺麗な目で芝居をしているのを見て”
そんなふうに言われると、もう胸がいっぱいになってしまいます。
そして初々しく美しいオーランドーを思い出します。
鋼太郎さんにも本当によくしていただきました。
感謝、感謝です。
2008年1月、「オールナイトニッポン」第51回に、
鋼太郎さんが初めてゲストに来てくださって、
そのときもそのお話が出てきます。


オールナイトニッポン第51回(抜粋)


吉田鋼太郎さん、登場。
小栗くんが言うには、面白いぐらいに緊張している鋼太郎さん(笑)。
小栗くんが会ったのは、初演の「タイタス」、これはちら見くらい。
そして初演の「お気に召すまま」のときに、
鋼太郎さんに一からいろいろ教えてもらったと言っていました。
そんな鋼太郎さんへ質問。全てYESかNOで答えてもらい、
それについて話していくというもの。


○ プライベートの吉田鋼太郎は舞台の上より恐いオッサンである・・・YES
舞台の上で恐くないじゃんという鋼太郎さんに、完全否定の小栗くん(笑)。
初演の「お気に召すまま」のとき、鋼太郎さんと一緒に出たくないと思った。
劇場を支配できる声、空気を持っている。役に入るとフルパワーだから、
蜷川さんから「頼むから、役者は殺さないでくれ」と言われてた。
この言葉は「カリギュラ」のとき、小栗くんも言われてたと、
確か雑誌で、読んだような気がするのですが(笑)。
鋼太郎さんが、居酒屋で飲んでたら、マフィアみたいとも言っていました。


○ 小栗は変わっちまった・・・NO
変わってない、全然。関係性も変わってない。
小栗旬の最初の印象は?と聞かれて、
「だからやっぱりお気に召すままで、初めて一緒にやったときの、お芝居やって、
凄いなコイツと思った瞬間だよね。小栗にも何回も言ってるけど。    
うわ〜、ピュアだ、ピュアがものすごいこっちきたもんね。
泣きそうになったもん、俺。泣きそうになるようなシーンでもあったんだけどさ。
そこさ。びっくりしましたね」
それから「お気に召すまま」再演の話になって、小栗くんは、年齢によって、
同じ役をやっても、変わるんだなあって、初演は体当たり、次のときは、
こんなこともしてみよう、あんなこともしてみようって入る。
失ったもの、手に入れたもの、そのときにしか出せなかったものがいっぱいある。
お芝居って上手い下手じゃない部分でもいっぱいあるんだなあと思った。
(これは凄く思います。そのときにしか出せなかったものってありますよね。
そして鋼太郎さんの「ピュアがものすごいこっちきたもんね」の言葉が嬉しい。
私も小栗くんのお芝居で、感じることがあるので。)


小栗くんが「カリギュラ」稽古中のこと。
吉田「俺、オセロの本番やってるときにさ、稽古場行ったらさ、
    すっごいあれじゃん。テンパッてたんじゃんね」
小栗「情熱大陸で使われちゃって」
吉田「なんかすごくいい加減な先輩、みたいな」
小栗「あはははは。くくっ、ウケるっなんて、鋼太郎さんがさ」
吉田「適当にやってりゃいいんだよ、みたいなアドバイスしてて」
小栗「あははは。いやいやあれは俺に対する愛っていうのを感じましたよ」
私も感じました(笑)。そしてこんなメールが、
「今日はカリギュラで共演された横田さんはいらっしゃらないのですか」
横田「います!」
小栗・吉田「あはははは!」


小栗くんも声が凄く出るようになったという話になって。
小栗「この間のカリギュラで、やっぱりちゃんとその人間を、
    自分の中にちゃんと腑に落とせるように、なったときには、
    出さなきゃいけないんじゃなくて、
    出るようになるんだなっていうのは感じました」
吉田「そうだね。腑に落ちてないときって、声、枯れるもんね」
小栗「今までやっぱり理解してるつもりでも、
    腑に落ちてないところがいっぱいあって、
    俺は結構、それがわかりやすい人っていうか、全然腑に落ちてないと、
    芝居もぶれるし、声も出ない。
    カリギュラに関しては、自分の中でどんどんのってったから、
    そのおかげで、声を出すのは辛いって思わなくなったっていうか」
吉田「それ、一番いい状態だよね」
小栗「それを知ったときに、これからはなるべくこういうところへ持っていけるように、
    しなければいけないんだなあって思ったんですけどね」


芝居はどこに惹かれるか?という質問には。
お客さんがいるところ、ライブなところ。
小栗くんは、もうすぐ開演します、という時間になったときの客席の音、
ガサガサとかザワザワとか、その音を聞くと、妙な高揚感とドキドキと、
ああ、お客さん、入ってくれてるんだなあという空気を感じながら出るというのは、
なんともいえないもの、と言っていました。


ANN はお芝居のお話、深いお話もたくさん聞けてよかったですよね。
カリギュラ」のときの声のお話もそうですし、
小栗くんがお芝居に惹かれるところとして、
“もうすぐ開演します、という時間になったときの客席の音、
ガサガサとかザワザワとか、その音を聞くと、妙な高揚感とドキドキと、
ああ、お客さん、入ってくれてるんだなあという空気を感じながら出るというのは、
なんともいえないもの”
この言葉はとても嬉しい言葉で、ああ、小栗くんもそう思ってくれてるんだというか、
こちら側、観る側も、ドキドキと高揚感と異空間が始まる期待感で、
とても惹かれる好きな時間、大切な特別な時間ですよね。
そして“うわ〜、ピュアだ、ピュアがものすごいこっちきたもんね”
小栗くんのお芝居を見ていると、何度もそういう瞬間に、
立ち会えることが出来て、心奪われました。
“あまりに綺麗な目で芝居をしている”
そこは彼の大きな魅力のひとつだと思います。
横田さんが一緒にいるのは、「リア王」で鋼太郎さんと共演中のためで、
このお二人のように舞台を中心に活躍されている役者さんのお話が、
聞けたのも小栗くんのANN ならではでした。
横田さんは「あかいくらやみ」で久々に共演ということで、
こちらも楽しみにしています。
あまりに綺麗な純粋さも、複雑怪奇な深さも感じることができる、
そんな小栗くんにまた会いたいですね。