風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

海辺のカフカ 再演

晴れたり曇ったりしています。
近頃、竜巻、豪雨と天候が大変なことになっていますが、
皆さんのところは大丈夫でしょうか。どうぞ気をつけてくださいね。
さて村上春樹さんの小説、長男はほぼ読破していて、
主人と次男もある程度読んでいるのですが、
私は「風の歌を聴け」と「海辺のカフカ」しか読んだことがありません(笑)。
でも「海辺のカフカ」は凄く好きな小説でした。
その「海辺のカフカ」、以前蜷川さん演出で舞台化されましたが、
再演が決まりました。


【 蜷川幸雄演出「海辺のカフカ」が再演 】
村上春樹のベストセラー小説を蜷川幸雄の演出で舞台化した『海辺のカフカ』が、来年6・7月に再演される。
柳楽優弥の主演で12年に上演された本作。今回のキャストには、宮沢りえ藤木直人柿澤勇人高橋努、鳥山昌克、木場勝己というメンバーを迎える。
なお、今回の主人公・カフカ役については、オーディションを実施。
公演は、彩の国さいたま芸術劇場赤坂ACTシアターほかにて予定。さらに15年には、ロンドン、ニューヨークなどを巡るワールドツアーも決定しているという。


とても素敵なキャストですよね。
佐伯役が宮沢りえさんで、大島役が藤木さんかな。
高橋努くん、柿澤さん、木場さんは初演に続いての出演ですね。
カフカ役はオーディションだそうで、とても楽しみです。
初演も観に行きたかったのですが、結局観に行けず、
再演は名古屋に来てくれないでしょうか。是非観に行きたいです。
本当は、ぐっと細身になった小栗くんで、大島役を観てみたかったです。
海外公演もあるんですね。また「タイタス・アンドロニカス」以来の、
海外公演も経験してほしかったです。
とても思い入れのある好きな作品に、
好きな俳優さんが出演するという体験がしたかったのですが(笑)。


小説「海辺のカフカ」は、ファンタジーとリアルさと、ユーモアと知的さ、
この世と冥界、夢と現実、迷宮、新しい世界、
それらが巧妙に織り込まれているようなページの上に、
もやがかかるように存在していて、
読後、そのもやが晴れ、その露の輝きを心深く感じるという、そんな物語でした。
主な登場人物は皆、繊細でどこか厭世的であり、心に悲しみを湛えていて、
自分が何者であるのかという課題を抱えながら、しかし優しげです。
いわゆる人として決して無神経ではなく、品が良く、
会話は知的で、そうではない人も出てきますが、
でも素直でユニークで、人間的に愛すべき人たちです。
物語を読み進めると、最初、すべて預言のように感じ、
それを確かめるために、一緒に旅に出るような感覚でした。
時間はゆったりと優雅に流れて、
匂い立つような描写は、触った感触も覚えているような、
リアルな夢の中にいるようで、どこかロマンチックで、
とても惹きこまれました。怖ろしい場面もあるのですが、
心にひっかかる言葉は、奥ゆかしく、しかし確かに存在し、
ページをめくる指を遅らせます。
いろいろな人たちの思いが、愛が、その寸前で逡巡するように届かなくて、
切なくて、でもやっと届いたんだと思ったり、
すでに届いていたことに気がついたり・・・。


やっぱり小栗くんで観てみたかったなあ。
細身で繊細な役が観たいです。