風色の椅子 第二楽章

小栗旬さんのファンブログ やや耽美主義

最強のふたり

よく晴れました。昨日に引き続き暑いです。
14日に小栗くんがナレーションを担当する、
「伝説の引退スペシャル」が放送されますね。楽しみです。


さて先日、wowow で「007 スカイフォール」を録画して観たと書きましたが、
今度は wowow で「最強のふたり」を観ました。
凄く凄くよかったです!とても有意義な素敵な113分でした。
東京国際映画祭で「キツツキと雨」とサクラグランプリを、
争ったということでしたが、「最強のふたり」がグランプリを獲得したのは、
やはり納得という感じで、とても良質な映画でした。
心が通じ合うって本当に素晴らしいなあと、
笑えるコメディなのに、途中からは温かい涙が溢れました。
全く社会的立場も環境も状態も違うふたり、
でもふたりともが影響し合っているんですよね。
ふたりともが弱さも強さも持っていて、ふたりともに世界が広がっていき、
そのふたりの心の通っていく様子が、
淡々とたくさんの音楽に乗せて(音楽も凄くよかったです)、
あざとくなくわざとらしくなく、
(これがなかなか難しいことですよね。私が好きなところです。
 フランス映画らしいなあと思います。)
素敵に明るくナチュラルに描かれていました。
車椅子の大富豪(フィリップ)と黒人青年の介護人(ドリス)という、
構えてしまいがちなところを、
ユーモアもブラックユーモアみたいなところもあって、
こちらがヒヤヒヤするくらい(笑)、
そんな率直なところがフィリップにはよかったんですよね。
ふたりの対比として、絵画や音楽が出てくるのですが、
これも少し皮肉っぽく、でもどちらが優れているという描き方ではなくて、
そこもよかったです。
実話が元になっているので、やはり説得力がありますよね。
こういう出会いって本当にあるんだなあと思いました。
でも奇跡的な出会いのようで、必然的な出会いのような気がして、
人間を差別的に見ず、フラットに見ること、
ただ同じ人間として見ることが出来るふたりが巡り会ったのだなあと思います。
真っ直ぐさと優しさと信頼とそこにユーモアが散りばめられて、
本当に「良い映画だったなあ」としみじみ思える映画でした。
まさに「最強のふたり」でした(笑)。
ではここからはちょっと台詞を書きたいと思いますので、
ネタばれになってしまうので、読みたい方だけお願いします。






この映画、フィリップが文通相手(笑)にいつも詩を送っていて、
そのシーンがよく出てきます。
その小難しい詩を書いているフィリップが、
ドリスの家庭環境を聞いて、実は養子で、
本名は「バカリ・バサリ」ということ。
結局家に戻ることになる傷心ぎみのドリスにフィリップが、
「詩みたいな名前だ。頭韻を踏んでる。頭韻は分かるかね?」
「ノン」
このやりとりがなんだかとても好きでした。
その後、ふたりの別れの朝になるのですが。
フィリップなりにドリスを励まそうとしているのかなと、
こういうさりげなく相手を思いやるやりとりは、フィリップからドリスへ、
ドリスからフィリップへたびたび出て来て、
それはブラックユーモアに隠れているときもあるのですが、
そういうふたりのやりとりを聞くたびに心が温かくなりました。
結局その文通相手は最後の最後でフィリップと会うことになります。
ドリスがお膳立てして、海辺のレストラン、素敵なその文通相手が現れる、
フィリップの困ったようなでも嬉しそうな笑顔、
窓越しに見えるドリスの笑顔・・・。
そして実在のふたりのその後、
「フィリップは再婚して2人の娘がいる 
 彼は会社社長 結婚して3人の子供がいる」
映像も映って「彼らは今も深い絆で結ばれている」
ピアノの調べとともにエンドロール。
本当に素敵な映画でした。
素敵な映画を観ると心が豊かになった気がしますよね(笑)。