風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

秋雨

晴れたり曇ったりしています。
10月5日(土)に「踊る大捜査線 THE FINAL」を観ました。
観ちゃうとやっぱり、鳥飼くん、素敵だなあと改めて思います。
そしてテレビで放送中、ツイッターを「鳥飼」で検索してみたら、
たくさんたくさん出てきました。鳥飼くん、素敵の嵐(笑)。
私としては、映画で作品ではなく、キャラクターなら、
鳥飼誠一がNo.1 かな(スーツ姿が好きなので)。
しかも美しくて格好いいだけではなく、せつなさがあることですね。
以前書いた鳥飼誠一評です。


2004年の8月「お気に召すまま」初演のオーランドー役で、
小栗くんを観たときから、小栗くんの魅力の大きな要素として、
というか、私の好きな小栗くんの要素として、美しさと切なさがあります。
これは彼独特のもので、それを感じに会いに行っていると言っても、
過言ではなくて、映像でも舞台でも、「これなのよ!」〜みたいな(笑)、
胸締め付けられて、心掴まれます。
そしてそれは鳥飼誠一の中にも脈々と流れていました。


美しさと切なさは、画面いっぱいに、
でも押しつけがましくなく漂うように、彼に纏わりついていました。
圧倒的な存在感とともに。
長身で細身、白い肌、黒い髪、ひんやりとクールな雰囲気。
細くて長い指、長い手足、細身のダークスーツ。
心に哀しみを湛え、しかし自身が正義というものに翻弄される、
切なく美しい鳥飼は、小栗くんによって確かに息づいていました。


拒絶する雰囲気は色っぽさにも繋がって、
不遜で生意気、知的でエリート、一見穏やかで優しく、
悪と正義の深淵を行き来する危うさ。
彼の左目は見えない。


立ち姿、カツカツと歩く姿、後ろ姿、
振り返るその表情、ポーカーフェイスの横顔、
心の奥底を覗かれないためにただ見つめる瞳。
冷たくしかし甘い声。
細くて長いその指は携帯を持つ、パソコンを閉じる。
そこだけがスローモーションのような、
音も何もない世界に、ただひとり佇むような、
美しく切なく印象的な鳥飼誠一でした。


重要な役で、惹きこむ力を必要とする役で、
ただの悪役ではなく、強い思いも秘めていて、
それを見事に体現した小栗くん、素晴らしかったです
エアロン、カリギュラとはまた違った悪役で、
「僕の正義は間違っていましたか?」という鳥飼の問いに、
一切の迷いなく間違っている〜と言えない、
社会の背景も、心情的にも、そこに問いかける役だったと思います。
作品の深さを担う役でしたよね。
圧倒的なパワーを持ちながら、繊細で品位を保ちつつ、
かつ美しく切ない鳥飼誠一を構築した小栗くん。
ファンでよかったとまたも思わせてくれた彼に感謝。
鳥飼誠一、忘れられない役になりました。


本当に鳥飼くん、惹きこまれます。
そしてもうありえないですが、鳥飼くんのスピンオフを、
観てみたかったですよね。
あの行動に至るまでの、小池、久瀬、鳥飼の3人の関係も知りたかったし、
完全に実現不可能かと思いますが、
鳥飼くんの恋物語も観てみたかったです(笑)。
鳥飼くん、潔癖そうだし、
絶対、牙城を崩されそうにないので、余計に崩したくなるというか(笑)、
でももし恋に落ちたら、命がけのような気がします。
これも以前、鳥飼くんとあの美人の婦警さんとの、
ちょっとしたお話を書いたことがあります。凄く短いですが。


秋雨


見えない左側から、彼女がすっと彼の手を握る。
少し驚く鳥飼。秋雨の中、見つめ合う二人。
鳥飼の細くて長い指が、彼女の黒髪に触れる、
白い肌に触れる、そして首筋に顔をうずめる。
愛しそうに鳥飼の背中に回す彼女の手。
「君の思いは受け取れない」
相反する言葉に彼女の決意は揺らがない。
「いいの、いいのよ」
雨の中、霞んでいく抱き合う二人、儚い二人・・・。


鳥飼くん、色っぽいですよね。
あんなにきちっとスーツを着ているのに、
だから恋のお話も観てみたかったです。
完全に「踊る〜」からは離れてしまいますが(笑)、
とにかく素敵な鳥飼くんでした。